ブルース・ディッキンソンをして「人生最高のツアー」と言わしめた一大全盛期“WORLD SLAVERY Tour”。その新たな代表作となる超・極上ライヴアルバムが誕生。そんな本作に刻まれているのは「1984年11月2日ストックホルム公演」。その超絶級オーディエンス録音です。恐らくマニアの方々にとって、気になるポイントと言えば1984年でしょう。このツアーは伝統作『死霊復活』に代表されているわけですが、そのメインとなった1985年ロングビーチ公演はツアー疲れが隠しきれず「本領発揮だったのは1984年」というのが通説となっています。ところが、期待の「1984年編」にはまともなサウンドボードが存在せず、オーディエンス録音の頂点作が求められ続けてきました。『SLAVERY MASTER』『NEWCASTLE 1984 2ND NIGHT』といった超絶ライヴアルバムを厳選してプレス化してきました。本作はその列に加わる新名盤であり、これまでの最高峰を更新してしまう新たな最高傑作でもあるのです。そのクオリティが気になるところですが、まずはショウのポジション。これまでの諸作とも併せてツアー全体像から振り返ってみましょう。1984年・8月9日-9月1日:欧州#1(15公演)《9月3日『POWERSLAVE』発売》・9月3日-11月14日:欧州#2(51公演)←★ココ★・11月24日-12月21日:北米#1a(20公演)←※SLAVERY MASTER
1985年・1月3日-7日:北米#1b(5公演)・1月11日:ROCK IN RIO出演・1月14日-3月31日:北米#2(50公演)←※死霊復活(A-C面)・4月14日-5月10日:日本/豪州(15公演)・5月23日-7月5日:北米#3(31公演)《10月14日『LIVE AFTER DEATH』発売》
【大元カセットで大幅アップグレードした名録音】これが1984年/1985年のIRON MAIDEN。本作のストックホルム公演はアルバム発売直後の「欧州#2」43公演目。『NEWCASTLE 1984 2ND NIGHT』の1ヶ月半後となるコンサートでした。そんなショウで記録された本作は、ド直球なダイレクト感が強烈な極上オーディエンス録音。実のところ、以前から録音自体は知られており、コンプリーター達の間では「WORLD SLAVERY屈指の名録音」として愛されていました。しかし、本作はそんな従来版ではなく、ごく最近になって発掘された大元カセットからダイレクトにデジタル化された究極アップグレード版なのです。そのアップグレードぶりがハンパない。拍手や喝采から同じ録音だと分かるものの、肝心の演奏音は比較するのもバカらしくなる。ヘッドフォンで耳を澄ませてもホール鳴りが感じられず、鮮やかなツインもバッキバキなギャロップ・ベースもゼロ距離で叩きつけられる。例えば、「Rime Of The Ancient Mariner」中間部。ムーディなベースのアルペジオも超鮮明ですし、そこに入ってくるギター・リフもえらくシャープ! 無数のMAIDEN録音を扱って参りましたが、こんなに金属感のある刻みは聞いた事がありません。そして、ブルースのヴォーカル。もはや「これ、IEMs?」と時代的にあり得ない事まで考えてしまうほどの耳元感覚。正直なところ、ストックホルム録音は以前からリリース計画があったほどの名録音なのですが、まさか大元カセットの大アップグレードが実現しようとは……。もっとも、ストックホルム録音の従来マスターはそれほど有名でもない。比較されてもピンと来ないという方のために引き合いに出すなら、名盤『SLAVERY MASTER』でしょうか。発掘と同時に「凄いサウンドボード(本当はオーディエンス)が出てきた!」と話題なった名作中の名作ですが、本作はあの名盤よりさらにサウンドボード的なのです。
【死霊復活を超える超ダイナミックな大名演】そんな超タイト・サウンドで描かれるのは、黄金ツアーの本領発揮となるフルショウ。セットも『死霊復活』とは異なりますので、比較しながら整理してみましょう。鋼鉄の処女(3曲)・Iron Maiden/Running Free/Sanctuary(★)
魔力の刻印(4曲)・The Number Of The Beast/Hallowed Be Thy Name/22 Acacia Avenue(▼)/Run To The Hills 頭脳改革(3曲)・The Trooper/Revelations/Flight Of Icarus パワースレイヴ(5曲)・Aces High/2 Minutes To Midnight/Rime Of The Ancient Mariner/
Losfer Words (Big 'Orra)(★▼)/Powerslave ※注:「★」印は『死霊復活』のライヴアルバム版で、「▼」は映像版で聴けない曲。……と、このようになっています。ライヴアルバム版『死霊復活』ではカットされていたアンコールの「Sanctuary」まで完全収録され、公式にはシングルの細切れトラックしかなかった「Losfer Words (Big 'Orra)」もフルショウの流れの中で楽しめるのです。そして何と言っても絶好調ぶりが眩しい。ツアー開始から58公演と相当な場数をこなしているわけですが、これでもワールド・ツアー全体からすると1/3にも満たない。アンサンブルはとっくに鉄壁の域まで磨き上げられつつ、ツアー生活にうんざりするところまでは至っていない。特にブルースの歌声は90年代以降の繊細スタイルとは異なるパワー押しまくり系で、歌い上げも大味ながら超ダイナミック。『死霊復活』よりも遙かに強力なヴォーカリゼーションをゼロ距離ド密着サウンドでたっぷりと楽しめるのです。それにしても凄い。凄いサウンドです。オーディエンス録音には違いないのですが、聴いている内に『死霊復活』と変わらなく感じるほどのド密着サウンド。そして、『死霊復活』を遙かに超える大熱演に酔いしれられる凄まじいライヴアルバムです。自らの強みを何の迷いもなく世界にぶつけ、登り詰めた頂点。そして、まだすり切れるほど消耗もしていないからこその充実感。常に偉大であり続けているIRON MAIDENではありますが、その絶頂はここまで高かった。それを百の言葉よりも雄弁に実感させてくれる音の証拠品。「1984年11月2日ストックホルム公演」の超絶級オーディエンス録音。従来から知られる名録音の大元カセットからダイレクトにデジタル化された銘品で、圧倒的なアップグレード盤。ヘッドフォンで耳を澄ませてもホール鳴りが感じられず、鮮やかなツインもバッキバキなギャロップ・ベースもゼロ距離。ヴォーカルに至っては「これ、IEMs?」と思ってしまうほどの耳元感覚です。『死霊復活』では聴けない「Losfer Words (Big 'Orra)」も含め、絶頂期のフルショウを超極上体験できる“WORLD SLAVERY Tour”の新名盤です。Isstatdion, Stockholm, Sweden 2nd November 1984 TRULY PERFECT SOUND(UPGRADE)
Disc 1 (56:47) 1. Churchill's Speech 2. Aces High 3. 2 Minutes To Midnight 4. The Trooper 5. Revelations 6. Flight Of Icarus 7. Rime Of The Ancient Mariner 8. Losfer Words (Big 'Orra) 9. Powerslave 10. Guitar Solo
Disc 2 (50:03) 1. The Number Of The Beast 2. Hallowed Be Thy Name 3. 22 Acacia Avenue 4. Iron Maiden 5. Run To The Hills 6. Band Introduction 7. Running Free 8. Sanctuary Bruce Dickinson - Vocals Steve Harris - Bass Dave Murray - Guitar Adrian Smith - Guitar Nicko McBrain - Drums