1996年最初のライブであった1月10日のユトレヒト。この日はラジオ用に収録されて後に放送されました。それを元にして当時「1996」や「GET YER KICKS IN '96」といったアイテムが生み出されましたが、それらはどれも放送時に編集されてしまった曲順がそのままな上、放送時にカットされた「Morning Glory」と「Don't Look Back In Anger」が未収録という問題を抱えていました。しかし今回はイギリスのオアシス研究家が送ってくれたのは正確な曲順でなおかつ全曲収録という文字通りのコンプリート。放送時にカットされた二曲に関しては少し音質が落ちてしまうのですが、それでも以前リリースされていたコンプリ版の先駆けだったCD-R「UTRECHT 1996 COMPLETE」のように「Morning Glory」でノイズが生じて音質が落ちることもなく、十分に聞きこめる状態です。何しろ元が放送用のステレオ・サウンドボード録音ですし。それにしてもこの日のリアムは本当に苦しそうです。それがサウンドボードのせいで余計に克明に感じられてしまう。さっそく「Supersonic」からして彼の声が荒れていますし、次の「Hello」ではもう絶不調。ビーレフェルトでも同曲が分かれ目となりましたが、そこで声が荒れたのを最後にリアムが調子を上げていったのに対し、ここではどんどん調子が悪くなってゆくのがあまりに対照的。「Some Might Say」ではサビになるたびにノエルに歌ってもらう始末。リアムがこんな調子ですので、なおさらノエルの弾き語りコーナーでの胸のすくような歌と盛り上がりが印象的でした。それだけに今回は「Morning Glory」までしっかり収録されているのもポイントが高いと言えるのでは。そして「Live Forever」でリアムが戻ってきたはいいものの、もはやのたうち回るように歌っている。遂には歌うのを諦めて完全にノエルへ丸投げ。ここまでの不調ぶりがよくぞ放送されたものです。しかも今となっては96年当時にリリースされたアイテムがどれも化石レベルで入手困難。それと同時にリアムがビーレフェルトでいかに著しい回復をみせたのかということが非常に良く解る資料でもある。Vredenburg Music Centre, Utrecht, Holland 10th January 1996 STEREO SBD (56:50)
1. The Swamp Song 2. Acquiesce 3. Supersonic 4. Hello 5. Some Might Say 6. Roll With It 7. Cigarettes & Alcohol 8. Champagne Supernova 9. Whatever - Octopus's Garden 10. Wonderwall 11. Morning Glory 12. Don't Look Back In Anger 13. Live Forever
Liam Gallagher - lead vocals, tambourine Noel Gallagher - lead guitar, vocals Paul Arthurs - rhythm guitar Paul McGuigan - bass Alan White - drums STEREO SOUNDBOARD RECORDING