DIOが「SACRED HEART」リリース後に行った1985年のアメリカツアーより、9月に行われたライヴが2公演分、どちらも優秀なオーディエンス・マスターを用いた4枚組でリリース決定! '86年のクレイグ・ゴールディ参加後ならば決定的なソースが多数知られていますが、ヴィヴィアン・キャンベル在籍当時はいまだに音源の種類が限られているので、ファンには嬉しいリリースと言えるでしょう!1985年はDIOそしてロニー自身にとってもエポック・メイキングな出来事が多かった一年です。「THE LAST IN LINE」に伴うツアーを1月27日に終えた後、彼らは三作目のアルバム製作に取り掛かると同時に、当時高まりを見せていた「音楽を通じてのチャリティ」にも取り組みます。DIOのメンバー以外にも、ロニーの呼びかけに応じたロブ・ハルフォードやイングヴェイ・マルムスティーンなど多くの賛同者がレコーディングに参加した「HEAR 'N AID」は、あの「We Are The World」や“LIVE AID”と並んで、'85年の洋楽シーンの上で忘れられないひとコマになっています。その後3rdアルバム「SACRED HEART」を仕上げたバンドは、アルバムリリースに先行してツアーを開始。8月10日の“Super Rock '85”において、ロニーはDIOとしては初めてとなる来日公演を実現させました。そのフェスティバル出演後の8月13日、カリフォルニア州マンテカ公演より本格的な北米ツアーがスタートし、翌'86年1月12日のハワイ・ホノルル公演までおよそ90公演(そのほとんどがアリーナ・クラスの会場)もの大規模なツアーを挙行するのです。しかしアメリカツアー終了後の'86年1月末、ビジネス面においてロニーやマネージメントと衝突した事でヴィヴィアン・キャンベルがバンドを解雇され、ロニーから「ヴィヴィアンの次はお前だ」と指名されていたというクレイグ・ゴールディが加入し、バンドの一時代が終わりを迎えます。本作はヴィヴィアン在籍時における最後のツアーとなった'85年「SACRED HEART」アメリカツアーより、9月9日のメイン州ポートランド公演と、9月21日のニューヨーク・ユニオンデールの“ナッソー・コロシアム”公演を、マスター・クオリティを確信させる優れたオーディエンス・サウンドで収録しています。ディスク1と2へ収録されたポートランド公演は、テーパーとステージの間に適度な距離感があり、見通しと音の抜け、臨場感に優れたサウンドでライヴの模様を確認できます。大規模会場らしい音響ながらオーディエンスの歓声が邪魔にならない音像は理想的と言え、ロニーのヴォーカルを中心としたまとまりのある演奏をたっぷり楽しめます。名曲「King Of Rock 'N' Roll」、そして「Like The Beat Of A Heart」と、オープニングから連発される「SACRED HEART」ナンバーは素晴らしい聴き応え。ポップなテイストがアメリカン・バンドとしてのDIO像を描き出す「Hungry For Heaven」も、この「SACRED HEART」ならではの聴き所です。「Holy Diver」や「Heaven And Hell」、さらに「Sacred Heart」まで包括する壮大な「The Last In Line組曲」ではロニーの鬼気迫るヴォーカルが聴き手を圧倒します。切れ味鋭いヴィヴィアンのギターや、パワフルなビートで主役に負けない存在感を放つヴィニー・アピスのドラムもタイト。彼らのプレイが直線的な音像で繰り広げられる「Holy Diver」は最高です! 「Heaven And Hell」から展開するギターソロでは、クロード・シュネルの伴奏に乗せてヴィヴィアンが扇情的なメロディを披露しており、ここも聴き逃せないポイントでしょう(ソロ後半ではヴィヴィアンらしいマシンガンのような速弾きも聴けます)。「Sacred Heart」は後任のクレイグも良いプレイをしていましたが、やはりヴィヴィアンのギターで聴くこの曲は格別です。同様に「Stand Up And Shout」や「Rainbow In The Dark」も、ヴィヴィアンそしてロニーの組み合わせで聴くと、他の時代にはないマジックを感じます。残念ながら本録音はマスターの都合によりアンコール2曲目の「We Rock」が未収録ですが、満足感たっぷりの90分間です!そしてディスク3・4で聴けるニューヨーク・ユニオンデールのショウは、見通しや音のバランスの良さもさることながら、爆発的な盛り上がりを見せる観客にエコーを含んだ音響が、聴き手に当時のDIOらしいビッグなスケール感を満喫させます。この時は1万人を越える大観衆が"ナッソー・コロシアム"に詰め掛けていたそうで、本録音は勢い・ツアーの規模ともキャリア中で最も大きかった時代の凄みよく捉えているサウンドといえるでしょう。観客もロニーのカリスマ魅了されたかのように、「King Of Rock 'N' Roll」や「The Last In Line」のコーラスでは大きな合唱を挙げています(特に「The Last In Line」は壮絶!)。器の大きなサウンドの広がりが曲想をより盛り上げる「Heaven And Hell」と「Sacred Heart」は圧倒的という他なく、「Sacred Heart」の後半ではロニーがドラゴンと戦う演出も目に浮かんできそうです!ライヴの後半「Rock 'N' Roll Children」と「Long Live Rock 'N' Roll」もニューヨークのファンを興奮させており、ノリに乗った演奏で「Man On The Silver Mountain」、そして「Stand Up And Shout」でのクライマックスへと雪崩れ込みます。こちらではポートランド公演の音源では未収録だった「We Rock」もしっかり聴く事ができ、ライヴのエンディングを最高の盛り上がりでクロージングしてくれます(終演直前のパイロ炸裂には驚かされます)。なお、本録音ではライヴが終わった後も約4分ほど収録が続いています。「ディオ!」コールが飛び交い、興奮冷めやらぬ場内の様子を、聴き手はリアルに体験できるでしょう。ロニーのライヴは日本公演が最も熱いという印象がありますが、やはり本場アメリカのファンも負けてはいません!この'85年後半に行われた「SACRED HEART」アメリカツアーは、ヴィヴィアン最後のツアーという重要性の他にも、12月6日のサンディエゴ公演が公式ライヴ作品「INTERMISSION」に収められるなど、ファンの間における認識そのものは高いのですが、どういう訳か優れたオーディエンス・ソースのリリースは限られていました。そのため本作に収録された2公演はヴィヴィアン時代末期のDIOを知る上で、ファンには欠かせないアイテムとなるでしょう。貴重なライヴ音源を素晴らしいサウンドでパッケージした、ロニー・ファン必聴の4枚組をどうぞお見逃しなく!
Cumberland County Civic Center, Portland, USA 9th September 1985 TRULY AMAZING SOUND Nassau Coliseum, Uniondale, New York, USA 21st September 1985 TRULY AMAZING SOUND Live at Cumberland County Civic Center, Portland, USA 9th September 1985
Disc 1 1. Introduction 2. King Of Rock 'N' Roll 3. Like The Beat Of A Heart 4. Don't Talk To Strangers 5. Hungry For Heaven 6. The Last In Line 7. Holy Diver/The Last In Line (reprise) 8. Drums Solo 9. Heaven And Hell 10. Guitar & Keyboard Solo 11. Sacred Heart/The Last In Line (reprise)
Disc 2 1. Rock 'N' Roll Children 2. Long Live Rock 'N' Roll 3. Man On The Silver Mountain/Rock 'N' Roll Children (reprise) 4. Stand Up And Shout 5. Rainbow In The Dark Live at Nassau Coliseum, Uniondale, New York, USA 21st September 1985
Disc 3 1. Introduction 2. King Of Rock 'N' Roll 3. Like The Beat Of A Heart 4. Don't Talk To Strangers 5. Hungry For Heaven 6. The Last In Line 7. Holy Diver/The Last In Line (reprise) 8. Drums Solo 9. Heaven And Hell 10. Guitar & Keyboard Solo 11. Sacred Heart/The Last In Line (reprise)
Disc 4 1. Rock 'N' Roll Children 2. Long Live Rock 'N' Roll 3. Man On The Silver Mountain/Rock 'N' R oll Children (reprise) 4. Stand Up And Shout 5. Rainbow In The Dark 6. We Rock
Ronnie James Dio - Vocals Vivian Campbell - Guitars Jimmy Bain - Bass Vinny Appice - Drums Claude Schnell - Keyboards