1973年2回目の日本ツアーより、ツアー初日にして73年唯一の東京公演である10月25日の武道館ライブを初登場の極上レベルの高音質オーディエンス録音で収録。完全未発表の録音者のマスター・カセット・テープを使用。アリーナのPAスピーカーの近くで録音したとのことで、非常にダイレクトなサウンドで収録されており、マーク・ボランのボーカル・ギター、ミッキー・フィンのパーカッションをはじめ、ベースラインも含めたバンド・アンサンブルの細部まで、安定感抜群の音像でしっかり聴くことができます。鮮度抜群の高音質は実に素晴らしく、音の経年劣化も感じられません。前年ツアーのコーラスは参加せず、代わりにサイド・ギターのジャック・グリーンが参加。マークが来日直後の記者会見で語っている通り、「日本のファンには馴染みの深い曲を演奏したい。聴き慣れた曲が聴けるコンサートのほうがより楽しんでもらえると思う。」と言う言葉通り、新作「Tanx」からは一切演奏されませんでした。コンサートは20th Century Boyで劇的にスタート。曲間のMCは殆どなしで、この2回目のツアーではChariot Choogle、Telegram Samそれぞれ8分、Buick Mackane11分、Jeepster10分、Get It Onは16分と長めに演奏してるのも特徴です。軽めでストレートなロンドンのグラムロックのイメージとは一線を画する、パワフルで力強い、独特のアンサンブルで押しまくるバンドをバックに、延々とギターソロを繰り広げるマークの演奏は聴き手に強烈なインパクトを与えます。音像も終始安定しており、バンドの放つ他に類を見ないようなオリジナリティ溢れる演奏ぶりに、最初から最後まで非常に新鮮に聴き入ることができます。記録で伝えられるように女性ファンのアイドル・コンサートのような嬌声や(事前に練習してきたと思われる)掛け声と、それには不似合いと思える強烈なロック・グルーブの奇妙なコントラストが非常に興味深いドキュメントになっています。エンタティメントに徹したロックショウとはまた違った独特の印象のライブであり(実際、メディア受けも悪かったようです)、それについていけない押し黙った観客の反応に流石にマークも感情的になったらしく、Get It Onの前に観客への非難ととれる2分間のMCを行います。「君たちのその冷淡な反応はなんなんだ?前回のツアーと全然違う。僕は非常にがっかりしたよ。これはロックコンサートだし、もっと騒いだり楽しんでくれないなら、ここに来る必要はないだろ?」(途中、"日本語で言って~"という女の子の声が聞こえる)「他の誰でも無い、君達一人一人に会うために僕らは遠い所からやってきたんだ。心の底から思うよ。僕らは友達なんだ。日本語で友達ってなんて言うの?「コモナティ?コウォナティ?Friends! Get Down!!」とシャウトして轟音と共にスタートする16分に及ぶGet It Onはなかなか感動的です。同曲終演後、日本人司会者から「というわけでT.REX日本での2回目のコンサート・・・日本での2回目の来日で今日は東京一回のコンサートでしたけれども、素晴らしい迫力でT.REXのコンサートは終わりました。この後、T.REXは名古屋、大阪、そして広島、福岡と・・・」というアナウンスも収録されています。ラストにはメインテープ未収の8分近いミドルテンポのジャム風の演奏が聴けるのTokyo Bluesが別テープより収録されています。このテイクのみ音質はやや落ちますが、それでも十分に聴ける音質です(このテイクも完全初登場テイクです)。勿論、同日の既発盤「T.K.Y. Blues」とも別マスター。カットポイントに関しては、テープチェンジの欠落はBuick Mackaneの10:42でありますが、直ぐにテープを反転させており、欠損は僅かです。またJeepsterのエンディング未収(9:48まで収録)という欠点もありますが、当時の武道館公演のオーディエンス録音としては音質は上々であり、音像も十分に安定しており、素晴らしい歴史的ライブドキュメントに仕上がっています。収録時間72分。
Live at Budokan, Tokyo, Japan 25th October 1973 TRULY AMAZING SOUND(from Original Masters)
1. Opening 2. 20th Century Boy 3. Chariot Choogle 4. Telegram Sam 5. Buick Mackane 6. Jeepster 7. MC 8. Get It On 9. Tokyo Blues Marc Bolan : Guitar, Vocal Jack Green : Guitar Mickey Finn : Percussion, Vocal Steve Currie : Bass Bill Legend : Drums