話題の名手「Stephane」氏コレクションからABWH篇が登場。YESミュージックの夜を絶品現場体験できる新名盤の誕生です。そんな本作に吹き込まれているのは「1989年11月19日パリ公演」。その極上オーディエンス録音です。本作最大の凄みは衝撃的なまでのサウンド・クオリティにあるのですが、まずはショウのポジション。一部の日程でトニー・レヴィンの代わりにジェフ・バーリンが参加したりもしましたので、その辺も含めて当時のスケジュールから振り返ってみましょう。1989年《6月20日『閃光』発売》・7月29日ー8月28日:北米#1a(25公演)《トニー・レヴィン→ジェフ・バーリン交代》・9月4日ー10日:北米#1b(7公演)←※公式《トニー・レヴィン復帰》・10月20日ー29日:英国(7公演)・11月2日ー23日:欧州(17公演)←★ココ★ 1990年・2月21日ー23日:スペイン(3公演)・3月1日ー8日;日本(6公演)・3月12日ー23日:北米#2(10公演)これが“AN EVENING OF YES MUSIC PLUS Tour”の全体像。北米#1の7公演だけレヴィンが食中毒で離脱しましたが、仕切り直しのヨーロッパ・ツアーでは無事復帰。本作のパリ公演は、その後半である大陸ヨーロッパ篇の14公演目にあたるコンサートでした。このショウは以前から録音の存在は知られてきましたが、それはあくまで「B」クラスの今いち録音。本作はそれとは異なる極上の新発掘マスターなのです。しかも、手掛けたのは今話題の「Stephane」氏。ごく最近になってBLACK SABBATHやIRON MAIDENの超絶級マスターを連発してHR/HM系コレクターを震撼させているのですが、実はメタル専門のテーパーではなかった。本作は、プログレ系でも見事だという音の証拠品なのです。実際、そのサウンドは美麗でダイレクト、そして超繊細。生々しい喝采が沸き起こる会場ムードもリアルに吸い込んでいるのでサウンドボードと間違えはしませんが、1音1音クッキリと切り立った輪郭の鮮やかさ、レーザー光線のように真っ直ぐ届く芯の力強さは、まるでラジオ放送のように整っている……いや、クリスタル・クリアに透き通った空気感とキラキラと降り注ぐホール鳴りは、その辺のFM放送よりも輝いている。正直なところ「ゼロ距離・ド密着!」と喧伝するタイプでもないのですが、だからこその降り注ぎ感が美しすぎる。常に「YESのシンフォニック・サウンドはオーディエンス録音が似合う」と繰り返してきましたが、本作はその美感が最大限に活きた見本のような美録音なのです。そんな衝撃の名録音ですが、本作はその最高峰を更新するもの。実はネットに登場した原音ではジョン・アンダーソンのソロ・コーナーで録音漏れがあり、「Time and a Word」の途中でストップ。スティーヴ・ハウの「Clap」まで飛んでしまうのです。そこで本作は欠けたパートを従来録音で補填。「Owner of a Lonely Heart」「Teakbois」も楽しめるように致しました。今回の新マスターがあまりにも素晴らしいために違和感ゼロとはいきませんが、細心マスタリングで音質差も最大限に解消しています。そんなクリスタル・サウンドで描かれるのは、プログレッシヴな美意識を90年代に甦らせたABWHだけのフルショウ。安定のアンサンブルとセットは公式作品『AN EVENING OF YES MUSIC PLUS』でもお馴染み……と言いたいところですが、まったく同じなわけでもない。最大のポイントは「Starship Trooper」の大団円の後で披露される大ラスの「Sweet Dreams」でしょう。ツアー序盤の「北米#1」と「欧州」レッグ、それも限られたショウだけで演奏された限定曲でして、音の記録も片手で数えられるという激レア曲。本作は、そんな貴重なナンバーも輝きの極上サウンドで楽しめてしまうのです。ビル・ブルーフォードをシンフォニック・ロックの世界に呼び戻し、美学のサウンドをアップデートさせていたABWH。「Sweet Dreams」まで披露されたフルショウを極上現場体験できる新名盤です。これから「Stephane」コレクションからどんなプログレ名盤が飛び出すのか……そんなワクワクまで掻き立てられてしまう輝きのライヴアルバム。「1989年11月19日パリ公演」の極上オーディエンス録音。今話題の「Stephane」コレクションでして、美麗&超繊細。1音1音クッキリと切り立った輪郭の鮮やかさ、レーザー光線のように真っ直ぐ届く芯の力強さは、まるでラジオ放送のように整っている……いや、クリスタル・クリアに透き通った空気感とキラキラと降り注ぐホール鳴りは、その辺のFM放送よりも輝いている。常に「YESのシンフォニック・サウンドはオーディエンス録音が似合う」と繰り返してきましたが、本作はその美感が最大限に活きた見本のような美録音です。ショウもわずか数回分しか録音の残っていない「Sweet Dreams」も披露される貴重なフルショウを極上体験できる3枚組です。
Palais Omnisports de Paris-Bercy, Paris, France 19th November 1989 ULTIMATE SOUND
Disc 1(61:11) 1. Young Person's Guide to the Orchestra 2. Time and a Word/Owner of a Lonely Heart/Teakbois 3. Clap 4. Mood for a Day 5. Wakeman Solo 6. Long Distance Runaround 7. Bruford Solo 8. Birthright 9. And You and I 10. I've Seen All Good People
Disc 2(51:41) 1. MC 2. Close to the Edge 3. Themes 4. Levin/Bruford Jam 5. Brother of Mine 6. The Meeting
Disc 3(51:08) 1. MC 2. Heart of the Sunrise 3. Order of the Universe 4. Roundabout 5. Starship Trooper 6. Sweet Dreams Jon Anderson - Vocals Bill Bruford - Drums Steve Howe - Guitars Rick Wakeman - Keyboards Julian Colbeck - Keyboards Tony Levin - Bass Milton Mcdonald - Guitars