バンド名を「SYKES」に改め、暗黒の90年代に「英国ロックであること」をテーマにした『OUT OF MY TREE』を叩きつけた1995年のジョン・サイクス。その現場を伝える極上ライヴアルバムが2作同時リリース決定です。当店ではTHIN LIZZYでの初来日からソロに至るまでサイクスの日本公演を数々の名作でアーカイヴしてきましたが、1995年は今回が初。本作はその第一弾となる「1995年12月5日:大阪フェスティバルホール」公演の極上オーディエンス録音です。今週は一気に2作同時リリースが実現でもありますので、まずは当時のスケジュールから振り返っておきましょう。・11月30日:東京厚生年金会館
・12月3日:東京厚生年金会館・12月4日:よこすか芸術劇場・12月5日:大阪フェスティバルホール ←★本作★・12月7日:京都会館 ←※KYOTO 1995・12月9日:福岡サンパレス・12月11日:川口リリアメインホール・12月12日:東京厚生年金会館 以上、全8公演。90年代半ばのロックシーンは伝統的なHR/HMが壊滅的な状況だったことに加え、サイクス自身が異様にフットワークが重い。せっかく改名しての仕切り直しだったにも関わらず世界的な活動はほとんどなく、現在でも確認できるのは日本公演とTV放送のあったLA公演だけという状態。今週同時リリースの2公演は、そんなジャパン・ツアーでも中核の西日本公演でした。その第一弾である大阪公演の本作は、まさに極上オーディエンスの見本のような名録音。大元マスターからダイレクトにコピーされた1stジェネDATからCD化されているのですが、とにかく芯が極太で間近感たっぷり。曲間では生々しい喝采が沸きますし、音色的にもオーディエンス録音とは分かるのですが、それはあくまで「分かる」というだけ。マルコ・メンドーサ/トミー・オスティーンとのトリオ・アンサンブルは1音1音の微細部まで克明で、会場を振るわせる重低音から良く伸びる高音まで綺麗に捉えられている。ずっしりとした手応えにスカスカ感はまるでなく、かと言ってバンドがハイパーにかき鳴らしても一切ビビらない。それこそFM放送あたりにも負けない名録音なのです。そんな端正サウンドで描かれるのは、自らのルーツである「英国ロック」への敬意が滲んでこぼれて溢れ出すフルショウ。『OUT OF MY TREE』時代と言えば、『LIVE IN LOS ANGELES 1995』でもお馴染みのLA公演プロショットが象徴ですので、比較しながらセットを整理してみましょう。BLUE MURDER/SYKES(10曲)・ブルー・マーダー:Riot/Jelly Roll/Billy・ナッシング・バット・トラブル:She Knows/We All Fall Down・アウト・オブ・マイ・ツリー:Soul Stealer(★)/Standing at the Crossroads/I Don't Believe in Anything/
Jesus & Mary(★)/I Don't Wanna Live My Life Like You その他(6曲)・THIN LIZZY:Cold Sweat/Jailbreak(★)/Thunder and Lightning(★)/Dancing in the Moonlight(★)・ソロ:Please Don't Leave Me(★)・WHITESNAKE:Still of the Night ※注:「★」印は代表プロショット『LIVE IN LOS ANGELES 1995』で聴けない曲。……と、このようになっています。定番のLA公演プロショットは1時間弱の放送枠に沿ったものでしたが、本作は一貫通の単独フル公演。100分超えの曲数ボリュームは比較になりません。しかも、中身も特濃。THIN LIZZYナンバーや「Please Don't Leave Me」も嬉しいですが、やはりレアなのは『OUT OF MY TREE』の新曲群。前述のようにワールド・ツアーは行われていないこともあり、レア曲を5つも盛り込んだフルショウを楽しめる貴重なライヴアルバムなのです。これまで秘境だった「1995年の来日」を一気に明らかにする姉妹作の同時リリースです。本作自体が世界的にも貴重な『OUT OF MY TREE』時代のフル・ライヴアルバムであり、まるでFMサウンドボードのようなクオリティの音楽作品の大傑作。そして、ジョン・サイクスの来日ヒストリーを完璧にするためにも欠かせない。いかようにも聞き込める2枚組。「1995年12月5日:大阪フェスティバルホール」公演の極上オーディエンス録音。1stジェネDATからCD化されているのですが、とにかく芯が極太で間近感たっぷり。曲間では生々しい喝采が沸きますし、音色的にもオーディエンス録音とは分かるのですが、それはあくまで「分かる」というだけ。マルコ・メンドーサ/トミー・オスティーンとのトリオ・アンサンブルは1音1音の微細部まで克明で、会場を振るわせる重低音から良く伸びる高音まで綺麗に捉えられている。「Soul Stealer」「Jesus & Mary」「Jailbreak」「Dancing in the Moonlight」など、定番プロショット『LIVE IN LOS ANGELES 1995』でも聞けない名曲たっぷりの美味しいフル・ライヴアルバムです。
Live at Festival Hall, Osaka, Japan 5th December 1995 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)
Disc 1 (47:38) 1. Intro 2. Riot 3. Soul Stealer 4. Cold Sweat 5. Standing at the Crossroads 6. Jailbreak 7. I Don't Believe in Anything 8. Thunder and Lightning 9. She Knows 10. Jelly Roll
Disc 2 (53:17) 1. Jesus & Mary 2. Billy 3. I Don't Wanna Live My Life Like You 4. We All Fall Down 5. Please Don't Leave Me 6. Dancing in the Moonlight 7. Still of the Night John Sykes - Guitar, Vocals Marco Mendoza - Bass Tommy O'steen - Drums Nik Green - Keyboards