ロック界の……いえ、音楽シーンを象徴する超大物となって日本に戻ってきた1992年のGUNS N' ROSES。そのオリジナル録音がブラッシュ・アップして登場。同時リリースとなる2タイトルのうち、本作はその第1弾。「1992年2月20日:東京ドーム公演」の極上オーディエンス録音です。“USE YOUR ILLUSION TOUR”では二度の来日が実現し、その一幕は公式映像『USE YOUR ILLUSION WORLD TOUR: 1992 IN TOKYO I & II』としても残されました。まずは、そんな状況を思い起こすためにも二度の来日スケジュールから振り返ってみましょう。1992年・2月19日:東京ドーム・2月20日:東京ドーム ←★本作★
・2月22日『TOKYO DOME 1992 3RD NIGHT』&公式映像 1993年・1月12日-15日:東京ドーム(3公演) これが1992年/1993年の来日公演で、すべて東京ドーム限定でした。公式映像は1992年最終日で撮影されたわけですが、本作はその1つ前にあたるコンサートでした。「1992年の来日」と言うと最終日の公式映像やテレビ放送があまりにも強力で、長年に渡って音落としサウンドボードばかりが無数にリリース。正直なところ他の日は霞んでしまい、巨大すぎるバンドの存在感に反して、オーディエンス録音の発掘も芳しくありませんでした。そんな歴史を変えたのが、『DISTORTION OF THE SENSES』。録音家本人から譲られたオリジナル・マスターだったのですが、聴けるだけでもありがたい“2月20日”をフル収録しているだけでなく、凄まじい高音質だったのです。何と言っても素晴らしいのは、クリアな空気感。もちろん、東京ドームですから「まるでサウンドボード」と言うほどド密着でもないのですが、その一方でくっきりとした芯と鮮やかなディテールには「これがドーム録音!?」と耳を疑う。間違いなくホール鳴りも吸い込んでいるものの、それが曇りや濁りを起こさず、ド真ん中を貫く演奏音や歌声がレーザー光線のようにビビッドなのです。本作は、そんな名録音の可能性を最大限に引き出した究極ブラッシュ・アップ盤。これがもう、丸っきり生まれ変わっている。もちろん、無闇矢鱈な音圧稼ぎはしておりません。再デジタル化した上で丁寧にピッチ・位相を修正し、さらに各音域ごとのバランスも調整。特に低音と高音のバランスを整え直しているのです。言葉にすると大した事なさそうなのですが、その成果は絶大。特に強烈なのは、重低音。明らかに原音よりもパワーも重量感も増しているのに、ボケ感がまるでなし。バスドラのキック1発までくっきりといてそれでいて、そのアタックがドスドスと五臓を蹴り上げ、グルーヴが六腑を揺らす。そこまで強烈なパンチを効かせつつ、中音域・高音域との均整が取れているから凄いのです。そんなアップグレード・サウンドで永久保存されたのは、公式映像で有名な最終日とは似て(まったく)非なるフルショウ。まずは比較しながらセットを整理してみましょう。固定曲・アペタイト・フォー・ディストラクション:Mr. Brownstone/Nightrain/Welcome To The Jungle/Sweet Child O' Mine/Paradise City・GN'Rライズ:Patience
・ユーズ・ユア・イリュージョンI:Bad Obsession/Live And Let Die/Don't Cry/Double Talkin' Jive/November Rain・ユーズ・ユア・イリュージョンII:So Fine/Civil War/You Could Be Mine/Knockin' On Heaven's Door・その他:Attitude/Godfather Theme 日替わり曲
・アペタイト・フォー・ディストラクション:It's So Easy・GN'Rライズ:Move To The City・ユーズ・ユア・イリュージョンII:Locomotive(★)※注:「★」印は公式映像『USE YOUR ILLUSION WORLD TOUR: 1992 IN TOKYO I & II』でも聴けない曲。……と、このようになっています(各人のソロ・タイムやイントロ的に演奏されるカバー曲などは省略しています)。上記は東京ドーム3公演すべてで演奏された「固定曲」とそれ以外の「日替わり曲」に分けたもの。日替わりとは言ってもほとんどが最終日と被っていたりもするのですが、その中でギラリと光っているのが「Locomotive」でしょう。世界的に見てもツアー全体で片手で数えられるほどしか演奏されていない曲ですし、当然日本で披露されたのは後にも先にもこの日だけ。そんな激レア曲を極上体験できるわけです。もちろん、本作は1曲のためのアルバムではない。演奏そのものの気合いも十分で、アクシデントまで盛りだくさん。まず気合いの件ですが、実はこの日も撮影が行われていた。「Patience」の後で通訳を交えたMCで語っている通り、初日(2月19日)よりも明らかに張り切っており、機嫌の良いアクセルに引っぱられるようにバンドも気持ち良さそうに演奏している。そのまま快走するかと思われたショウのムードが一転するのは後半に差し掛かった「Civil War」。ドラマティックに曲を締めくくったところで突然アクセルがブチ切れ。どうもステージ上の機材に不具合があってアクセルが何か(テレプロンプター!?)にぶつかりそうになったようで、マイクを叩きつけてステージを降りてしまうのです。いきなり止まったショウに現場は騒然。手持ち無沙汰な感じでギターが鳴る中、日本人スタッフが出てきて「ちょっとテクニカルの問題があって、ちょっと……待ってください」とアナウンスする。その後10分ほどでアクセルも戻ってくるのですが、その間をバンドがジャムって間を保たせている。現場をご体験された方ならスリリングなムードをご記憶かも知れません。あの何とも言えない空気感が超リアルに甦ってくるのです。時代の象徴として君臨していた一大全盛期の来日公演にして、激レア曲も気合いの入った熱演もスリリングなトラブルも総てが揃っていた東京ドーム第二夜。本作は、そんな美味しい現場を極上サウンドで本生体験できる文化遺産アルバムです。あらゆる手段でオリジナル録音の可能性を引き出した究極クオリティ盤。「1992年2月20日:東京ドーム公演」の極上オーディエンス録音。『DISTORTION OF THE SENSES』で話題をさらったオリジナル・マスターを細心マスタリングで磨き上げた銘品で、くっきりとした芯と鮮やかなディテールには「これがドーム録音!?」と耳を疑う。演奏音や歌声がレーザー光線のようにビビッドで、パワーも重量感も増した低音にもボケ感がまるでなし。公式映像でも聴けない「Locomotive」や機材トラブルにブチ切れてショウを中断させるアクセルなど、全盛期のフルショウを極上体験できます。
Tokyo Dome, Tokyo, Japan 20th February 1992 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)*UPGRADE
Disc 1 (46:55) 1. My Way 2. It's So Easy 3. Mr. Brownstone 4. Locomotive 5. Bad Obsession 6. Live And Let Die 7. Attitude 8. Don't Cry 9. Nightrain 10. So Fine
Disc 2 (45:29) 1. Wild Horses 2. Patience 3. Welcome To The Jungle 4. Double Talkin' Jive 5. Civil War 6. Improvisation Disc 3 (76:09) 1. Piano Solo 2. November Rain 3. Drum Solo 4. Guitar Solo 5. Godfather Theme 6. Sail Away Sweet Sister 7. Bad Time 8. Sweet Child O' Mine
9. Move To The City 10. You Could Be Mine 11. Only Women Bleed 12. Knockin' On Heaven's Door 13. Mother 14. Paradise City