これも驚愕!パレード・ツアーはイギリスより86年8月12日から始まるのですが、それより前、つまりそれはヒット・アンド・ラン・ツアーと呼ばれているワン・オフ・コンサートのサウンドボード音源です。ヒット・アンド・ラン・ツアーはオーディエンスでも存在しないライブがあったりする位にレアなものです。その幻のツアーのサウンドボードです!8月2日のマジソン・スクエア・ガーデンでのライブ!パレード・ツアーでのセットリスト、演奏スタイルを確定していく過程のような内容は大変興味深いもの。プリンスのボーカルが前面に出ていますし、要所の所でのベースとか(ブリブリと音が鳴りファンキー)キーボードとかホーンとかもとてもよく聴こえてきます。Around The World In A DayからChristopher Tracy's Paradeへと続くこの流れをサウンドボードで聴ける喜びは格別です。New Positionでもベース・ラインが素晴らしく響いてきます。I Wonder Uでのウェンディーのボーカルもサウンドボードで聴くとかわいらしく聴こえてきます。そしてRaspberry Beretからのメドレー、ここでやや荒々しいプリンスのニューヨーク!と叫ぶ煽りがあります。いつもように観客に歌わせますが、そこで動きのあるベースが堪能できるのが嬉しいです。そしてDeliriousでは楽しそうなキーボード、そしてコリンコリンした音のウェンディーの流れるようなカッティングとエリック・リーズらの喧騒ホーンも艶やか。ワウのギターもあり、これはミコ・ウィーバーによるものでしょう。そして衝撃のレヴォリューションでのControversy!更にコリンコリンのカッティングとホーン、そして繰り返しのフレーズがファンキーなキーボード!これぞ真のControversy!そして呟くようなプリンスのボーカル、それなのにエリックを呼び出すときは明確且つ厳しく、結果彼に最高のソロを入れさせ、ストップ・アンド・ゴーもバッチリ、これが真の統率されたレヴォリューションのMutiny!後半はIce Cream Castleのキーボード・フレーズ、そしてコーラスが入り、一度演奏は終わっても、その後プリンスがコンフュージョンと言って更にもう悶絶ものの聴いたことのない激ファンクが披露されます。プリンスがギミ・ツーとか最初は声を出してバンドを従わせていますが、その内声も出ないのに、チャンチャンとバンドが音を出します。それはプリンスの指の数だけで従わせているのです。Ice Cream Castleが再び登場、そしてThe Roof Is On Fireも挟まれ、プリンスがオールナイトでプレイするぞ、と叫び、アイスクリーム!と言って尚もファンク・ジャムがこれでもかと続き、最後はtake me homeの言葉でゆったりとした演奏となっていき、そこから優雅なDo Me Babyとなります。リサのコーラスがエッチに入ります。エリックのサックスソロとても素晴らしい!パーティー・ピープルと煽るAutomaticでは少しノイズのようなものが入りますが、しかしファンキーな演奏ですし、矢継ぎ早にD.M.S.R.へと移行していくので気にかけている暇はありません。そしてちゃんとライブ・ヴァージョンで演奏されていた頃のWhen Doves Cry!甘えるようなプリンスの声が若々しく、そしてウェンディーのギター・ソロはロッキッシュです。後半のカッティングとキーボードの応酬は何度聴いても鳥肌が立つほどのカッコ良さ。プリンスが恐らくステージの前方でキーボードを弾いているのでしょう、Under The Cherry Moonは低い声で崩すことなくスタジオ曲にほぼ忠実に歌っているのが珍しいし、また素晴らしい。そしてベースが良く出ているAnotherloverholeyoheadはフェードアウトしてしまいますが曲はほぼ歌われています。しかしPop Lifeは曲の最後のわずか25秒で次のGirls & Boysへと移行してしまいます。しかしそのGirls & Boysが面白いピアノのフレーズとキーボードの厚いエフェクトがこの時期ならではのアレンジで、事実このアレンジこそベストだと言えるでしょう。エリックの素晴らしいサックスソロもあるし、ワサワサとプリンスが語りながらこのツアーだけプレイされているLife Can Be So Niceと繋がってくれるのが嬉しい。しかしその絶妙な部分で音切れがあるのは残念。しかしそれ以外は本当に最高にファンキーで快活な演奏です!ウェンディーの声がなぜか前面に出ているのも珍しいかもしれません。そしてここから普通は1999に行くのがパレード・ツアーですが、ロッキッシュなギターが入ったAmericaとなります。このスリリングな始まりは鳥肌物、サウンドボードでこの演奏が収録されていたことは神に感謝したいほど。ウェンディーがなぜかメインボーカル、プリンスは煽りに徹しているのですが、その煽りがエナゲティックでポーとかセイチョウ!とか叫び、プリンスのロック・ギターが痙攣気味に鳴り響いて凄まじいです。ホーンよりギターの方が目立っているのが凄い。ウェンディーのカッティングとリンドラム、聴いたことのないキーボード・フレーズ、そしてストンプしたベース、ブウッとジェローム・ベントンらのダンサーが叫ぶのもファンキー。Holly Rockの歌詞が叫ばれ、Becaus of soul sistersのコーラスとプリンスの叫び、そしてThe Roof Is On Fire、そしてホーンだけになると、恐らく叩いているのはプリンスでしょう、プロモのようにドラムとギターのファンキーなアンサンブルが入ります。しかしここではそこから最高にファンキーなウェンディのカッティング、ホーン、ベースと、プロモでも聴いた事のない展開があります。プリンスがドラム・セットから離れて、最後にthe roof is my ass, uh!とプリンスが叫んで、エンドキュー、ラスベガスと呟いても演奏はダラララとストップしては続くのです。最後に25!と叫んで25回バンドは音を出しますが、キーボードが2回ほど余計音が出て失敗してしまっているのはご愛嬌。そのせいか知りませんが、もう一度プリンスは、ラスベガスと叫んで、やっと演奏が本当に終了します。
この素晴らしい奇跡のサウンドボードの一枚組、実は残念ながら完全収録ではありません。Anotherloverholeyoheadが不完全収録、そしてその後のSoft And Wet、I Wanna Be Your Lover、Electric Manを挟んだHeadが未収録、またPop Lifeが不完全収録、更にAmerica以降のSometimes It Snows In April、Purple Rain、Whole Lotta Shakin' Goin On、Montains、Kissが収録されていないのです。それでもサウンドボードということからこのツアーの魅力は十分伝えられていると言えますが、今回スペシャル・エディションでは、トレード間のみ出回っている貴重なオーディエンス・テープを入手、それらを可能な限り音質を良くして収録。Sometimes It Snows In Aprilはそれでも不完全収録ですが、翌日の8月3日のMSGのライブでのSometimes It Snows In Aprilを完全に収録し補足。こちらもオーディエンス録音ですが、重箱を突付くマニアックなコンピCDが付いてきます。このようによりディープに追求したスペシャル・エディション、絶対必携のマストアイテムです!
August 2, 1986 Madison Square Garden, NY
1.Around The World In A Day 2.Christopher Tracy's Parade 3.New Position 4.I Wonder U 5.Raspberry Beret 6.Delirious 7.Controversy 8.Mutiny 9.Do Me Baby 10.How Much Is That Doggie In The Window 11.Lady Cab Driver 12.Automatic 13.D.M.S.R. 14. When Doves Cry
15.Under The Cherry Moon 16.Anotherloverholenyohead (incomplete) 17.Pop Life (incomplete) 18.Girls & Boys 19.Life Can Be So Nice 20.America
Special CD for Special Edition 1.Anotherloverholeyohead 2.Soft And Wet 3.I Wanna Be Your Lover 4.Head/Electric Man 5.Head(pt.2) 6.Pop Life 7.Sometimes It Snows In April(incomplete) 8.Purple Rain 9.Whole Lotta Shakin' Goin On 10.Montains 11.Kiss
Live at Madison Square Garden, NY, Aug 2, 1986 12.Mutiny 13.A Lovebizarre 14.Sometimes It Snows In April Live at Madison Square Garden, NY, Aug 3, 1986