『PRIVATE DANCER』『BREAK EVERY RULE』で築いた一大全盛の輝きを日本にも運んできた1988年のティナ・ターナー。その現場を真空パックした極上オリジナル録音が世界初公開です!そんな本作に吹き込まれているのは「1988年3月27日:大阪城ホール」公演。その超絶級オーディエンス録音です。1988年のティナと言えば、同時期に来日していたミック・ジャガーのショウに飛び入りしたことでも思い出深い。その辺の状況も含め、まずは当時のスケジュールから振り返ってみましょう。・3月20日-22日:横浜スタジアム(3公演)◎3月23日:東京ドーム(ミックのショウにゲスト出演)
・3月24日+25日:日本武道館(2公演)・3月27日:大阪城ホール ←★本作★・3月29日+30日:大阪城ホール(2公演)これが1988年の来日公演。横浜スタジアム・日本武道館・大阪城ホールと、東西日本の大会場を押さえた堂々たるツアーでした。関東圏ではミックの東京ドーム公演(2日目)に飛び入りして「Brown Sugar」「It's Only Rock 'n Roll」を共演していましたが、その返礼なのか、ティナの大阪初日にはミックが飛び入り。本作は、そんなサプライズが実現した記念碑的なコンサートなのです。そんなショウを記録した本作は、まさに「超」付きの極上サウンド。録音家から直接譲られた世界初公開のオリジナル録音なのですが、その録音家こそがタダ者ではない。80年代を中心に活動していた伝説的な名手。エリック・クラプトンやジェフ・ベック、PINK FLOYD等々、当時を代表する数々の歴史的な録音を残してきた人物なのです。もちろん、ミックのソロやTHE ROLLING STONESの初来日の代表作もこの人物の作であり、本作はその姉妹編とも言えるティナ・ターナー編なわけです。この人物はかの名門キニー以上の達人とも言われているのですが、本作のサウンドはそれを証明するに十分。とにかく、猛烈にクリア&ダイレクト。リアルな手拍子や音色にオーディエンスらしさはあるのですが、ホール鳴りはヘッドフォンで耳を澄ませてやっと感じられるほどささやかで、その空気感はクリスタル・クリア。そのド真ん中を突き抜ける芯は完全にゼロ距離感覚ですし、ディテールにも1音1音の輪郭にも寸分の曇りも濁りもない。重低音は腹に響きつつもビビらず、中音域は手応えたっぷりで、高音はどこまでも綺麗に伸びる。年代物のワインはそのままよりも磨き抜かれたクリスタル・グラスに注いだ方が輝きが増すものですが、本作もまた、そんな輝きを放つ光の録音なのです。そんなブリリアント・サウンドで描かれるのは、一大全盛に輝くティナのフルショウ。80年代の彼女と言えば、伝統の公式ライヴアルバム『TINA LIVE IN EUROPE』が浮かびますが、本作はその日本バージョンにして、さらに美味しいフルショウ。その意味をご説明するためにも、ここでは公式盤と比較しながらセットを整理してみましょう。プライヴェート・ダンサー(7曲)・I Can't Stand the Rain/Better Be Good to Me/Private Dancer/What's Love Got to Do With It/Let's Stay Together/
Show Some Respect/Steel Claw(★)ブレイク・エヴリ・ルール(5曲)・What You Get Is What You See/Break Every Rule/Typical Male/Two People/Paradise Is Here その他(6曲)・アイク&ティナ・ターナー:Proud Mary/Nutbush City Limits
・その他:Addicted to Love/We Don't Need Another Hero (Thunderdome)/It's Only Love/Honky Tonk Women(★)※注:「★」印は公式盤『TINA LIVE IN EUROPE』では聴けない曲。……と、このようになっています。ショウはおおよそ2大ヒット作『PRIVATE DANCER』『BREAK EVERY RULE』を濃縮還元したもので、そこにアイク&ティナ・ターナー時代のナンバーやカバーを散りばめたもの。複数公演からかき集められて1公演以上のボリュームになっていた『TINA LIVE IN EUROPE』ほど多彩ではありませんが、その分通しショウの体験感は絶大です。そして何より美味しいのが「Honky Tonk Women」。ティナが歌う事が珍しいレア曲でもあるのですが、ポイントはそこではない。前述したように、ここでは初来日していたミックが飛び入り参加。豪華共演デュエットを聴かせてくれるのです。しかも、ここがオーディエンスならではの聴きどころにもなっている。何の説明もなく始まる聞き覚えのあるイントロに「あれ? 何の曲だっけ」といった感じの迷いが広がり、ミック登場と共に驚きと納得と驚喜が一気に吹き出す。そして、丸っきりサウンドボード級のクオリティで2人の歌声を堪能しつつ、腹の底から個婦分が沸き立つ臨場感をたっぷりと味わえる。この夜だからこそ、客録だからこそ、そして伝説名手の超絶サウンドだからこその醍醐味が滲んで溢れてこぼれ出す1曲なのです。まさに「TINA LIVE IN JAPAN」。全盛期の豪華絢爛な日本公演を極上サウンドで楽しめ、なおかつミックとの共演も現場体験できる奇跡のライヴアルバムです。これほどの名作が33年間も知られてこなかったとは。まだまだ地球には衝撃の音楽記録が眠っているに違いない……そんな録音史のダイナミズムまで感じさせてくれる新発掘。「1988年3月27日:大阪城ホール」公演の超絶級オーディエンス録音。日本洋楽史の伝説ともなっている名手による全世界初公開のオリジナル録音で、そのサウンドは「超」付きの極上。とにかくクリスタル・クリアでゼロ距離なダイレクト感が強烈。ショウは『TINA LIVE IN EUROPE』の来日版とも言えるもので、公式の伝統盤では聴けない「Steel Claw」「Honky Tonk Women」も披露。特に巧者では同時期に来日中だったミック・ジャガーが飛び入りし、豪華デュエットで魅せてくれます。
Live at Osaka-Jo Hall, Osaka, Japan 27th March 1988 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)
Disc 1 (48:32) 1. Intro. 2. What You Get Is What You See 3. Break Every Rule 4. I Can't Stand the Rain 5. Typical Male 6. Two People 7. Better Be Good to Me 8. Addicted to Love 9. Private Dancer 10. We Don't Need Another Hero (Thunderdome) 11. What's Love Got to Do With It
Disc 2 (40:54) 1. Let's Stay Together 2. Band Introduction 3. Proud Mary 4. Show Some Respect 5. Steel Claw 6. It's Only Love 7. Nutbush City Limits 8. Honky Tonk Women (★with Mick Jagger) 9. Paradise Is Here