ボウイがエイティーズ・ポップスターの頂点を極めた1983年のシリアス・ムーンライト・ツアーから8月14日のLAフォーラム初日を収録…「あれ?この日はミラード音源が出ているのでは?」ピーンと来られたマニアの方、さすがです。昨年「L.A. FORUM 1983 1ST NIGHT: MIKE MILLARD FIRST GENERATION CASSETTES」としてリリースされ、現在もベストセラー続行中の名盤と同じ日。「ミラード音源があれば他の音源はいらなくない?」そう思われるのも無理はありません。しかしミラード音源の方はいかにも彼の録音らしく、周囲の声のレベルが控えめで音像の主人公はあくまで演奏というバランス。それに対して今回リリースされるのは初登場の別オーディエンス録音でして、ネット上のレア音源界ではおなじみ「markp」というテーパーが録音してくれたもの。「L.A. FORUM 1983~」がリリースされた際に触れましたように、この日はLAフォーラムにおける二夜連続公演の初日であり、シリアス・ムーンライト・ツアーのアメリカ日程においてもっとも早くチケットがSold Outとなった日の一つ。それ故にボウイの気合の入りっぷりが尋常でなく、オープニングからMCを忘れるほどに飛ばしまくるキレッキレなボウイの姿が捉えられていた。そんな熱演ぶりがリアル伝わってくる極上録音でした。ところが今回のmarkp音源はミラード音源ほど骨太な音像ではないものの、代わりにハイテンションなボウイを前に熱狂しまくる臨場感をミラード音源以上にリアルに捉えてくれている。かといってその盛り上がりが演奏を塞いだり、あるいは鑑賞の妨げとなるようなことは(まったく!)なく、むしろ「“Heroes”」を始めとして、あれほどまでに熱唱したボウイを前にすれば観客が盛り上がるのも当然。この熱狂をリアルに捉えてくれた臨場感というのが聞いているこっちにも伝わってくるほどアツく、このフィーバーぶりを聞いて不快に感じるマニアなど皆無なのでは。むしろ、同じライブでこれほどまでに聞いた印象が違うとは…とミラード音源とまるで違う感触が病みつきになってしまうかも。それでいて演奏の音像も素晴らしく、それがまた熱狂する観客と合わさって、力の限りを振り絞って歌うボウイの姿が感動的ですらある。なお今回の別録音がリリースに値するものであることは明らか。ミラード音源からは伝わらなかった白熱の盛り上がり、これぞリアル・ドキュメント。シリアス・ムーンライト・ツアーの中でも屈指の名演だったLAフォーラム初日のアナザーサイドを伝えてくれる素晴らしいオーディエンス・アルバム!The Forum, Inglewood, CA, USA 14th August 1983 TRULY AMAZING/PERFECT SOUNDDisc 1(52:55)
1. Introduction 2. The Jean Genie Intro 3. Star 4. "Heroes" 5. What In The World? 6. Golden Years 7. Fashion 8. Let's Dance 9. Breaking Glass 10. Life On Mars? 11. Sorrow 12. Cat People (Putting Out Fire) 13. China Girl 14. Scary Monsters (And Super Creeps) 15. Rebel Rebel
16. White Light, White Heat
Disc 2(55:17) 1. Station To Station 2. Cracked Actor 3. Ashes To Ashes 4. Space Oddity 5. Band Introductions 6. Young Americans 7. Fame 8. TVC15 9. Stay 10. The Jean Genie 11. Modern Love