『炎の導火線』で全世界を震撼させた1978年のVAN HALEN。その現場を伝える伝説録音のアップグレード・マスターがまさかの新発掘。その伝説録音に刻まれていたのは「1978年8月6日オクラホマ・シティ公演」。伝説的な野外フェス“OKLAHOMA JAM”に出演した際の超絶級オーディエンス録音……でず、たぶん。急に気弱になって申し訳ありませんが、実はこの録音、かつては本当にサウンドボードと信じられて流通していたもの。『BOTTOMS UP!』など、ご記憶の方もいらっしゃるのではないでしょうか。本作は、そんな既発のリマスター。。。。では、ありません。最近になって新発掘された1stジェネ・カセットからデジタル化されたアップグレード盤なのです。既発をご存じない方には「?」な話になってしまいましたので仕切り直し。まずはデビュー直後のツアー日程を振り返ってショウのポジションを確かめておきましょう。・1月27日+2月8日:ウォームアップ《2月10日『炎の導火線』発売》
・2月18日-4月28日:北米#1(46公演)・5月4日-6月10日:欧州#1(27公演)・6月17日-28日:初来日(9公演)・7月1日-9月30日:北米#2(54公演)←★ココ★・10月9日-27日:欧州#2(13公演)・11月3日-12月3日:北米#3(24公演)《12月11日『伝説の爆撃機』制作開始》 これが世界にド級の衝撃を振りまいていた1978年のVAN HALEN。3度の全米ツアーを軸としながら欧州ツアーや初来日も実現。本作のオクラホマ・シティ公演は伝説の初来日の直後。「北米#2」の21公演にあたるコンサートでした。そんなショウを記録した本作は、「まるでサウンドボード!」「これがサウンドボードじゃないの!?」「そうは言っても本当はサウンドボードなんでしょ?」と食い下がりたくなる超絶レベルのド直球サウンド。確かに天井や壁もない野外ですから反響成分ゼロなのは分かりますが、それだけでは説明の付かない超極太な芯と極度にビビッドなディテールが凄すぎる。さらに加えて、強烈にパンするステレオ感。さらにサウンドボード感を増しているのが、異様に遠いオーディエンス・ノイズ。現場PAが発しているであろうチリチリ感までゼロ距離なのに対し、観客の熱狂や喝采はヘッドフォンで耳を澄ましてようやく気づくレベル。これはあくまで推測ですが、この記録が空間録音なのだとしたら、恐らく左右どちらか(エディ側?)のPAにへばりついて録音したのではないでしょうか。そうとしか考えられない。それこそ現代IEMs録音のような超ド級ダイレクト感なのです。しかも、本作はそんな伝説録音のアップグレード盤。前述のように1stカセットの鮮度は絶大で、もともと極太な芯がさらにリアルに鳴り、立体感や微細部もディテール・アップしている。今この瞬間も世界中のコレクターを湧かせていますが、本作はネットの原音では速すぎたピッチも正確に整え、ややドンシャリ気味のバランスも骨太なハイ上がりサウンドに調整。伝説録音の可能性を追究した最高峰サウンドを実現しているのです。そんなサウンドで描かれるのは、デビュー直後だからこその特濃ステージ。1978年の“OKLAHOMA JAM”はTEN YEARS AFTERやBLACK OAK、MONTROSE、U.K.等、総勢11組が参加した大規模フェスで、デビュー直後のVAN HALENは2番手で出演。それだけに短い持ち時間に勝負をかける集中力と爆発力が凄い。1978年というとサウンドボード三部作『DEFINITIVE MANCHESTER 1978』『DEFINITIVE IPSWICH 1978』『DEFINITIVE HAMMERSMITH 1978』も持ち時間は同程度ながらセットが微妙に異なる。ここで固定曲と日替わり曲に分けて整理してみましょう。固定曲(炎の導火線:9曲)・On Fire/I'm The One/Runnin' With The Devil/Atomic Punk/Little Dreamer/
Feel Your Love Tonight/Ain't Talkin' 'Bout Love/Eruption/You Really Got Me 日替わり曲(伝説の爆撃機:1曲)・Bottoms Up! ……と、このようになっています。これ以外にもベース・ソロ/ドラム・ソロも披露されますが、基本的には『炎の導火線』から「Jamie's Cryin’」「Ice Cream Man」以外の全曲が固定で演奏され、アンコールの『伝説の爆撃機』ナンバーが日替わり。「D.O.A.」か「Bottoms Up!」がセレクトされますが、本作では後者でした。そして、その演奏の苛烈さは何公演聴いても衝撃的。本作の“OKLAHOMA JAM”は初来日や欧州ツアーを経験したスケールの大きさを見つけ始め、その上で母国だからこその凱旋感、フェスだからこその気迫、野外だからこその開放感がない交ぜになったムードまで漂っている。1978年のライヴアルバムは総じて「生演奏版の炎の導火線」というニュアンスですが、この頃になるとスケール感までとんでもなく大きくなっている。約48分のライヴアルバムでありつつ、実にビッグなライヴアルバムなのです。サウンドボードと信じられてきた伝説の名録音が1stジェネ・カセットの瑞々しいサウンドで甦った新名盤です。デビュー直後の苛烈さに加え、世界規模のスケール感まで宿し始めた美味しい時期を超・極上体験できるライヴアルバムの大傑作。その最高峰更新盤。「1978年8月6日オクラホマ・ジャム」の極上オーディエンス録音。かつてはサウンドボードと信じられて流通していた伝説録音の1stジェネ・カセットが新発掘。ダイレクトにデジタル化されたアップグレード盤です。野外フェスだけに反響成分ゼロな超極太な芯と極度にビビッドなディテールが強烈で、現場PAが発しているであろうチリチリ感までゼロ距離なのに対し、観客の熱狂や喝采はヘッドフォンで耳を澄ましてようやく気づくレベル。それこそ現代IEMs録音のような超ド級ダイレクト感で「生演奏版の炎の導火線」となる1978年だけのショウを極上体験できます。
Oklahoma Fairgrounds, Oklahoma City, OK, USA 6th August 1978 ULTIMATE SOUND!!! (47:59)
1. Intro 2. On Fire 3. I'm The One 4. Bass Solo 5. Runnin' With The Devil 6. Atomic Punk 7. Drum Solo 8. Little Dreamer 9. Feel Your Love Tonight 10. Ain't Talkin' 'Bout Love 11. Guitar Solo 12. You Really Got Me 13. Bottoms Up!
David Lee Roth - Lead Vocals Eddie Van Halen - Guitars, Vocals Michael Anthony - Bass, Vocals Alex Van Halen - Drums