1984年の日本で偶然誕生した「キーボードレスのOZZY BAND」。その貴重なフルショウを体験できるオリジナル録音が新発掘です。そんな本作に吹き込まれているのは「1984年6月30日:名古屋市公会堂」公演。その初登場オーディエンス録音です。当時は“BARK AT THE MOON Tour”の一環として二度目の来日を果たしたわけですが、その最中に母親の訃報を受けたドン・エイリーが急遽帰国。キーボードのいない4人編成となったのです。そんな事情のため、1984年の来日は日程によって5人編成と4人編成が混在。ここでそのスケジュールを振り返り、ショウのポジションを確かめてみましょう。・6月28日:中野サンプラザ
・6月29日『ULTIMATE BARKS: TOKYO 1984(新宿)』《6月29日:ドン・エイリー帰国》・6月30日:名古屋市公会堂 ←★本作★・7月2日:大阪フェスティバルホール・7月3日:福岡サンパレスホール・7月5日:中野サンプラザ・7月6日『ULTIMATE BARKS: TOKYO 1984(中野)』
・7月7日『JAKE BARK(渋谷)』以上の全8公演で、冒頭2公演を終えたところでドンが離脱。残り6公演がキーボードレスでした。そんな貴重なショウの記録と言えば、中野サンプラザ公演のサウンドボード録音『ULTIMATE BARKS: TOKYO 1984』やミラクルマン録音の『JAKE BARK』が大人気ですが、本作の名古屋はそれよりグッと初期。ドン帰国の翌日で4人編成での初ステージでした。そんな現場を真空パックした本作は、貴重度を超えたサウンドのオーディエンス録音。鳴りが厚めでやや距離があるのは否めないものの、その空気感を貫く芯がやけに力強く輪郭もシャープ。オジーが歌う歌詞の一語もはっきりと分かり、切り刻むようなジェイク・E・リーのエッジも鋭利。スカスカ感もないですし、正直なところ間近な手拍子がなければ「極上」と呼べたのに……という、惜しい!タイプの傑作録音なのです。そのビビッド・サウンドで描かれるのは、キーボードが抜けた穴をジェイクが埋めに埋めまくるレアにしてアグレッシヴなフルショウ。ここでは2大定番『ULTIMATE BARKS: TOKYO 1984(中野の流出サウンドボード)』『JAKE BARK(ミラクルマン録音)』の両方と比較しながら整理してみましょう。サバス(2曲)・パラノイド:Iron Man/Paranoid(★)ランディ時代(8曲)・ブリザード・オブ・オズ:I Don't Know/
Mr. Crowley/Revelation (Mother Earth)/Steal Away (The Night)/Suicide Solution/Crazy Train(★)・ダイアリー・オブ・ア・マッドマン:Over The Mountain(*)/Flying High Again 月に吠える(3曲)・Rock 'n' Roll Rebel/Bark At The Moon/Centre Of Eternity(★)※注:「★」印は中野サンプラザ公演のサウンドボード録音で、「*」印は最終日の『JAKE BARK』で聴けなかった曲。最終日には演奏しなかった「Over The Mountain」や、中野サンプラザSBDでは記録漏れになっていた「Centre Of Eternity」もしっかり押さえられ、貴重な4人アンサンブルがたっぷり楽しめます。そして、それ以上なのが実は曲間。オープニング曲「I Don't Know」が終わったところで語られるMCなのです。通常であれば、次曲「Mr. Crowley」のイントロで荘厳なシンセ・ソロが鳴り響くわけですが、この日からドン不在。そこで観客が驚かないよう、ここで日本人スタッフが日本語でMCを執るのです。あまりにもリアルですので、ちょっと書き出してみましょう。「オジー・オズボーン本人から皆さんに伝えて欲しいメッセージがありますので、伝えます。えー、皆さんもご存知かと思いますけども、キーボードのドン・エイリーのお母さんがえー昨日亡くなり、えー昨日の夜、ロンドンに帰りました。ツアーはえー、皆さんの期待に応えるためにも、えー続けてやることになりましたので、えー(ギターイントロが始まる)」……と、このように語っています。この一言一言まではっきり聴き取れるサウンドも素晴らしいですが、内容も初日だからこそ。そして、このまま「Mr. Crowley」に雪崩れ込むのですが、ここも必聴。前述の2大定番ではジェイクが見事なアルペジオ・ソロでドンの代役を務めているのですが、初日の本作はボロボロ。グダグダになって何となくソロが終わってしまい、オジーもどう入っていいか分からない。「Mi...!? Mi..ster....Crowley」とおっかなびっくりに歌い出し、キーも思いっきり外れている。一度バンド全体で入ってしまえば後はいつも通りなのですが、初チャレンジだからこその大失敗が超リアルなのです。思いがけない不幸によって誕生した4人編成のオジー・バンド。その初日をビビッドに楽しめる奇跡の新発掘ライヴアルバムです。これまでは達人プレイヤー達による不足感のないライヴばかりでしたが、さすがに初日はそうはいかなかった。ボロボロだからこそ不運な状況がリアルに感じられ、立ち向かう4人の気迫も真摯に伝わってくる。「1984年6月30日:名古屋市公会堂」公演の初登場オーディエンス録音。母親の死去でドン・エイリーが緊急帰国し、4人編成になった初日のライヴアルバムです。やや厚めの空気感を貫く芯がやけに力強く、スカスカ感もない輪郭もシャープ。オジーが歌う歌詞の一語もはっきりと分かり、切り刻むようなジェイクの鋭利なエッジも素晴らしい。「Mr. Crowley」の前ではドンが帰国した旨を伝える日本人スタッフの説明があり、大失敗になるギターイントロや「Mi...!? Mi..ster....Crowley」とおっかなびっくりに歌い出すオジーなど、初日ならではの激レア・シーンも楽しめます。 Live at Nagoya-shi Kokaido, Nagoya, Japan 30th June 1984 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND(from Original Masters) (73:30)
1. Carl Orff: Carmina Burana 2. I Don't Know 3. Japanese Staff Announcement 日本人スタッフ説明「オジー・オズボーン本人から皆さんに伝えて欲しいメッセージがありますので、伝えます。えー、皆さんもご存知かと思いますけども、キーボードのドン・エイリーのお母さんがえー昨日亡くなり、えー昨日の夜、ロンドンに帰りました。ツアーはえー、皆さんの期待に応えるためにも、えー続けてやることになりましたので、えー(ギターイントロが始まる)」4. Mr. Crowley ★初のキーボード・レス。イントロぼろぼろ。5. Over the Mountain 6. Rock 'n' Roll Rebel 7. Bark at the Moon 8. Revelation (Mother Earth)
9. Steal Away (The Night) 10. Band Introductions 11. Suicide Solution 12. Centre of Eternity 13. Drum Solo 14. Flying High Again 15. Iron Man 16. Crazy Train 17. Paranoid Ozzy Osbourne - Vocal Jake E. Lee - Guitar Bob Daisley - Bass Tommy Aldridge - Drums