天文学的ヒットでシーンと自身の運命を決定づけた『BLACK ALBUM』時代のMETALLICA。その一大全盛期の現場を極上体験できる新発掘ライヴアルバムが登場です。そんな本作に刻まれているのは「1992年12月9日コペンハーゲン公演」。その一部始終を記録した絶品オーディエンス録音です。『BLACK ALBUM』で時代の象徴にまで登り詰めたMETALLICAは、1994年まで丸3年に渡ってツアー三昧。各セクションでツアータイトルも変えていましたので、ここでその流れを整理しておきましょう。・1991年:“WHEREVER WE MAY ROAM Tour”
・1992年:“WHEREVER WE MAY ROAM Tour”・“GUNS N' ROSES/METALLICA STADIUM Tour”・1993年:“NOWHERE ELSE TO ROAM Tour”・1994年:“SHIT HITS THE SHEDS Tour” このようにおおよそ年でどのツアーかは判定できるのですが、1992年だけは2つのツアーが混在していました。その1992年の日程を詳しく見てみましょう。“WHEREVER WE MAY ROAM Tour”・1月4日-4月16日:北米#1(65公演)←※公式映像・4月20日:フレディ追悼コンサート・5月6日-7月5日:欧州#1(39公演)“GUNS N' ROSES/METALLICA STADIUM Tour”・7月17日-10月6日:北米#2(26公演)
“WHEREVER WE MAY ROAM Tour”・10月22日-12月18日:欧州#2(36公演)←★ココ★ ……と、このようになっています。1992年だけで北米と欧州を2周ずつ回っており、その合間にフレディ・マーキュリー追悼コンサートに出演したり、ガンズとの協働ツアー「北米#2」を実施したり。そんな1992年の模様は公式ボックス『LIVE SHIT: Binge & Purge』のサンディエゴ公演でも見られましたが、あの映像は冒頭「北米#1」。それに対して本作のコペンハーゲン公演は、最終盤となる「欧州#2」31公演目にあたるコンサートでした。当時の彼らは「丸3年間のツアーってのは、学校に入学して卒業するようなもの」と語っていましたが、ツアー開始から1年4ヶ月が経った本作は、さしずめ「ブラックアルバム高校2年生の夏休み」といったところでしょうか。さておき、そんなショウで記録された本作は、実に端麗な絶品オーディエンス。この日は冒頭の欠けた録音が知られてきましたが、本作はまったく別の新発掘マスター。ホール鳴りも吸い込んだオーディエンス録音なのですが、そのド真ん中を突っ切ってくる芯がやけに力強く、密度も手応えもたっぷり。スカスカ感がまるでなく、歌詞の1語1語もハッキリしていれば、ギターは軋ませるアームバーの角度まで目に浮かぶほど。さらに、それほど鮮明な芯をホール鳴りがぶ厚く、熱く、ダイナミックに彩っている。サウンドボードと間違えたりはしないものの、聴き込むほどに「エコーの厚いFM放送だとこんな感じの音もあるな」と思えてきてしまうのです。そんなダイナミック・サウンドで描かれるのは、歴史的大全盛の真っ直中にいるMETALLICAの現場。セットは『LIVE SHIT』にも酷似しておりますが、まったく同じでもない。サンディエゴ公演の公式映像と比較しながら整理しておきましょう。クリフ時代(10曲+α)・キル・エム・オール:Seek & Destroy/Whiplash・ライド・ザ・ライトニング:Creeping Death/For Whom the Bell Tolls/Fade to Black/Jam(★)
・メタル・マスター:Welcome Home (Sanitarium)/Master of Puppets/Battery・カバー:Am I Evil?/Last Caress ジェイソン時代(9曲+α)・メタル・ジャスティス:Harvester of Sorrow/Justice Medley/One ・ブラック・アルバム:Enter Sandman/Sad But True/Wherever I May Roam/
The Unforgiven/Through the Never/Nothing Else Matters(★)・カバー:Stone Cold Crazy ※注:「★」印は『LIVE SHIT』のサンディエゴ公演プロショットで聴けない曲。……と、このようになっています。ざっくばらんに言いますとサンディエゴ公演から「The Four Horsemen」を落として「Nothing Else Matters」をセット入りした感じ。もう1つポイントなのが大ラス「Stone Cold Crazy」前に行われる「Jam」。アンコール前に思いつくまま軽く絵のすするのですが、この日のテーマは『RIDE THE LIGHTNING』。タイトル曲と「Fight Fire With Fire」を披露しています。「Ride the Lightning」はかなりいい加減ですが、「Fight Fire With Fire」は結構マジ。ギターソロまでやって崩壊するものの、このまま全部やっても良かったんじゃないか?と思うほど熱い。後の「Kill/Ride Medley」の萌芽のようにも思える遊びです。アンサンブルの雰囲気は『LIVE SHIT』に近く、とにかくグロリアス。スラッシュメタルのエッジをキープしつつ、スタジアムを沸かせるダイナミズムを身につけた超・黄金時代のフルショウを極上体験できるビッグな3枚組です。これだけのマスターが未だに新発掘される……METALLICAコレクションの奥深さに胸が熱くなる大傑作。「1992年12月9日コペンハーゲン公演」の絶品オーディエンス録音。従来の不完全版とは異なる新発掘マスターで、芯がやけに力強く、密度も手応えもたっぷり。スカスカ感がまるでなく、歌詞の1語1語もハッキリしており、「エコーの深めなFM放送」のようでもあり、オーディエンスならではのダイナミックさもある。そんなサウンドで『LIVE SHIT: Binge & Purge』にも似た大全盛の現場をフル体験できる新名盤です。Live at Forum, Copenhagen, Denmark 9th December 1992 TRULY PERFECT SOUND
Disc 1 (62:16) 1. Intro (Lars talking to the audience) 2. The Ecstasy Of Gold 3. Enter Sandman 4. Creeping Death 5. Harvester of Sorrow 6. Welcome Home (Sanitarium) 7. Sad But True 8. Wherever I May Roam 9. The Unforgiven
10. Justice Medley: Eye of the Beholder, Blackened, The Frayed Ends of Sanity, ...And Justice for All
Disc 2(55:03) 1. Bass Solo 2. Guitar Solo 3. Through the Never 4. For Whom the Bell Tolls 5. Fade to Black 6. Master of Puppets 7. Seek and Destroy 8. Whiplash
Disc 3(39:46) 1. Audience 2. Nothing Else Matters 3. Am I Evil? 4. Last Caress 5. One 6. Battery 7. Jam (Ride The Lightning/Fight Fire With Fire) 8. Stone Cold Crazy James Hetfield - Guitar, Vocal Lars Ulrich - Drums Kirk Hammett - Guitar Jason Newsted - Bass, Vocal