完遂間際の大事故によって未完に終わった伝説の初来日。その事故現場を超・極上サウンドで体験できてしまう驚異の新発掘マスターと、象徴サウンドボードのカップリング・アルバムが登場です。HEARTの初来日が実現したのは、『DOG & BUTTERFLY』リリース後の1979年。巨大フェス“JAPAN JAM '79”への参加でした。本作に刻まれているのは、そのうちの2公演。ディスク1枚の前半に「1979年8月4日:江ノ島」公演のサウンドボード録音、後半に「8月7日:伏見桃山城キャッスルランド」公演の初登場オーディエンス録音を収録したライヴアルバムです。彼女たちの初来日と言えば、3枚組の名盤『JAPAN JAM '79』が決定盤として君臨しておりますが、本作との被りは一切ありません。その辺の状況を把握するためにも、初来日のスケジュールから振り返ってみましょう。・8月4日:江ノ島特設会場 ←★本作前半(FM音源)★・8月5日:江ノ島特設会場・8月7日:伏見桃山城キャッスルランド ←★本作後半★以上、全3公演。3枚組『JAPAN JAM '79』は江ノ島2公演のフル・オーディエンス録音でしたが、本作は初日パート(前半)もFMサウンドボードですし、オーディエンス・パート(後半)は京都の伏見桃山城公演なのです。それでは、2つの記録をそれぞれ個別にご紹介していきましょう。
【前半:超有名FMサウンドボードの史上最高峰版(6曲・約40分)】まず登場するのは、初来日を象徴してきた超有名FM放送。その最高峰更新マスターです。これまでも数々の既発群を生み出してきたサウンドボード録音ですが、本作には最高峰版で永久保存。長年ベストとして君臨してきたマスターを改めてブラッシュ・アップしており、従来版ではカット痕のあった「Mistral Wind」イントロも美しく、後半のハイ落ちもない。約40分の放送内容は変えようがありませんが、サウンド・クオリティに関しては初来日の頂点記録でもあるのです。そんなサウンドで描かれるライヴも素晴らしいですが、さらにアン・ウィルソン/ロジャー・フィッシャーへのインタビューも時代感満点。“JAPAN JAM '79”と言えば、スポンサーでもあったRAMSAスピーカーの巨大な壁(目測ですが2階建てアパート×2棟くらい)をご記憶の方もいらっしゃるかと思いますが、そこにロジャーがよじ登るパフォーマンスについても語っている。アナウンサーの上品な語り口でロックな内容を話す辺りにも濃厚な1979年の薫りが吹き出すのです。
【後半:大事故の瞬間を記録した新発掘の極上マスター(5曲・約26分)】そんな史上最高峰のFMサウンドボードも、本作にとっては前座/前振りでしかない。肝心要にして本作の命となるのは、後半に収められた「8月7日:伏見桃山城キャッスルランド」公演のライヴ録音。そう、大事故が起きて中断してしまった新発掘オーディエンス録音です。最近になって発掘された初登場マスターなのですが、そのクオリティも絶品。音を反射する屋根や天井のない野外会場だけに反響ゼロで、曲罹患のない骨太&肉厚な芯がグイグイと迫ってくる。あまりにもパワフルなためにオーバーピーク気味になるシーンもなくはないのですが、それこそ3枚組『JAPAN JAM '79』にも匹敵する超ダイレクト・サウンドなのです。そして、そのサウンドで描かれるショウは……これまで噂でしか伝わってこなかった大事故の現場。江ノ島公演と同じように快調に「Cook With Fire」でスタートするのですが、2曲目「High Time」で早くも異変が発生。一天にわかにかき曇り、空から大粒の雨が降ってくるのです。もちろん、本作は映像ナシのオーディエンス録音ではあるのですが、曲間になるとポツポツとしたノイズが聞こえる。最初は「拍手かな?」とも思える音なのですが、その割りには盛り上がった喝采がなく、無表情に一定間隔で鳴り続ける。しかも、それがどんどん強くなる。続く「Heartless」では演奏中にも雨音が感じられるようになり、曲が終わるとかなり激しく降っているのがよく分かるのです。その後もショウは進みつつ、雨も激化。「Nada One」が終わるとアン・ウィルソンも苦笑いしながら「Dancin’ in the rain♪」歌っています。そんな雨模様が限界を超えるのが「Straight On」の終了後。アンの「ありがとう!」に雨音どころか雷鳴までもが被り、アンのコールで次曲「Even It Up」のドラム・イントロが始まったところで事故が起きた。現場は野外の特設ステージであり、鉄骨も丸出し。そこにブルーシートをかけて即席の屋根にしていたそうですが、雨水がどんどん溜まって崩壊。鉄骨がグニャッと折れてドラムライザーに倒れかかり、シートがステージを包み込んでしまったのです。たまたま折れた鉄骨がマイケル・デロージャーを避けたカタチになったものの、もう少しで死人が出てもおかしくない大惨事。客席は雷鳴と悲鳴が混じり合い、「ドラムスの上やねん!」等の声が飛び交う。もちろん、そんな状況でショウが続けられるはずもなく、イベント自体がその場で中止となってしまいました。本作は、そんな衝撃の瞬間を極上サウンドでハッキリ/くっきりと体験できてしまうのです。伝説の初来日を象徴してきたサウンドボードの最高峰版と、事故現場を極上体験できる超ドキュメント録音。どちらも時間は短いものの、超ド級な衝撃の記録をカップリングした1枚です。3枚組『JAPAN JAM '79』と併せれば初来日をコンプリートできるわけですが、それ以上に本作自体が日本洋楽史の大事件盤。伝説の初来日の衝撃記録2種を保存したCD。大事故が起きて中断した「1979年8月7日:伏見桃山城キャッスルランド」公演の初登場オーディエンス録音をメインに、大定番「8月4日:江ノ島」公演のFMサウンドボード録音の最高峰更新マスターをカップリング。伏見桃山城公演では大雨によって鉄骨が倒れ、ステージ・セットが崩壊。イベントそのものが続行不能になってしまいます。雷鳴や悲鳴も飛び交う事故現場を超極上サウンドで体験できます。
Enoshima, Fujisawa, Japan 4th August 1979 SBD(UPGRADE) Fushimi Momoyama Castle Land, Kyoto, Japan 7th August 1979 TRULY AMAZING SOUND (65:45)
Enoshima, Fujisawa, Japan 4th August 1979 Radio Broadcast 1. Intro. 2. Magic Man 3. Magazine 4. Mistral Wind 5. Dog & Butterfly 6. Barracuda 7. Rock And Roll 8. Interviews (Ann Wilson & Roger Fisher) SOUNDBOARD RECORDING
Fushimi Momoyama Castle Land, Kyoto, Japan 7th August 1979 9. Intro. 10. Cook With Fire 11. High Time 12. Heartless ★終演後、雨の音が凄い。超リアル 13. Nada One 14. Straight On 15. Stage collapsed due to a storm and heavy rain ★雨と嵐でステージセット崩壊
現場は野外の特設ステージであり、鉄骨も丸出し。そこにブルーシートをかけて即席の屋根にしていたそうですが、雨水がどんどん溜まって崩壊。鉄骨がグニャッと折れてドラムライザーに倒れかかり、シートがステージを包み込んでしまったのです。たまたま折れた鉄骨がマイケル・デロージャーを避けたカタチになったものの、もう少しで死人が出てもおかしくない大惨事。客席は雷鳴と悲鳴が混じり合い、「ドラムスの上やねん!」等の声が飛び交う。もちろん、そんな状況でショウが続けられるはずもなく、イベント自体がその場で中止となってしまいました。本作は、そんな衝撃の瞬間を極上サウンドでハッキリ/くっきりと体験できてしまうのです。Ann Wilson - Vocals Nancy Wilson - Guitars & Vocals Roger Fisher - Lead Guitar Michael Derosier - Drums Steve Fossen - Bass & Vocals Howard Leese - Keyboards, Guitars & Vocals