伝説の初来日を果たした1982年のULTRAVOX。その現場を伝えるオリジナル録音が登場です。そんな本作に記録されているのは「1982年2月24日:東京厚生年金会館」公演。その極上オーディエンス録音です。当店では、彼らと日本の初対面アルバム『NAGOYA 1982: FIRST LIVE IN JAPAN』も定番となっていますが、もちろん本作は別公演。まずは、当時の日程からショウのポジションを確かめておきましょう。・2月21日『NAGOYA 1982: FIRST LIVE IN JAPAN』・2月22日:大阪フェスティバルホール・2月23日:東京厚生年金会館・2月24日:東京厚生年金会館 ←★本作★・2月25日:中野サンプラザ 以上、全5公演。東名阪の3都市を巡る日程でしたが、半数以上が東京。本作は、その東京3DAYSの中日を記録したライヴアルバムなのです。そんなショウを記録した本作は、まさに極上のオーディエンス録音。何よりも素晴らしいのは、力強くオンな芯。とにかく距離感がまるでない。オーディエンス録音ではスカスカか爆音かの両極端になりがちな低音も艶やかで密度もたっぷり。録音家本人から直接譲られたオリジナル・マスターなので間違いなくオーディエンス録音なのですが、何も知らなければ「FM放送なんかあったっけ?」と思った事は間違いない。もっとも、ややマイクが揺れる不安定感があるので「多分、オーディエンスだろうな」とも分かるのですが、それほどまでにサウンドボード的な名録音なのです。そんなサウンドで描かれるのは、2大名盤『VIENNA』『RAGE IN EDEN』の濃縮還元。1982年と言えば『QUARTET』がリリースされた年でもありますが、彼らの初来日はその8ヶ月前でもありました。ここで、そのセットを整理してみましょう。VIENNA(7曲)・Private Lives/Mr. X/Vienna/Passing Strangers/New Europeans/Sleepwalk/All Stood Still
RAGE IN EDEN(7曲)・The Thin Wall/We Stand Alone/I Remember (Death in the Afternoon)/Accent On Youth/The Ascent/Your Name (Has Slipped My Mind Again)/The Voice その他(1曲)・Passionate Reply ……と、このようになっています。『VIENNA』からは「Astradyne」「Western Promise」以外の、『RAGE IN EDEN』からは「Rage in Eden」「Stranger Within」以外の全曲が披露され、そこにシングルB面曲だった「Passionate Reply」を加えた構成でした。そのセットだけでも特濃なのですが、それを目の当たりにした観客の息吹がドキュメント。先述もした通り、演奏中は不自然なくらいの静けさに包まれるのですが、盛大な曲間には喝采が沸く。それがまた整然としていて、いかにもな80年代洋楽ブーム感がたっぷり。黄色い嬌声も飛び、「ミッジ!」とメンバーの名前を呼ぶ声も「せぇの!」が聞こえてきそうなほどピッタリ揃っている。さらに面白いのはラスト。「The Voice」で大団円を迎えた会場には終演アナウンスが響くのですが、その中で「昨日より良かった」「なんだこれは!?」「昨日(の出来が)『3』だとしたら、今日は『3+』付けても良いよ」等々、口々に感想を語り合う声も聞こえるのです。ニューロマンティックの旗手として、鮮烈な初来日を飾ったULTRAVOX。そのフルショウをサウンドボードばりにオンな極上サウンドで楽しめるライヴアルバムの大傑作です。大元マスターだからこその瑞々しさで迫る1枚。
Live at Koseinenkin Kaikan, Tokyo, Japan 24th February 1982 PERFECT SOUND(from Original Masters) (79:20)
1. The Thin Wall 2. Private Lives 3. We Stand Alone 4. I Remember 5. Mr.X 6. Accent On Youth - The Ascent - Your Name 7. Vienna 8. Passionate Reply 9. Passing Strangers 10. New Europeans 11. Sleepwalk 12. All Stood Still 13. The Voice 最後に録音者周りの会話入ってて面白い
Midge Ure - Vocal, Guitar, Keyboards Chris Cross - Bass Warren Cann - Drums, Electronic Percussion Billy Currie - Keyboards, Violin, Viola