懐かしの洋楽ラジオ放送復刻版は、1984年放送の「著作権料よこせリクエスト大会」です。リスナーからの葉書の投書から、「この曲はあの曲と似ている。パクリでは?」と指摘のあった原曲とパクリ曲をそのまま並べて放送し、DJがユニークなコメントをのせるという、たまらなく面白い番組で、これは1982年位から定期的に企画・放送された、人気プログラムであったようです。今回もまた、マニアが大切に保管していたエアチェック・テープを使用、当時の音そのままに、たっぷりと楽しむことができます。楽曲は似ている部分のサワリだけを30秒から1分強平均で次々と紹介しているので、46分の内容でありながら、50曲もの楽曲を紹介しており、おかげで、トラック数も64と史上最多になってしまいました。DJも冒頭にてコメントしているとおり、洋楽マニアが聴いているこの番組でのこういった企画ですので、中森明菜の「サザン・ウィンド」(3分目付近にイエスのOwner of A Lonely Heartが登場)のような誰でも指摘できる曲は避け、よりセンスの良いというか、マニアが喜びそうな、聴いていて、その音世界の対比が楽しいナンバーが選ばれているようです。取り上げられている基本は洋楽の有名ナンバーを日本の歌謡曲がパクっているナンバーというもので、「そんなに似てるかな?」と言うのもあれば、音色からコード進行・展開までそっくりという、殆どカバー曲というのもあったりと、非常に愉快な発見を楽しむことができます。DJもコメントも楽しく、冒頭の川島なお美「浮気なバービーボーイ」は「メロディのところはビートルズのFrom Me To Youに非常によく似ていますけど、イントロも別のビートルズのナンバーに似ている感じで、なかなか(アレンジャーの)技が出ていたのではないかと言う気がします。」等、洋楽ファンには堪らない指摘・発見が次々と登場します。(個人的には河合奈保子の「UNバランス」とドナ・サマーの「She Works Hard For The Money」のシンセリフが全く同じなのが面白かったです。シブがき隊「喝!」がティアーズ・フォー・フィアーズの「Change」をベースにしているのは非常に驚きました。よくこんなの気が付きますね。)ヤズーの「Nobody's Diary」と野口五郎の「今夜はつれづれ」は、メロは勿論、シンセの音色まで一緒です。あと邦楽vs洋楽だけでなく、洋楽vs洋楽も数曲収録されており、PILとツェッペリンの意外なドラムイントとの符合、更には「Works」収録のフレディ作のKeep Passing The Open Windowsがジョー・ジャクソンのSteppin' Outをモチーフにしているのも面白いです。(ロジャー&ディーコンの84年プロモ来日の時に、そのことを質問したら彼等も(パクリを)認めたそうです。)CCRのGreen Riverとニック・ロウのStick It Where The Sun Don't Shineのギター・イントロは全く同じでDJも「似てるというんじゃなくて、同じでしたね(笑)」とコメントしています。イントロが全く同じな、デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズの大ヒット曲「Come On Eileen」と寺島まゆみの「ダウンタウン・エンジェル」はDJ曰く「メジャーな洋楽対マイナーな邦楽という対決でございますけど、当然、寺島まゆみさんの方がアイデアを頂いたということになるのではないでしょうか」「楽器まで一緒にしてしまうところに、殆どタフな開き直りというものさえ感じさせます」(笑)というコメントがまた面白いです。アル・スチュワート「The Palace Of Versailles」をレコードで33から45回転でスピードアップして聴くと、石川ひとみの「ひとりぼっちのサーカス」と全く同じになると言う「検証」も面白いです。当店のハードロック・ファンのお客様に楽しいであろうアルフィー特集ではなんとレインボーのKill The King, MSGのArmed And Ready, そしてジャーニーのSeparate Waysが登場。流石に洋楽路線のサウンドだけに判りやすいナンバーから拝借していようです。(ちなみにMr.Romanceという曲では、番組ではツェッペリンのImmigrant Songが紹介されていますが、どちらかというと私はクリムゾンのThe Great Deceiverみたいと思いました。)あと凄く面白かったのはMen Without Hatsで、彼らがカナダでタイガースのグループ・サウンズ時代のヒット曲をパクるなんてことはあり得ないと思うのですが、たしかに偶然の一致にしては全てが同じで、我々聴き手が「どういうこと?」と混乱してしまうところなど、この番組の本当に楽しい瞬間です。ボウイと北島三郎は偶然と思いますが、サザンの「そんなヒロシに騙されて」のイントロは、確かに我らがジョン・ウェットンの「Caught In The Crossfire」が全く同じなのは、偶然なのか故意なのか、判断しかねます。(DJも「似てますね~世の中判らないことが多いというパターンであります」もコメントしています(笑)最後の方のスティーヴィー・ワンダーのSir Dukeとキャンディーズの「エプロン姉さん」はパクリもここまですると感服するしかない出来栄えで、DJも「アレンジまで似せちゃって、本当にカヴァー・ヴァージョンじゃないか、これでは。当然、スティーヴィー・ワンダーの名前はクレジットされておりません。いやー、何があるか分からないですね、世の中」と楽しいコメントを付け加えています。ラストはDeep Purpleの「Child In Time」、It's A Beautiful Dayの「Bombay Calling」で締めています。これはパープル側がパクったことが有名なナンバーですね。(面白い葉書 追記)*イントロ部分 リスナー葉書より?「甲子園大会に出場した、愛工大名電は、ロック・グループのアイアン・メイデンの名前を真似しています。何とかして下さい」(笑)リスナー葉書より?「ガゼボの「アイ・ライク・ショパン」と小林麻美の「雨音はショパンの調べ」がそっくりです。とにかく一度お聴き下さい。」(笑)って、これは同じ曲なんですよね。カバー・ヴァージョンが似ているといってもしょうがないですけども(DJ)
Broadcast Year: 1984 1. Intro : We're Gonna Groove (Led Zeppelin) 2. 浮気なバービーボーイ(川島なお美)3. From Me To You(The Beatles) 4. MC 5. She Works Hard For The Money(Donna Summer) 6. UNバランス(河合奈保子)7. MC 8. Far From Over(Frank Stallone)
9. 気まぐれ One Way Boy(The Good-Bye)10. MC 11. Change (Tears For Fears) 12. 喝!(シブがき隊)13. MC 14. Nobody's Diary(Yazoo) 15. 今夜はつれづれ(野口五郎)16. MC 17. Steppin' Out(Joe Jackson) 18. Keep Passing The Open Windows(Queen) 19. MC
20. Green River(Creedence Clearwater Revival) 21. Stick It Where The Sun Don't Shine(Nick Lowe) 22. MC 23. Come On Eileen(Dexys Midnight Runners) 24. ダウンタウン・エンジェル(寺島まゆみ)25. MC 26. The Palace Of Versailles(Al Stewart)
33rpm speed 27. ひとりぼっちのサーカス(石川ひとみ)28. The Palace Of Versailles(Al Stewart) 45rpm speed 29. MC 30. Working For The Weekend(Loverboy) 31. カモン・ロッキンロード(近藤真彦 32. MC 33. When The Levee Breaks(Led Zeppelin)34. Go Back(Public Image Limited)
35. MC 36. Immigrant Song(Led Zeppelin) 37. Mr.Romance(The Alfee) 38. MC 39. Separate Ways(Journey) 40. メリーアン(The Alfee) 41. MC 42. Armed And Ready(The Michael Schenker Group) 43. トラベリング・バンド(The Alfee) 44. MC 45. Kill The King(Rainbow)
46. ジェネレーション・ダイナマイト(The Alfee) ★似てる。確かに「KILL THE KING」47. MC 48. シーサイド・バウンド(ザ・タイガース)49. The Safety Dance(Men Without Hats) 50. MC 51. Cat People(David Bowie) 52. 帰ろかな(北島三郎) 53. MC
54. そんなヒロシに騙されて(サザン・オールスターズ)55. Caught In The Crossfire(John Wetton) 56. MC 57. 匂艶 The Night Club(サザン・オールスターズ)58. 湘南 物語(桑田 靖子)59. MC 60. Sir Duke(Stevie Wonder) 61. エプロン姉さん(マキちゃんに捧げる唄) (キャンディーズ)
62. MC 63. Child In Time(Deep Purple) 64. Bombay Calling(It's A Beautiful Day)