ロック史上最強のキーボード・トリオが栄華を極めた『恐怖の頭脳改革』時代。その現場を体験できる秘蔵マスターが登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「1974年5月25日ロッテルダム公演」。その全像を真空パックした絶品オーディエンス録音です。1970年に衝撃のデビューを飾ったEL&Pは、そのままノンストップでシーンを席巻。1974年まで一気に駆け抜けました。その後、活動休止を挟んで1977年に再始動しますが、かつての勢いや輝きを取り戻すことはなかった。『恐怖の頭脳改革』時代とは、単に商業的な黄金時代と言うだけでなく、そんな「全力疾走の果て」でもありました。まずは、そんな「果て」のツアースケジュールを振り返り、ショウのポジションを確かめておきましょう。1973年・3月30日ー5月4日:欧州#1(22公演)《11月19日『恐怖の頭脳改革』発売》・11月14日ー12月18日:北米#1(30公演)1974年・1月24日ー4月6日:北米#2(34公演)←※LADIES AND GENTLEMEN・4月18日ー5月2日:英国(9公演)・5月7日ー6月2日:欧州#2(20公演)←★ココ★・7月26日ー8月31日:北米#3(18公演)《8月19日『レディース・アンド・ジェントルメン』発売》 これが1973年/1974年のEL&P。「欧州#1」は“TRILOGY Tour”の最終盤で、その後に『恐怖の頭脳改革』を制作。リリース前後から改めてワールドツアーが始まりました。このツアーの象徴と言えば、公式盤『レディース・アンド・ジェントルメン』となるわけですが、本作のロッテルダム公演はあの伝統作から約3ヶ月後。「欧州#2」の14公演目にあたるコンサートでした。そんなショウで記録された本作は、ダイレクト感たっぷりなオーディエンス録音。やや厚めのホール鳴りにオーディエンス録音が刻まれてはいるものの、とにかく距離感のない芯が目の前に迫り、それに伴ってディテールも微細部まで克明に分かる。何よりスカスカ感のまるでない聴き応えが圧倒的で、物理的には空気の振動でしかないはずの「音」に質量まで感じるほどです。そんなダイナミック・サウンドで描かれるのは、全盛の風を全身で味わうようなフルショウ。セットも『レディース・アンド・ジェントルメン』と微妙に異なっていますので、ここで比較しながら整理してみましょう。クラシックス・エマーソン・レイク・アンド・パーマー:Take a Pebble/Lucky Man・タルカス:Tarkus・展覧会の絵:Pictures at an Exhibition(★)・トリロジー:Hoedown 恐怖の頭脳改革・Jerusalem/Toccata/Still...You Turn Me On/Benny the Bouncer(★)/Karn Evil 9 1st Impression/Karn Evil 9 2nd Impression/Karn Evil 9 3rd Impression ※注:「★」印は伝統盤『レディース・アンド・ジェントルメン』では聴けない曲。……と、このようになっています。おおよそは『レディース・アンド・ジェントルメン』に準じる流れなのですが、「Jeremy Bender / The Sheriff」の代わりに「Benny the Bouncer」が披露され、終盤に「Pictures at an Exhibition」も演奏される。特に貴重なのは「Benny the Bouncer」で、このツアーでも非常に限られたショウでしか演奏されなかったレア曲です。しかも、この曲が入る事で『恐怖の頭脳改革』の全曲を演奏。つまり、本作は『恐怖の頭脳改革』の生演奏版/拡張版でもあるのです。誰もが一度は考えた事のある「恐怖の頭脳改革の全曲ライヴ」。その貴重な現場をダイナミック・サウンドで絶品体験できる新発掘ライヴアルバムです。歴史的大名盤を創り上げたバンド・ポテンシャルがスピーカーから溢れてこぼれる新名盤。「1974年5月25日ロッテルダム公演」の絶品オーディエンス録音。とにかく距離感のない芯が目の前に迫り、それに伴ってディテールも微細部まで克明に分かる。何よりスカスカ感のまるでない聴き応えが圧倒的で、物理的には空気の振動でしかないはずの「音」に質量まで感じるほどのダイレクト感です。『レディース・アンド・ジェントルメン』では聴けなかった貴重な「Benny the Bouncer」が披露され、その結果『恐怖の頭脳改革』の全曲を演奏。『恐怖の頭脳改革』の拡張版ともなる新発掘ライヴアルバムです。
Live at Ahoy, Rotterdam, Netherlands 25th May 1974 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND
Disc 1(71:41) 1. Intro 2. Hoedown 3. Jerusalem 4. Toccata 5. Tarkus 6. Benny the Bouncer 7. Take a Pebble 8. Still...You Turn Me On 9. Lucky Man
Disc 2(72:55) 1. Piano Improvisations 2. Take A Pebble(reprise) 3. Karn Evil 9 1st Impression 4. Karn Evil 9 2nd Impression 5. Karn Evil 9 3rd Impression 6. Pictures at an Exhibition 7. Finale