2002年のウォームアップ・ギグと違い2005年に同種のギグが行われた際、アルバム「DON'T BELIEVE THE TRUTH」のプロモーションに積極的だったオアシス側の意向によって贅沢にもテレビ放送やラジオ放送が実現しています。前者に関しては5月12日のミラノでのギグが挙げられますが、後者に関してマニアの間で有名だったのが22日のロンドンでのギグ。ただしこの時期の目玉であった「HEATHEN CHEMISTRY」からの二曲がどちらもカットされてしまうなど、ライブの完全放送が実現しなかった点で惜しまれると同時に、そのせいであまり脚光を浴びないラジオ音源でもありました。そこを逆手に取ったのが再リリースされる「TURN UP THE SUN」。本タイトルが2005年当時にリリースされた際は、この放送を収めたディスクが付属したのです。先の不完全収録という問題以外にもギャラガー兄弟のボーカル・バランスが全体的に演奏に押され気味というか、浮き沈みのある状態であるミキシングも当時から見過ごされた要因かもしれません。それでも音質自体は非常に素晴らしいステレオ・サウンドボードですので、四日後のオーディエンス録音「TURN UP THE SUN」と比べれば俄然万人向けな音源だと言えるでしょう。ラジオ放送らしく冒頭では兄弟のインタビューが放送されますが、ノエルが喋っている最中にリアムが茶々を入れてくるなど、二人の関係が良好だった年ならではの場面が今となっては切なさを感じさせます。2005年当時この音源を収めていたアイテムも今や入手困難となって久しく、また現在YouTube上で聞けるバージョンでは音質が劣化していた上に肝心のインタビューもカットとなっており、なおさら2005年当時の鮮度や放送そのままであった本ディスクの価値は再評価されるべきかと。そして先に挙げた問題に目をつぶればツアー本編の前ということもあり、オアシスの演奏から伝わってくる、ゆったりとした雰囲気が新鮮。2005年ツアーはリアムの調子が悪いと声が荒れまくるというジレンマがありましたが、そこは流石ツアー序盤ということで全編を安心して聞けるという点がまた魅力。その上ステレオ・サウンドボードで音質は抜群ときた。
The Clapham Grand, London, UK 22nd May 2005 STEREO SBD(from Original Off-Air Recording) (63:26)
1. Noel Gallagher Interview 2. Liam Gallagher Interview 3. Bring It On Down 4. Morning Glory 5. Cigarettes And Alcohol 6. A Bell Will Ring 7. The Meaning Of Souls 8. Mucky Fingers 9. Champagne Supernova 10. Rock And Rock Star 11. Songbird 12. Wonderwall
13. Don't Look Back In Anger 14. My Generation STEREO SOUNDBOARD RECORDING Liam Gallagher - vocals, tambourine Noel Gallagher - guitar, vocals Gem Archer - guitar Andy Bell - bass Zak Starkey - drums