デビュー10周年を記念した“TEN TRUE SUMMERS Tour”のベスト録音に、まさかのアップグレード・マスターが新発掘。王者自身が王座の高みを更新してしまった究極の実況盤が2CDで登場です。その王者録音に封じられているのは「1979年6月15日ニューヨーク公演」。象徴的な大会場“マディソン・スクエア・ガーデン(以後、MSG)”3DAYSの最終日で記録された超絶級オーディエンス録音です。既発群をご存知の方でしたら、恐らく日付を見ただけで心を決められているであろう超名録音なわけですが、そうではない方のためにもイチから始めましょう。まずは、ショウのポジション。絢爛の70年代を締めくくったワールド・ツアーの全体像から振り返ってみましょう。1978年;“TORMATO Tour”・8月28日ー10月8日:北米#1(37公演)《9月26日『TORMATO』発売》・10月24日ー28日:英国(6公演)1979年:“TEN TRUE SUMMERS Tour”・4月9日ー5月8日:北米#2(27公演)
・5月24日ー6月30日:北米#3(32公演)←★ココ★
【ライバルさえ存在しない孤高の伝説録音】これが1978年/1979年のYES。セットも酷似した一連の日程なために“TORMATO Tour”と一括りにされる事もありますが、細分すると1979年編は“TEN TRUE SUMMERS Tour”。本作のMSG公演は、その最終盤となる「北米#3」の19公演目にあたるコンサートでした。さて、そんなショウで記録された本作ですが、コレクター界では伝説となっている超名録音のアップグレード盤。それも既発を磨き込んだような加工系ではなく、マスター鮮度自体のアップ。新発掘の1stジェネ・マスターなのです。そもそも、この録音がなぜ「伝説」なのかと言えば、そのクオリティ。“TORMATO / TEN TRUE SUMMERS Tour”でもズバ抜けた最高傑作録音として知られていたからです。これは通常の「ツアー最高傑作」とはちょっと違う。普通のケースでは、極上録音が2ー3本並び立ち、コレクター1人ひとりが「コレがベスト」「いやコッチだろ」と意見を戦わせつつ、何となく総意が形成されていく。しかし、“TORMATO / TEN TRUE SUMMERS Tour”はそうではない。「MSGの3日目」に並び立つ録音はなく、単独首位で王座に君臨してきたのです。実際、そのサウンドは驚異的。芯は超ダイレクトで距離感など微塵もなく、微細部まで超ビビッド。いわゆる「まるでサウンドボード」そのもの。典型例として国語辞典に載せたい(?)くらいの名録音なのです。しかも、その現場がMSGというのが驚き。コレクター諸兄なら賛同していただけると思いますが、MSGは世界にその名を轟かせる名会場ではあるものの、極上録音の名産地とは言えない。むしろ、東京ドームばりに音の回り込みに苦心する「難所」と言っても良いでしょう。それにも関わらず、ヘッドフォンで耳を澄ませてもホール鳴りが分からないほど超タイト。一体どんなポジションならこんな音が可能なのか……。当時は餅論のこと、現代のテーパー達にも秘訣を伝授して欲しい奇跡の名録音なのです。
【王者自身の1stジェネ・マスターで最高峰更新】さてさて。思わず長々と褒めちぎってしまいましたが、ここまではあくまでも従来盤の話。本作は、そんな奇跡の伝説録音が更にアップグレードしているのです。しかも、そのアップぶりは「まるで別物」級だからド肝を抜かれる。沸き立つ喝采や生々しい声援、それに遠くで炸裂する爆竹から言っても、同じショウ/同じ録音なのは明らか。しかし、そのクリアさは数段上なのです。芯の密度はさらに濃密になり、会場の床を振るわせる重低音ヴァイヴも細やか。演奏のない無音部も大きく違っており、1音1音のスキマが深くなることで空気感の透明感も一層増し、そのおかげで演奏音のエッジはさらにシャープになっている。こうした効果はリマスタリングでも不可能ではないのですが、その場合は微細部の潰れや加工感も避けられない。その点、本作はマスター鮮度だけで実現しているため、隅々まで瑞々しくナチュラル。長く伸びるシンセ高音の端まで綺麗に伸び、ごりごりしたベースの一粒まで超リアル。従来盤の時点で「まるでサウンドボード」だったわけですが、本作はそれこそ、世紀の大名盤『YESSONGS』さえ想起させるほどの超ハイクオリティな音世界なのです。しかも、本作はそんな新発掘マスターの最高峰盤。ネットに登場した原音も改善の余地がないほど究極的な音質だったものの、ピッチなどの仕上げが甘かった。今回の新発掘マスターは「The Clap」が途中で切れており、そこを従来ジェネでパッチされているのですが、もともと同じ録音で繋いでいるにも関わらずチグハグになるほど狂っていたのです。本作ではそうしたピッチを一瞬単位で調整。「The Clap」の接続部も含め、ビシッとした安定感で全編を貫いているのです。そんなミラクル・サウンドで描かれるのは、10年の進化を約2時間20分に濃縮したフルショウ。“TEN TRUE SUMMERS Tour”と言えば、公式映像『LIVE IN PHILADELPHIA』が有名ですが、1俯瞰にも観たない公式映像とは比べものにならない長尺ぶりが嬉しいのです。曲数ボリュームを実感していただくためにも、ここでセットを整理しておきましょう。・時間と言葉:Time And A Word・サード・アルバム:Perpetual Change/The Clap/Starship Trooper(*)/I’ve Seen All Good People(*)・こわれもの:Heart Of The Sunrise/Long Distance Runaround/The Fish/Roundabout(*)
・危機:Siberian Khatru(*)/And You And I・リレイヤー:Soon・究極:Awaken・トーマト:Future Times/Rejoice/Circus Of Heaven(*)・その他:Tour Song ※注:「*」印は公式映像『LIVE IN PHILADELPHIA』でも観られた曲。 このツアーの終了後、リック・ウェイクマンはおろか創設者ジョン・アンダーソンも離脱。YESは『DRAMA』時代へと歩みを進める事になります。本作から流れ出るのは、その混迷に突入する寸前のYES。シンフォニック・ロックを生み出し、プログレスさせていった10年の到達点なのです。そんな極めつけのショウを、さらに進化したサウンドで超極上体験できる文化遺産級のライヴルバム。「1979年6月15日マディソン・スクエア・ガーデン公演」の超絶級オーディエンス録音。“TORMATO / TEN TRUE SUMMERS Tour”の最高峰として知られてきた伝説録音の1stジェネ・マスターが新発掘。究極進化を遂げた新名盤です。実際、従来版でも「まるでサウンドボード」と言われたわけですが、本作の芯はさらにダイレクトで距離感など微塵もなく、微細部まで超ビビッド。クリアさも数段向上し、演奏音のエッジはさらにシャープ。それこそ世紀の大名盤『YESSONGS』さえ想起させるほどの音世界で、70年代を総括した10周年ツアーを超極上体験できる文化遺産アルバムです。
Madison Square Garden, New York, NY, USA 15th June 1979 TRULY PERFECT SOUND(UPGRADE!!!)
Disc 1 (72:55) 1. Intro 2. Siberian Khatru 3. Heart Of The Sunrise 4. Future Times 5. Rejoice 6. Circus Of Heaven 7. Time And A Word 8. Long Distance Runaround 9. The Fish 10. Perpetual Change 11. Soon 12. The Clap ★既作未収
Disc 2 (67:08) 1. And You And I 2. Starship Trooper 3. Rick Wakeman Solo 4. Awaken 5. Tour Song 6. I've Seen All Good People 7. Roundabout Jon Anderson -Vocals Steve Howe - Guitar Chris Squire - Bass Alan White - Drums Wakeman- Keyboards