スタジオ遺作『A DIFFERENT KIND OF TRUTH』に世界が沸き上がっていた2012年。当時ツアーをリアルタイム・レポートし、今またそのクオリティが再評価を受けている『DIFFERENT LIVE OF TRUTH』シリーズ。その最新弾です。 最新弾が2作同時リリースとなるわけですが、本作は第7弾。「2012年3月30日ピッツバーグ公演」「同年4月1日ローズモント公演(2ソース)」をセットした6枚組です。毎週の連続復刻に混乱されている方もいらっしゃることでしょう。まずは、当時の日程からシリーズ・コレクションを整理してみましょう。・1月5日-2月8日:ウォームアップ(3公演)《2月7日『A DIFFERENT KIND OF TRUTH』発売》・2月18日:ルイビル公演*『I(Disc 1-2)』『II(Disc 1-2)』・2月20日:オーバーンヒルズ公演*『I(Disc 3-4)』『II(DVDR)』・2月22日:インディアナポリス公演*『I(Disc 5-6)』
・2月24日:シカゴ公演*『II(Disc 3-4)』・2月28日+3月1日:ニューヨーク(2公演)・3月3日:アンカスビル公演*『III(Disc 1-2)』・3月5日:フィラデルフィア公演*『III(Disc 3-4)』・3月9日:バッファロー公演*『IV(Disc 1-2)』・3月11日:ボストン公演*『IV(Disc 3-4)』
・3月13日:マンチェスター公演*『IV(Disc 5-6)』・3月15日:モントリオール公演*『V(Disc 1-2)』・3月17日:トロント公演*『V(Disc 3-4)』・3月21日:オタワ公演・3月24日:アトランティックシティ公演*『VI(Disc 1-2)』・3月26日:レディング公演*『VI(Disc 3-4)』
・3月28日:ワシントンD.C.公演*『VI(Disc 5-6)』3月30日:ピッツバーグ公演 ←★本作DISC 1-2★ 4月1日:ローズモント公演 ←★本作DISC 3-4/5-6★・4月10日-6月26日:北米#2(31公演) これが2012年のVAN HALEN。“A DIFFERENT KIND OF TRUTH TOUR”の全体像は同時リリースの『?(Shades 485)』解説に譲るとして、ここではアルバム発売直後の「北米#1」を1公演ずつ詳細に記述しました。ご覧の通り、『DIFFERENT LIVE OF TRUTH』シリーズはほとんどのショウをベスト・マスターでアーカイヴしていた。その中でも、本作の2公演は「北米#1」を締めくくる最終2公演を特集したセットなのです。そして、そのクオリティも絶大。このシリーズではサウンドの個性をイメージしやすいよう3種「クリア・タイプ」「ダイナミック・タイプ」「ムード・タイプ」に分類してきました。「クリア・タイプ」は言い換えるならサウンドボード的な録音で、ビビッドな芯が突き刺さるようなタイプ。「ダイナミック・タイプ」はホール鳴りがムキ出しの芯に厚みを与えるタイプ。この系の最高峰になると公式ライヴアルバムのようなサウンド……ということになります。そして、3つめの「ムード・タイプ」は反響が厚く、臨場感・現場感に優れた録音です。さて、本作はと言うと大雑把に言いますと2公演(3種)とも「ダイナミック・タイプ」。もちろん3種とも傾向は近くても結構差異はある。「3月30日ピッツバーグ(DISC 1-2)」なら厚いホール鳴りがムード・タイプにも近く、そのド真ん中を突っ切る芯の力強さで「やっぱりダイナミック系だな……」と思わせる。それに対し、「4月1日ローズモント(SOURCE #1/DISC 3-4)」はホール鳴りがサッと晴れ、距離もド密着。ほぼほぼ「クリア・タイプ」と呼んでも差し支えないサウンドボード的なビビッド録音です。そして、同公演・別録音の「4月1日ローズモント(SOURCE #2/DISC 5-6)」はピッツバーグに酷似しており、ムード・タイプっぽいけど鮮やかと聴きやすさも両立した名録音なのです。なんだか「○○タイプ」をゴチャゴチャ列挙して余計分かりづらくなってしまったかも知れません。整理しますと「真ん中(DISC 3-4)はびっくりサウンドボード級」「他2つ(DISC 1-2/5-6)も侮れない名録音」……という6枚組なのです。そして、そんなサウンドで描かれるショウは、実は4年ぶりだったツアーも軌道に乗ったフルショウ。ここでセットも整理しておきましょう。固定曲(18曲+α)・炎の導火線:Runnin' With The Devil/You Really Got Me/Ice Cream Man/Ain't Talkin' 'Bout Love・伝説の爆撃機:Somebody Get Me A Doctor/Dance The Night Away/Women In Love/Beautiful Girls
・暗黒の掟:Everybody Wants Some!!・戒厳令:Unchained・ダイヴァーダウン:(Oh) Pretty Woman・1984:I'll Wait/Hot For Teacher/Panama/Jump・ア・ディファレント・カインド・オブ・トゥルース:She's The Woman/Tattoo/China Town 日替わり曲(曲)・炎の導火線:Jamie's Cryin’(★)
・伝説の爆撃機:Outta Love Again(★:4月1日ローズモントのみ)・暗黒の掟:Romeo Delight(3月30日ピッツバーグのみ)・ダイヴァーダウン:The Full Bug(★:4月1日ローズモントのみ)・1984:Girl Gone Bad(★:3月30日ピッツバーグのみ)
・ア・ディファレント・カインド・オブ・トゥルース:Blood And Fire(★:3月30日ピッツバーグのみ)/The Trouble With Never(★:4月1日ローズモントのみ)※:「★」印は公式ライヴアルバム『TOKYO DOME LIVE IN CONCERT』で聴けない曲。……と、このようになっています。ポイントなのは、2公演セットだからこその幅広さ。いかに日替わり曲とは言っても、それはあくまでツアー全体での話。近接2公演ではほとんどセットが同じ事も珍しくないのですが、本作はかなりバラけている。「Jamie's Cryin’」以外はダブリがないのです(ちなみに、この曲は“A DIFFERENT KIND OF TRUTH TOUR”だと5公演だけのレア曲でもある。そのうち2公演が本作にセットされているのです)。レア度と言えば、聴き逃せないが新曲「Blood And Fire」。再結成時代の彼らは41曲のレパートリーを演奏しましたが、この曲は4回だけ試された曲で「Bottoms Up!(1回)」「Hang 'Em High(2回)」と並んで激レア・トップ3に数えられる。しかも「Bottoms Up!」「Hang 'Em High」はオリジナル編成時代にも演奏していたわけですが、「Blood And Fire」は新曲なので「このツアーで4回=VH全史で4回だけ」となる。本作は、そのうちの1回を素晴らしいサウンドで体験できるのです。デイヴとの28年ぶりのスタジオ新作を全米2位に送り込み、再び全盛を取り戻したワールド・ツアー。その自信に満ちた2公演を素晴らしいサウンドでセットした6枚組です。傑作揃いシリーズでも名録音の充実感では屈指となる銘品。
Consol Energy Center, Pittsburgh, PA. USA 30th March 2012 PERFCT SOUND Allstate Arena, Rosemont, IL. USA 1st April 2012 (2 SOURCES) TRULY PERFECT SOUND
Live at Consol Energy Center, Pittsburgh, PA. USA 30th March 2012 Disc 1(53:41) 1. Intro. 2. Unchained 3. Runnin' With The Devil 4. She's The Woman 5. Romeo Delight 6. Tattoo 7. Everybody Wants Some!! 8. Somebody Get Me A Doctor 9. China Town 10. Jamie's Cryin'
11. (Oh) Pretty Woman 12. Drum Solo 13. You Really Got Me 14. Blood And Fire
Disc 2(57:54) 1. Dance The Night Away 2. I'll Wait 3. Hot For Teacher 4. Women In Love 5. Girl Gone Bad 6. Beautiful Girls 7. Ice Cream Man 8. Panama 9. Guitar Solo 10. Ain't Talkin' 'Bout Love 11. Jump
Live at Allstate Arena, Rosemont, IL. USA 1st April 2012 Source #1 Disc 3(54:50) 1. Intro. 2. Unchained 3. Runnin' With The Devil 4. She's The Woman 5. The Full Bug 6. Tattoo 7. Everybody Wants Some!! 8. Somebody Get Me A Doctor 9. China Town 10. Jamie's Cryin'
11. (Oh) Pretty Woman 12. Drum Solo 13. You Really Got Me 14. The Trouble With Never
Disc 4(60:19) 1. Dance The Night Away 2. I'll Wait 3. Hot For Teacher 4. Women In Love 5. Outta Love Again 6. Beautiful Girls 7. Ice Cream Man 8. Panama 9. Guitar Solo 10. Ain't Talkin' 'Bout Love 11. Jump
Source #2 Disc 5(54:58) 1. Intro. 2. Unchained 3. Runnin' With The Devil 4. She's The Woman 5. The Full Bug 6. Tattoo 7. Everybody Wants Some!! 8. Somebody Get Me A Doctor 9. China Town 10. Jamie's Cryin' 11. (Oh) Pretty Woman 12. Drum Solo 13. You Really Got Me
14. The Trouble With Never
Disc 6(60:50) 1. Dance The Night Away 2. I'll Wait 3. Hot For Teacher 4. Women In Love 5. Outta Love Again 6. Beautiful Girls 7. Ice Cream Man 8. Panama 9. Guitar Solo 10. Ain't Talkin' 'Bout Love 11. Jump
David Lee Roth - Lead Vocal Eddie Van Halen - Guitar, Vocal Alex Van Halen - Drums Wolfgang Van Halen - Bass, Vocal