サミー・ヘイガーとの最後の名盤『BALANCE』を送り出し、黄金時代の終幕へと歩んでいた1995年のVAN HALEN。その大定番サウンドボード・アルバムの最高峰を更新するライヴアルバムが2タイトル同時リリース。2タイトル同時リリースの第1弾である本作に刻まれているのは「1995年1月27日アルンヘム公演」。そのステレオ・サウンドボード録音です。このショウはいわゆるワールド・ツアーの一環ではなく、アルバム『BALANCE』発売に伴うプロモーション。ファンクラブや関係者を招いたシークレット・ギグでした。まずは、そんな状況を知る意味でも、当時のスケジュールから振り返ってみましょう。
《1月24日『BALANCE』発売》・1月27日+31日:プロモーション(2公演)←★ココ★・3月11日-5月15日:北米#1(37公演)・5月24日-6月30日:欧州(25公演)・7月15日-10月15日:北米#2(60公演)・10月25日-11月5日:日本/ハワイ(9公演) これが1995年のVAN HALEN。ワールド・ツアーはアルバム発売から1ヶ月半後の3月から始まりましたが、プロモ・ギグはアルバム発売直後の欧州で3公演だけ実施されました。2タイトルは両方ともプロモ・ギグなわけですが、特に本作のアルンヘム公演は1995年初演のステージでした。そんなショウはアルバムのプロモートということもあり、テレビやラジオでも放送。数々の定番ライヴアルバムを生み出してきました。本作もまたそのFMサウンドボードではありますが、これまでの過去最高峰を更新する1枚なのです。そのポイントはマスタリング。エディの訃報に触れたコアな海外マニアが一念発起。数あるマスターを入念にチェックしてベストな1本を厳選し、さらに丁寧に磨き込んで発表したものなのです。実際、そのサウンドは完全オフィシャル級……と言いますか、まるで『BALANCE』。もちろん、演奏自体はスタジオ・テイクとはまるで異なりますし、ヴォーカルも生声。そもそも、このショウはTV放送もされていますし、新曲以外も演奏している。しかし、聴き込んでいるとそれを忘れて『BALANCE』を聴いているような錯覚にさえ陥ってしまう。つまり、多用される「オフィシャル級」という言葉の中にあっても、ライヴアルバムではなくスタジオ作品レベルの超リッチ・サウンドなのです。そんなゴージャス・サウンドで描かれるのは、全世界初演となる『BALANCE』ナンバーも美味しいショウ。今週同時リリースの姉妹作『MILAN 1995』と酷似しつつも、まったく同じというわけでもない。ここでそのセットを整理してみましょう。バランス(4曲)・The Seventh Seal(★)/Don't Tell Me (What Love Can Do)/Amsterdam/Feelin' その他(5曲)・デイヴ時代:Panama/Ain't Talkin' 'Bout Love(★)
・サミー時代;Judgement Day(★)/Top of the World(☆)/Best Of Both Worlds(★)※注:「★」印はプロショット『RIGHT BALANCE: TORONTO 1995』で観られない曲。「☆」印は同時リリースの『MILAN 1995』で聴けない曲。……と、このようになっています。あくまでもアルバム・プロモートの特別ギグなので9曲と短いのですが、姉妹作『MILAN 1995』よりも長く、あちらでは演奏しなかった「Top of the World」も聴けます。そして、同日のテレビ放送よりも長い。TVプロショットでは「Top of the World」で終了していましたが、その後に「Feelin'」「Best of Both Worlds」「Ain't Talkin' 'bout Love」も演奏していました。ラジオ放送の本作では、その最後まで極上サウンドで体験できるのです。そんなセットに加え、さらにスペシャルなのが「Amsterdam」の終了後。実は、このショウの前日“1月26日”はエディ40歳の誕生日でした。サミーがMCでそのことに触れ、会場中を巻き込んだバースデーソングが巻き起こるのです。オフィシャルに残されることのなかった『BALANCE』ナンバーの生演奏を、それも全世界初演で味わえる貴重な超極上サウンドボード・アルバムです。TV放送プロショットは元より、過去のどのラジオ放送アルバムよりも高音質な決定盤。
Live at Luxor Live, Arnhem, Netherlands 27th January 1995 STEREO SBD (51:54)
1. Intro 2. The Seventh Seal 3. Judgement Day 4. Don't Tell Me (What Love Can Do) 5. Amsterdam 6. "Happy Birthday Eddie" 7. Panama 8. Top of the World 9. Feelin' 10. Best of Both Worlds 11. Ain't Talkin' 'bout Love STEREO SOUNDBOARD RECORDING
Sammy Hagar - lead vocals, guitar Eddie Van Halen - guitar, backing vocals Michael Anthony - bass, backing vocals Alex Van Halen - drums, percussion