またひとつ、秘宝のライヴアルバムが姿を現しました。世界に衝撃を振りまいた『炎の導火線』時代の新マスターが登場です。現在、世界はエディ・ヴァン・ヘイレンの訃報に打ちひしがれているわけですが、コレクター界ではその痛みを癒すかのように発掘も始まっています。本作は、そんな新マスター1つ。「1978年3月24日アッパーダービー公演」の絶品オーディエンス録音です。もちろん、最大のポイントは驚きのサウンドにあるわけですが、まずはショウのポジション。デビューと共に世界中のド肝を抜いたワールド・ツアーの全体像を振り返って確認しておきましょう。・1月27日+2月8日:ウォームアップ
《2月10日『炎の導火線』発売》・2月18日-4月28日:北米#1(46公演)←★ココ★・5月4日-6月10日:欧州#1(27公演)・6月17日-28日:日本(9公演)・7月1日-9月30日:北米#2(54公演)・10月9日-27日:欧州#2(13公演)・11月3日-12月3日:北米#3(24公演)
《12月11日『伝説の爆撃機』制作開始》 これが1987年のVAN HALEN。デビューから4ヶ月でもう初来日を果たしている事からも巨星登場の衝撃ぶりが伝わりますが、本作のアッパーダービー公演はさらに初期。『炎の導火線』リリースの1ヶ月半後という「北米#1」の20公演目。しかも、「北米#1」の冒頭数公演はそれほど日程も詰まっておらず、本格スタートは3月に入ってから。本作は、まだまだスタートダッシュの勢い溢れる時期でした。そんな序盤のコンサートで記録された本作は、力強く超ダイレクトなサウンドにびっくり! とにかく距離感がなく、ド密着。極太な芯が「届く」というよりは、すぐそこで「発振してる」感じ。もちろん、そこまで間近ですからディテールも曇る間もなく耳元に流れ込み、細かなシンバルワークもギター弦のこすり具合も超鮮明。音色にはややヴィンテージ感も滲みますが、堂々と「まるでサウンドボード」と呼べる超ダイレクト・サウンドな名録音のです。驚きの新マスターですが、本作はその最高峰でもある。実のところ、このマスターには惜しいポイントも散見していました。後半の片チャンネルからテープに消し残っていた別の音楽が聞こえたり、ピッチが半音もズレていたり。本作では、そうした欠点を徹底的に補正。ビシッと整ったピッチは当然ですし、別音楽は綺麗に除去(そのパートはモノラルですが、ステレオ・パートとの違和感もなくシームレスに楽しめます)。ついでに(?)ちょっとパワフルすぎた低音バランスまで整え、新マスターの可能性を最大限に追求したのです。その最高峰サウンドで描かれるのは、地元を離れて旅路の人生を始めたばかりの大熱演。当時はMONTROSEと共にJOURNEYのオープニングを務めており、40分に満たない前座枠。しかし、短いからこそ濃厚で全編が全力失そうなアンサンブルが強烈。実のところ、演奏される9曲すべてが『炎の導火線』ナンバーなのでセット分析は省略しますが、だからこそ「生演奏版のデビュー作」の匂いがプンプン。もちろん、観客の目の前でステージに立つテンションはスタジオの比ではなく、さらに苛烈にバージョンアップ。「火炎の導火線」と言いますか、とっくに導火線の時期はすぎて爆弾が炸裂しているショウなのです。ロック史を力ずくで突き動かしてしまった巨人VAN HALENのデビュー。その現場にド密着サウンドで立ち会える驚異の新発掘ライヴアルバムです。
Live at Tower Theater, Upper Darby, PA, USA 24th March 1978 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND(36:33)
1. Intro 2. On Fire 3. I'm The One 4. Bass Solo 5. Runnin' With The Devil 6. Atomic Punk 7. Drum Solo 8. Little Dreamer 9. Ain't Talkin' 'bout Love 10. Eruption/Guitar Solo 11. You Really Got Me 12. Ice Cream Man
David Lee Roth - Lead Vocals Eddie Van Halen - Guitars, Vocals Michael Anthony - Bass, Vocals Alex Van Halen - Drums