ただでさえ活動が少なかったオアシス2004年において名演と呼ばれているのが同年のグラストンベリー・フェスティバル出演前にライトハウス(笑)という会場で行われたウォームアップ・ギグ。こちらはイヤモニ音源とオーディエンス録音をミックスさせた優良音源が以前から知られており、最近になってSupersonicレーベルから「GLASTONBURY 2004 WARM UP GIG」としてリリースされて好評を博しているもの。この日はギグ本番だけでなくサウンドチェックの様子もテーパーが録音してくれていたのです。オアシス2000年代のキャリアにおいて過度期であった2004年だけに、その内容は意外なほど面白い。もっともイヤモニ録音の“予行練習”として収録されたものですので、所々で受信が途切れたり、あるいはノイズに見舞われています。例えば最初のトラック「Testing 1...2」において大半はオアシスのメンバー不在ですので、そこは飛ばしてもいいかもしれません。次のトラック「Lyla [Jam]」ですが、こちらはリアム以外のメンバーがステージに登場してそれぞれに楽器の音を鳴らす中、ノエルが当時リリース前(場合によっては録音前)の新曲群をつま弾く場面が20分近くに渡って捉えられています。その間でも15分を過ぎた辺りでは受信ノイズが長めに生じてしまい、それこそ「METAL MACHINE MUSIC」も真っ青な状態と化してしまうので、ここもまた飛ばしていいのではないでしょうか。とはいえ過度期ギグのサウンドチェックですので、その「Lyla [Jam]」のパートで同曲だけでなく「Turn Up The Sun」のフレーズが出てくるなど、練られていた新曲群の草稿が姿を覗かせるところなどは、やはり聞いていて面白いものがあります。本番のギグでも披露された新曲「A Bell Will Ring」と「The Meaning Of Soul」も録音状態が断片的な点はもどかしいのですが、演奏の完成度は高め。そしてこれまた断片的ではありますが、ノエルが「The Importance Of Being Idle」を弾いてみせる場面が登場するなど、2004年という「DON’T BELIVE THE TRUTH」誕生前夜という時期を垣間見させてくれる貴重音源でしょう。このように録音の安定性に欠いた音源ではありますが、イヤモニということから状態はサウンドボードチックで演奏が乱れずに捉えられている場面に関しては聞きやすい。何よりギグ本番「GLASTONBURY 2004 WARM UP GIG」を補う貴重な資料であることは間違いありません。確かにトータルでは典型的なマニア向け音源といった感じですが本タイトルにてお試しください。Soundcheck at Lighthouse, Poole, Dorset, UK 23rd June 2004 IEM (50.46)
01. Testing 1...2 02. Lyla [Jam] 03. Rock N Roll Star 04. A Bell Will Ring 05. The Meaning Of Soul 06. Don't Look Back In Anger 07. The Importance Of Being Idle 08. Songbird 09. The Hindu Times 10. Morning Glory