コージー・パウエル&メル・ギャレイ、コリン・ホジキンソンを迎えてパワフルに脱皮した1983年のWHITESNAKE。マニア受けという意味では歴代No.1な時期を極上体験しつつ、ちょっとしたトラブルも面白い新名盤が永久保存決定です。そんな本作に刻まれているのは「1983年1月20日オッフェンバッハ公演」。その極上オーディエンス録音です。1983年のWHITESNAKEと言えば、お馴染みの公式映像『MONSTERS OF ROCK 1983』を筆頭に“3大プロ記録”が存在します。良い機会でもありますので、それらも併せてツアー・スケジュールからポジションを確認してみましょう。1982年《11月25日『SAINTS & SINNERS』発売》
・12月10日-31日:欧州#1a(14公演)1983年・1月1日-31日:欧州#1b(18公演)←★ココ★・2月7日-23日:日本(10公演)←DEFINITIVE BUDOKAN 1983・3月19日:西ドイツTV出演 ←LIVE... IN THE WEST OF THE RHINE《4月『SLIDE IT IN』製作開始》
・8月14日-9月6日:欧州#2(11公演)←※公式MONSTERS OF ROCK 1983
【サウンドボードだけでは聴けないツアー初期の新名盤】これが1982年/1983年のWHITESNAKE。“3大プロ記録”とは日本公演サウンドボードの『DEFINITIVE BUDOKAN 1983』、西ドイツのTVプロショット『LIVE... IN THE WEST OF THE RHINE』、公式映像『MONSTERS OF ROCK 1983』の3つ。各レッグの代表作として君臨していますが、本作はそうした決定サウンドボードが存在しない「欧州#1」の代表作とも言えるもの。年の改まった「欧州#1b」10公演目にあたるコンサートでした。そんなショウで記録された本作は、まさに極上の銘品。何しろ、本作は世界中のHR/HMコレクターにとって2021年最大の話題となっている「G.Mann」コレクション。当店でもゲイリー・ムーアやACCEPTのMONSTERS OF ROCK録音がプレス化されて大好評を賜っていますが、本作もあの達人の名声をさらに高めるであろう最新作なのです。すでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、本作はまるで次元は違う! どうやらポジションが大きく異なっていたらしく、骨太な芯が距離感もなく超ダイレクト。このツアーは公式作や準公式プロショットもあるので「オフィシャル級」とは言えませんが、比較対象がなかったらシレッと言っていたであろう、オーディエンス離れした極上サウンドなのです。それだけのクオリティだけに世界中のコレクターが色めき立っているわけですが、本作はその新発掘マスターさらにブラッシュアップした最高峰盤。大幅に遅くなっていたピッチを正確に整え、全体のヌケも向上。サウンドボード感を一層高めました。さらに大きいのがテープチェンジによるカット部。このショウは別録音が存在しないのですが、2カ所(Lovehunterのリプライズ部15秒とThank You Blues冒頭の29秒)の録音漏れを直近のローザンヌ録音(1月22日)で補完。フルショウをシームレスで楽しめるように仕上げているのです。
【美味しいアレンジやトラブルも面白いライヴアルバム】そんな本作だけのベスト・クオリティで描かれるのは、“3大プロ記録”とはひと味違うフルショウ。3本の中でも一番有名なのは公式映像『MONSTERS OF ROCK 1983』ですので、比較しながら整理してみましょう。クラシック・スネイク
・LOVEHUNTER(2曲):Walking in the Shadow of the Blues/Lovehunter・READY AN' WILLING(2曲):Ready an' Willing/Fool For Your Loving・COME AN' GET IT(2曲):Don't Break My Heart Again(★)/Wine, Women an' Song(★)・SAINTS & SINNERS(3曲):Rough an' Ready/Here I Go Again/Crying in the Rain(★)その他・You Shook Me(★)/Soldier Of Fortune/Ain't No Love in the Heart of the City/Thank You Blues ※注:「★」印は公式映像『MONSTERS OF ROCK 1983』では聴けない曲。……と、このようになっています。フェスでは簡略化されていた名曲の数々も美味しいのですが、ひと際耳を惹くのが「You Shook Me」。1979年に何度か歌っていましたが、この時期には「Lovehunter」のエンディングでミッキーとカヴァデールだけで軽く、しかし思いっきりムーディに披露。エルモア丸出しなミッキーのスライドが一瞬にして雰囲気をシカゴに変え、カヴァデールのウェット・ヴォイスはあくまで英国風の矜持で吠える。初期WHITESNAKEの魂を濃縮したアレンジが最高なのです。また、本作だけの聴きどころと言ったら中盤トラブル。通常であれば「Crying in the Rain/Soldier of Fortune」の後でジョン・ロード→コージー・パウエルと2大ソロタイムが続くのですが、ここで何かが起きた模様。カヴァデールがMCで「ここで2人の親友を紹介するよ。まず最初は……」とジョン・ロードを紹介しそうになって「ん? どうした? なんてこった。ゴメンよ、まぁいいや。ドラマーのコージー・パウエルだ」と切り替えるのです。恐らくはオルガンに不調があったのでしょうが、カヴァデールの状況判断も素早ければ、その言葉から間髪入れずに「633 Squadron」のテープを流すスタッフの機転がとにかく見事。現場の客も、本来はキーボード・ソロが予定されていたとは気づかなかったのではないでしょうか。また、話は前後しますがコージーと言えば「Here I Go Again」後のMCも面白い。ここでカヴァデールが(なぜか)コージーを紹介しようとするのですが、名前も言わず「新しいドラマー」と言っただけで凄まじい「コージー!」コールが巻き起こる。コージー人気の世界一は日本だと思っていましたが、もしかしたら負けたかも知れません。パワフルに甦ったクラシック・スネイクの名曲群やコージー&コリン・ホジキンソンだからこそのリズムの面白さなど、このラインナップの旨みは何度も書いてきたので省略しますが、本作はそんなアンサンブルがフレッシュだったツアー前半を極上サウンドでフル体験できるライヴアルバムの大傑作です。“3大プロ記録”で押さえきれない「欧州#1」の代表作にして、併せて「四天王」と呼びたい新名盤。「1983年1月20日オッフェンバッハ公演」の極上オーディエンス録音。骨太な芯が距離感もなく迫る超ダイレクト・サウンドで、ネットの原音では狂っていたピッチも正確に整え、テープチェンジの欠けも部UT公演でパッチし、フルショウをシームレスに楽しめるように仕上げました。パワフルに甦ったクラシックス群はもちろん、ツアー序盤だけの「You Shook Me」やジョンのソロが素早くコージーに素早くスイッチする機材トラブルなど、貴重シーンの数々も極上サウンドでフル体験できます。Live at Stadthalle, Offenbach, Germany 20th January 1983 TRULY PERFECT SOUND
Disc 1 (43:27) 1. Intro 2. Walking in the Shadow of the Blues 3. Rough an' Ready 4. Ready an' Willing 5. Don't Break My Heart Again 6. Here I Go Again 7. Lovehunter 8. Micky Moody & Colin Hodgkinson Solo 9. Lovehunter (Reprise) / You Shook Me
Disc 2 (43:14) 1. Crying in the Rain feat. Mel Galley Solo 2. Soldier of Fortune ★機材トラブル→ジョン・ロードのソロ無し(珍しい)3. Cozy Powell Solo feat. 633 Squadron & 1812 Overture 4. Ain't No Love in the Heart of the City 5. Fool for Your Loving 6. Thank You Blues
7. Wine, Women an' Song 8. We Wish You Well David Coverdale - Vocals Micky Moody - Guitar Mel Galley - Guitar Jon Lord - Keyboards Cozy Powell - Drums Colin Hodgkinson - Bass