オーネット最大の問題作「アメリカの空」の作曲に着手したのが1969年。1970年に入り、当時の友人でニューヨーク・フィルのトランペット奏者だったジェラルド・シュワルツのアドバイスを参考に曲のリハーサルを開始。紆余曲折を経て1972年に完成した時点では、オーネットは自己のグループとニューヨーク・フィルとの共演でのレコード化を望んだが実現せず、最終的にロンドン・シンフォニー・オーケストラとオーネットのみでの吹き込みとなった。ここから25年の時を経た1997年には、ニューヨークのリンカーン・センターで行われたオーネット・コールマン4夜連続コンサートで、遂にオーネットが当初考えていた原案のニューヨーク・フィルとの共演での「アメリカの空」が実現…ここに初めて真の「アメリカの空」が完成したのでした…ここまで辿り着くのにオーネットは、「アメリカの空」の演奏は発表直後に一度、その後は80〜90年代にかけて数回のみ行われただけでした。それは自己のグループのみならず、多数のオーケストラのメンバーを率いては莫大な経費がかかってしまうためでした。前口上が長くなりましたが、先日同レーベルよりリリースされ大好評をいただいている「アメリカの空」を原案に最も近い形で演奏した1987年のイタリー公演(詳細は7月5日のブログをご覧下さい)に続き、「アメリカの空」のロンドンでの録音直後のその年1972年7月ニューヨーク・フィルハーモニック・ホールに於ける"ニューポート・ジャズ・フェスティバル"のプログラムの一環で、オーネットとデューイ・レッドマン、チャーリー・ヘイデン、エド・ブラックウェルのカルテットと、レオン・トンプソン指揮によるアメリカン・シンフォニー・オーケストラとの共演でプレミアされた、「アメリカの空」が初披露された歴史的なライヴを超高音質にて53分に渡り完全収録したとんでもないアイテムが初登場してしまいました!Live at Newport in New York Philharmonic Hall New York City July.4.1972 Skies of America 1. Track 1 2. Track 2 3. Track 3 4. Track 4
Ornette Coleman - Alto Sax Dewey Redman - Tenor Sax Charlie Haden - Bass Ed Blackwell - Drums American Symphony Orchestra Leon Thompson - Conductor