末期ヤードバーズの発掘音源「FILLMORE 1967 & CONCORD 1968」のリリースも記憶に新しいところですが、さらなる末期ライブ音源をリリース。それはコンコードの一か月前に行われたクリーブランドはアレン・シアターでのライブを捉えたオーディエンス録音。以前から存在した音源ではあるものの、今までアイテムとしてリリースされたことはありません。というのもビンテージ・オーディエンスというレベルにとどまらず、かなりの荒くれ録音でもあるという(苦笑)。オープニングの「Train Kept A-Rollin'」が始まるとマイクに向かって「The Yardbirds!」と教えてくれるのは微笑ましいのですが、肝心の録音レベルがかなりの飽和状態。おかげで演奏の音量が大きめの個所になると音がギシギシと歪んでしまうのです。30分の不完全収録であったということよりも、この録音状態のせいでアイテムがリリースされなかったのだと思われます。それでも元の音源の低いピッチを正確にアジャストしたことで、荒くれ音源なりに聞きこめる状態にまで回復してくれたのです。元の録音は、あの飽和した状態に加えてピッチが遅いせいでなおさら聞き辛い状態となっていた。こうしてピッチがアジャストされたことで演奏の輪郭が伝わってくるようになっただけでなく、飽和した録音状態ながら演奏の静かな部分が多い「Dazed & Confused」やジミー独演の「White Summer」になるとあのギシギシとした歪みが収まるので、それらでは意外と聞けてしまいます。おまけにどちらの曲もこの後ZEPのステージにおいても発展していった曲でもある。もちろん全体的にはマニア向けな音源であることに変わりはありませんが、一方で貴重な記録であることも事実。それに30分でサクッと聞けてしまう手軽さもいい。たっぷりな勢いの中、アメリカはクリーブランドで轟いたヤードバーズ末期の躍動の未リリース音源をお試しください(リマスター・メモ)半音程度遅いピッチを修正しました。Allen Theatre, Cleveland, OH, USA 25th April 1968 (33:39)
01 Train Kept A Rollin' 02 You're A Better Man Than I 03 Heartful of Soul 04 Dazed & Confused 05 White Summer 06 I'm A Man Keith Relf - lead vocals, harmonica, rhythm guitar Jimmy Page - guitar Jim McCarty - drums, percussion, backing vocals Chris Dreja - bass, backing vocals