「VOODOO LOUNGE」ツアーから強力かつマニアックなライブ音源のセットが登場。同ツアーの94年日程はアメリカを回り、最後はカナダに抜けてスケジュールを終えています。それは12月まで続けられたツアー日程でしたが、10月の最終週はオークランドで連続公演を行いました。元々オークランドと言えば伝説の「LIVE’R THAN YOU’LL EVER BE」LPが生み出された地。その後も78年ツアーの最終地に選ばれるなど、LAフォーラムやMSGほどではないにせよ、ストーンズとはゆかりの深い土地であります。この地でのライブ、94年に関しては10月に都合四回の公演が行われましたが、最終日である31日の公演の会場スクリーン用プロショット映像がツアー進行中の早い段階で流出してしまい、それが94年ツアーを代表する映像かつサウンドボード音源となった結果、他の三回の公演に関しては現在に至るまで一切のリリースがなく、一部のトレーダー間に94年のオーディエンス録音としては今一つと言わざるを得ない音質の音源が出回っていただけでした。しかしそこは当店、今回はそれら三公演とさらに初登場となる最終日のオーディエンス録音までも網羅したオークランド94のコンプリート・セットというマニア狂喜のアイテムがリリースの運びとなりました。今回のリリースにおいて使われるのは、トレーダー間にも一切出回っていなかった当店が独占入手のDATテープ・オーディエンス録音なのです。これらを録音したのはオークランド四公演を観に行った日本のストーンズ・マニア。94年ツアーは初日のワシントンや以前に当店がビデオやラジオ音源をリリースしたジャイアンツ・スタジアムに日本からの参戦が集中していたのですが、彼はツアーが進行した中盤の日程であるオークランドですべての公演を鑑賞しています。そういったいきさつから残されたこれら音源ではありましたが、彼の音源がトレーダー間に出回ることなく、二十年間もの間眠っていたのは自身の音源を当時ポピュラーだったDATによるテープ・トレードに用いるのではなく、はるばるオークランドまで観に行ったライブの思い出として封じ込めたかったが故に録音したものでした。こうして二十年の時を経てCD化が実現する四公演ものボリュームを誇る音源ですが、その中でも世界中のファンから大きな注目を浴びるであろう音源は10月26日のオークランド初日公演でしょう。ストーンズが登場する前に会場で流れるSEを聴いただけですぐにオンな音像の迫力を実感できるほどの近さが衝撃的ですらあります。今回発掘された四公演の中でも群を抜いたトップ・クオリティを誇る極上音質であり、近代のストーンズ・ライブにおいてもこれほど極上レベルのDATオーディエンス録音がずっと眠っていたことには驚きを禁じ得ません。94年ツアーは終盤のテレビ中継マイアミを始めとしてサウンドボード録音が速いペースで登場したことから、オーディエンス録音のアイテム・リリースは日程の前半に集中していた感があります。クオリティよりもリリースのスピード合戦が白熱した初日のワシントンなどはその最たる例だったのですが、おかげでクオリティ的に群を抜いたオーディエンス録音がなかなか登場しなかったのです。もし94年当時にこの音源がリリースされていたとしたのなら、文句なしに同ツアーのベストオーディエンス録音となっていたことでしょう。しかしその迫力の極上音質は二十年後の今聴いても全く色褪せていません。初日のライブでは特筆すべき点はもう一つあります。それはミックの気合みなぎる素晴らしいパフォーマンス。オープニングの「Not Fade Away」を歌い始めた時のミックの尋常ならざる力みっぷりと言ったら!(笑)。あまりにも力を込めすぎてメロディが怪しくなるミック…最高です。そこからは彼による文字通りの熱唱が連発。「Tumbling Dice」のようなレギュラー・レパートリーですら一聴して解るほどのアツさ。「Shattered」などは演奏にも勢いがあって、まるで78年の亡霊が降りてきたのようですし、同じように毎晩演奏されている「Miss You」ですらいつになく熱唱するミックの姿が捉えられているのですから、これは本物の名演です。一方でキースはこのツアーを通してミックに「疲れ果てた」と称されていただけあって、いかにも彼らしい奔放さがここでも全開。中でも「The Worst」では演奏を始める前にフラメンコ風の流暢なフレーズをさらりと弾いてみせたかと思えば、曲自体はイントロをやり直すのだから面白い。やっぱりキースって最高ですよね。しかしライブ全体を通してミックを中心としたストーンズのボルテージは上がりっぱなしで、今回のリリースによって新たな名演が明るみとなるのです!他の日の録音はテーパーの位置や会場からの出音との相性でしょうか、前半は初日ほどの迫力には及ばない部分もあるのですが、どの公演も音質は尻上がりに良くなり、やはり素晴らしい音質でこれまで聴けなかったミッシング・リンクたる最終日以外のオークランド・ライブをじっくりと楽しめます。二日目の公演からはミックの歌を聴いていると、そうそうこれくらいの雰囲気が通常のストーンズ・ライブだったんだよな?と再確認させられますが、それぞれの日でもやはり素晴らしい演奏や場面が登場するから聞き逃せません。二日目はスロー・ナンバーのパートで「Wild Horses」が登場。しかもその演奏の前ではミックが「sad songs all I know…」と呟いて75年ツアーを彷彿とさせる場面があります。マニアなら思わずニヤリとさせられることでしょう。三日目は「Beast Of Burden」でロニーがいつになくいい感じのソロを間奏で弾いており、しかもその絶妙なプレイをオンな音像で楽しむことが出来ます。そこからこのツアーにおける目玉レパートリーでもあった「Memory Motel」へと続くのがまたいい流れだったのですが、途中からキースの歌が怪しくなるのがいやはや何とも…(笑)。そして四日目ですが、例のプロショット映像が有名な日でもあります。この日は10月31日、今では日本でもすっかりポピュラーになった感があるハロウィンに行われました。映像を見ればロニーが赤い角を付けてステージに上がるなど、ストーンズなりにハロウィンを意識していたライブであったことが伺えましたが、今回はこのハロウィン・ライブを初登場のオーディエンス録音でお楽しみください。今回の四日間に及ぶ音源の中では音像や迫力といった点で他の日よりも少し劣る録音状態なのですが、臨場感は抜群。それが致命的に欠けていた映像のサウンドボード録音とまったく違う当日の雰囲気が何とも新鮮に映ります。例えば「Shattered」の「Don't you know the crime rate is going up, up, up, up, up」という個所で湧き上がる盛り上がりなど、サウンドボード音源からは到底伝わらなかった臨場感でしょう。もちろんこのセットに10月31日のサウンドボード音源は外せません。今回初登場でしかも貴重なオーディエンス録音がズラリと居並ぶ中ではボーナス的な存在と映るかもしれませんが、マルチトラックのライブ・レコーディングとはまた違ったリアル・ステレオのクリアネスが独特の魅力を放つサウンドボード音源です。今回の収録に当たってその見事なクリアネスに手を加える必要はなく、むしろ過去のアイテムで見られた定位を修正したことによって、キースの音が右というストーンズ音源の定番バランスで初めて収録されたことになります。しかも極上音質のサウンドボードながら最近は意外と聴くことが容易とは言えない存在でもありました。Alameda County Coliseum, Oakland, CA. USA 31st October 1994 (from Original Masters)
Live at Alameda County Coliseum, Oakland, California, USA 31st October 1994
Disc 7 (65:32) 1. Introduction 2. Not Fade Away 3. Tumbling Dice 4. You Got Me Rocking 5. Shattered 6. Rocks Off 7. Sparks Will Fly 8. Satisfaction 9. Beast Of Burden 10. Out Of Tears 11. Doo Doo Doo Doo Doo 12. Love Is Strong 13. It's All Over Now 14. I Go Wild
Disc 8 (71:16) 1. Miss You 2. Band Introductions 3. Honky Tonk Women 4. Before They Make Me Run 5. The Worst 6. Sympathy For The Devil 7. Monkey Man 8. Street Fighting Man 9. Start Me Up 10. It's Only Rock'n Roll 11. Brown Sugar 12. Jumping Jack Flash
Live at Alameda County Coliseum, Oakland, California, USA 31st October 1994 STEREO SOUNDBOARD RECORDING
Disc 9 (65:01) 1. Introduction 2. Not Fade Away 3. Tumbling Dice 4. You Got Me Rocking 5. Shattered 6. Rocks Off 7. Sparks Will Fly 8. Satisfaction 9. Beast Of Burden 10. Out Of Tears 11. Doo Doo Doo Doo Doo 12. Love Is Strong 13. It's All Over Now 14. I Go Wild
Disc 10 (67:02) 1. Miss You 2. Band Introductions 3. Honky Tonk Women 4. Before They Make Me Run 5. The Worst 6. Sympathy For The Devil 7. Monkey Man 8. Street Fighting Man 9. Start Me Up 10. It's Only Rock'n Roll 11. Brown Sugar 12. Jumping Jack Flash