独自の世界観を築きつつ、力作『CURED』で新たな可能性も広げていった1981年のスティーヴ・ハケット。その貴重な現場を極上体験させてくれる新発掘ライヴアルバムが登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「1981年11月27日ウェストハリウッド公演」。そう、伝説名手マイク・ミラードによる門外不出の超極上のオーディエンス録音です。現在では毎年のように大規模なワールド・ツアーを行っているハケットですが、そのソロ・キャリアは山あり谷あり。1981年というと、GENESIS脱退以降に順調に積み上げていった最初のピークであり、翌年からピタッと止まるターニング・ポイントでもありました。まずは、そんな当時のスケジュールを振り返ってショウのポジションを確かめてみましょう。《8月『CURED』発売》・8月22日ー28日:英国#1(6公演)・8月31日ー9月27日:欧州(18公演)←※公式『LIVE ARCHIVE』・9月29日ー10月12日:英国#2(13公演)
・10月26日ー12月8日:北米(32公演)←★本作★&『TIME LAPSE』 これが1981年のスティーヴ・ハケット。このツアーは伝統盤『TIME LAPSE(の一部)』の他、ローマ公演が『LIVE ARCHIVE』にも収録されました。本作のウェストハリウッド公演は、そんなツアーの終盤24公演目にあたるコンサートでした。そんなショウで記録された本作は、まさに極上のオーディエンス録音。何しろ、絶対名手ミラードの作ですし、その大元カセットから起こされているのですから「超極上」「オフィシャル級」で当たり前という気もしますが、実際に聴くと本当に美しくて心が溶ける。ギターの細やかなカッティングも飛び交うシンセも新も極太なら残響・反響も感じられずに距離感ゼロ。シンセの重低音が床や壁を振るわせているのさえ超リアルに感じられ、まるで2021年の最新録音かのよう。いつにも増して超タイトなのです。恐らく、その要因は会場にあるのでしょう。現場となった“THE ROXY”は、THE FORUMやPACIFIC AMPHITHEATREと並ぶミラードの庭なわけですが、他とは違って約500人収容のクラブ規模。そのため、ステージやPAと物理的に距離が近く、出音が広がる前にダイレクトに届く。もちろん、名手ミラードはその特性を最大限に活用する術を熟知しており、その成果はGENESISの傑作『THE ROXY 1980』でも広く知られている。本作は、あの名盤の続編/ハケット篇とも言うべきライヴルバムでもあるのです。その超絶サウンドで描かれるのは、ハケットの初期ソロ・キャリアを総括するようなショウ。残念ながら冒頭3曲「The Air Conditioned Nightmare」「Jacuzzi」「Funny Feeling」は録音できなかったようですが、その後も貴重で美味しいレパートリーが目白押しなのです。この時期で一番有名なのは伝統盤『TIME LAPSE』ではありますが、あれは他ツアーとの編集作品。ここでは、1981年のステージをより長く聴ける『LIVE ARCHIVE』のローマ公演と比較しながらセットを整理してみましょう。ソロ・侍祭の旅:Ace Of Wands/A Tower Struck Down
・プリーズ・ドント・タッチ:Kim(★)/Please Don't Touch(★)・虹色の朝:Every Day/The Red Flower Of Tachai Blooms Everywhere/Tigermoth(★)/Spectral Mornings/Clocks ? The Angel of Mons・ディフェクター:The Steppes/Slogans/The Show
・キュアード:Picture Postcard/Overnight Sleeper/Hope I Don't Wake GENESIS・フォックストロット:Horizons(★)・静寂の嵐:Blood On The Rooftops(★)※注:「★」印は公式化された1981年ローマ公演でも聴けない曲。……と、このようになっています。ソロ5作品から数曲ずつ満遍なくセレクトしたセットはまさに集大成。そこにGENESISの「Horizons」「Blood On The Rooftops」で要所を固めるスタイルです。「★」印曲がレアということになりますが、特に「Kim」は『TIME LAPSE』でも聴けない美味しい1曲。これで冒頭3曲も録音されていたら……。弘法も筆の誤りということなのでしょうか。返す返すも不完全収録なのが悔やまれますが、それはツアーの予備知識あってのこと。本作だけを聴いたら完全オフィシャル級サウンドでソロ・ステージを味わえる超極上のライヴアルバム以外の何物でもありません。本家GENESISだけでなく、ピーター・ガブリエルも何度も録音するほどGENESISファミリーを愛していたミラード。その彼が遺したスティーヴ・ハケット篇の傑作。「1981年11月27日ウェストハリウッド公演」の超絶級オーディエンス録音。伝説名手マイク・ミラードによる新発掘録音で、大元カセットから起こされた超名品です。クラブ録音のため、いつも以上に超タイト&ド密着な超極上サウンドで、初期ソロ5作を濃縮したショウが味わえる。GENESISの傑作『THE ROXY 1980: Mike Millard Master Tapes(Amity 621)』の続編/ハケット篇としても楽しめる完全オフィシャル級オーディエンス録音です。The Roxy, West Hollywood, CA, USA 27th November 1981 TRULY PERFECT SOUND★超高音質
Disc 1 (41:15) 1. Ace Of Wands 2. Picture Postcard 3. The Steppes 4. Every Day 5. The Red Flower Of Tachai Blooms Everywhere / Tigermoth 6. Blood On The Rooftops 7. Horizons 8. Kim 9. Overnight Sleeper
Disc 2 (40:44) 1. I Hope I Don't Wake 2. Slogans 3. A Tower Struck Down 4. Spectral Mornings 5. Please Don't Tuch 6. Band Introductions 7. The Show 8. Clocks / The Angel of Mons
Steve Hackett - Guitars, Vocals Nick Magnus - Keyboards Chas Cronk - Bass Ian Mosley - Drums John Hackett - Flute, Bass pedals