『THROUGH THE LOOKING GLASS』に伴い、結成25周年ツアーを日本にも届けてくれた2002年のTOTO。その現場を伝える新発掘オリジナル録音が登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「2002年12月10日:東京国際フォーラム」公演。その極上オーディエンス録音です。2002年の来日と言えば、当店では『YOKOHAMA 2002』『TOKYO 2002 FINAL NIGHT』といった傑作群も人気ですが、もちろん本作は別公演。まずは、当時のスケジュールを振り返り、それぞれのポジションを確かめておきましょう。・12月3日『YOKOHAMA 2002』・12月4日:Zepp Sendai
・12月5日:盛岡市民文化ホール・12月7日:月寒グリーンドーム・12月9日:東京国際フォーラム・12月10日:東京国際フォーラム ←★本作★・12月12日:名古屋市公会堂・12月14日:大阪厚生年金会館・12月15日:Zepp Fukuoka・12月17日『TOKYO 2002 FINAL NIGHT』 以上、全10公演。ざっくり「関東#1→東北/北海道→関東#2→西日本/九州→関東#3」という流れであり、上記2作は「関東#1/関東#3」の代表作でした。それに対し、本作は中盤に配された「関東#2」のライヴアルバム。同じ関東圏でありつつ、ジャパン・ツアーの序盤・中盤・終盤を味わえる三部作の中編なのです。んなショウで記録された本作は、ダイナミックな絶品録音。このショウはスカスカ・サウンドな既発もあったりしますが、もちろん本作は別音源。音色的にオーディエンスだと分かりますが、それが距離感にはなってない。力強い芯グイグイと迫り、ホール鳴りが厚みとダイナミズムを生み出している。ポイントなのは、その鳴りのド真ん中からディテールがキッチリと浮かび上がること。多彩なフレーズが重なりながらも塊にならず、メンバー1人ひとりの存在感をしっかりと味わえるのです。ぶ厚い演奏音とヴォーカルが迫りつつ、細部がボケずに全身を包んでくれる……そんな感覚に浸れる傑作録音なのです。それだけのサウンドになったのも、録音家がタダモノではないから。最近、VAN HALENやYESの90年代録音で注目を集めた人物で、オジーの『BUDOKAN 1996 FINAL』『BUDOKAN 2002』やYESの『TOKYO 2003 2ND NIGHT』もこの人物のコレクション。本作は、そのTOTO篇なのです。そんなサウンドで描かれるのは、栄光の25年が駆け抜けるグレイテスト・ヒッツ。このツアーの象徴作と言えば、オフィシャル『LIVE IN AMSTERDAM』ですが、それとは似て非なるセットなので比較で整理してみましょう。初期クラシックス(15曲)・宇宙の騎士:Girl Goodbye/Child's Anthem/I'll Supply The Love/Georgy Porgy/Hold The Line (Can't Get Next To You)
・ハイドラ:Hydra/White Sister(★)・ターンバック:Good Bye Eleanor/Gift With A Golden Gun/English Eyes・聖なる剣:Africa/Waiting For Your Love/I Won't Hold You Back/Rosanna/Afraid Of Love 中期(6曲)・アイソレーション:Lion・デューン/砂の惑星:Paul Meets Chani(★)
・ファーレンハイト:Don't Stop Me Now(★)/Till The End・第7の剣:Stop Loving You(★★)/Home Of The Brave スルー・ザ・ルッキング・グラス(3曲)・Could You Be Loved(★★)/While My Guitar Gently Weeps/Bodhisattva ※注:「★」印はライヴ盤『LIVE IN AMSTERDAM』で聴けない曲。特に「★★」はDVD版『LIVE IN AMSTERDAM』でも聴けない曲。メドレーアレンジも多いので曲数はあくまで参考ですが、このようになっています。公式『LIVE IN AMSTERDAM』はDVD版の方が長いわけですが、本作はそこでも聴けない「Stop Loving You」「Could You Be Loved」まで楽しめます。これだけでもお腹いっぱいなのですが、さらに面白いのがMC。特に「Don't Stop Me Now」の後でルカサーの語っている内容が必聴でして、カンタンに和訳しますと……「今日、1980年のブートレッグビデオを観たんだ。自分たちがまだキッズの時代のものだ。幸せな思い出だ。日本の全ての友達に感謝する。」「今まで本当にありがとう。これからも可能な限り戻ってきて、君達のためにプレイしたい。」……と言っているのです。実は、ルカサーが「ビデオを観た」と言っているのは、この当時にリリースされた「Tokyo 1980」のことなのです。(注:この時はまだVHSがメインで、ブートレッグDVDは珍しかった。TOTOの面々も自身のコレクターズDVDというものを西新宿で初めて見たはず)。来店写真のHP公開を許可してくださるだけでもありがたかっのですが、まさか当日のステージでもネタにしていたとは……。しかも、このエピソードは当時のヤングなギター専門誌のインタビューでもしっかりと語っていました。そこではジェフ・ポーカロの想い出も交えつつ「演奏していて感極まってしまう」とも言っているのですが、本作は決して単なる名曲選なのではなく、その感慨が演奏の端々から滲み出てくるライヴアルバムなのです。四半世紀の間に積み上げてきた名曲群を、万感の想いを込めて演奏しているTOTO。その一部始終を絶品サウンドで現場体験できる新発掘マスターです。感情の発露まで体感できる素晴らしいサウンドと感動作「2002年12月10日:東京国際フォーラム」公演の極上オーディエンス録音。本邦初公開となるダイナミック録音で、力強い芯グイグイと迫り、ホール鳴りが厚みとダイナミズムを生み出している。ぶ厚い演奏音とヴォーカルが迫りつつ、細部がボケずに全身を包んでくれる……そんな感覚に浸れる傑作録音です。25周年のグレイテスト・ヒッツでありながら公式作『LIVE IN AMSTERDAM』では聴けない「Stop Loving You」「Could You Be Loved」まで楽しめます。ルカサーが当店に来店した際の想い出を語るMCも必聴です。(思い出こぼれ話1)TOTOの面々はこの時2回来店し、最初はボビーとトニー。この時、ボビーが店内BGMで流してた「Tokyo 1980」(DVD)の「99」でのルカサーのギターソロ・パートのミスに気づき、「おっ、あいつ間違えた。もう一度見たいから戻して」と店員にリクエスト。そのパートを観ながら「ぎゃはは、あいつ焦ってる」と言って、二人で楽しそうにしてたのを思い出します。(思い出こぼれ話2)翌日来たのがルカサー、ぺイチ、サイモン、再びトニー。ルカサー「何でこれがこんなところにあるんだ!」(怒)ぺイチ「そりゃ、ここがブートレッグ・ショップだからさ(笑)」
Live at Tokyo International Forum, Tokyo, Japan 10th December 2002 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)
Disc 1(62:41) 1. Intro 2. Girl Goodbye 3. Goodbye Elenore 4. Child's Anthem 5. I'll Supply The Love 6. Could You Be Loved 7. Gift With A Golden Gun 8. MC 9. While My Guitar Gently Weeps 10. Bodhisattva 11. Africa 12. David Paich Keyboard Solo 13. Paul Meets Chani 14. Don't Stop Me Now
15. MC 「今日、1980年のブートレッグビデオを観たんだ。自分たちがまだキッズの時代のものだ。幸せな思い出だ。日本の全ての友達に感謝する。」「今まで本当にありがとう。これからも可能な限り戻ってきて、君達のためにプレイしたい。」 16. Stop Loving You 17. Steve Lukather Guitar Solo
Disc 2(79:28) 1. Waiting For Your Love 2. Georgy Porgy 3. Lion 4. Hydra 5. English Eyes 6. Till The End 7. Simon Phillips Drum Solo 8. I Won't Hold You Back 9. Rosanna 10. Afraid Of Love 11. Hold The Line 12. Can't Get Next To You 13. Home Of The Brave 14. Piano Intro 15. White Sister
Steve Lukather - Guitars & Vocals David Paich - Keyboards & Vocals Mike Porcaro - Bass Simon Phillips - Drums Bobby Kimball - Vocals Tony Spinner - Guitars & Vocals John Jessel - Keyboards & Vocals