ボウイが死去した時、ドイツ政府は公式にコメントを出した。「デヴィッド・ボウイよ、さようなら。あなたは私たちの英雄です。壁の崩壊に力を貸してくれてありがとう」。このコメントは、1987年6月6日ベルリンの壁の前の広場で、デヴィッド・ボウイがコンサートを行なった事を指してのものである。グラス・スパイダー・ツアーの一環としてベルリンで行なわれたコンサートは、既存の会場ではなく、あえてベルリンの壁近くの広場にステージを設営し、スピーカーは壁の向こうの東ベルリン側にも向けられ、この冷戦の象徴的な場所で、東西両側の人たちがボウイを通じてひとつとなったのである。ボウイの代表曲のひとつである「Heroes」は、ベルリンの壁を挟んで逢瀬する恋人たちの姿に着想を得て作られた名曲である。このコンサートは、東西の人々をあたかも恋人たちに投影し、東西融和を訴えかけているかのようであった。当時の東ドイツでは事前の許可なく集会を行なう事は禁止されており、シュタージ(東ドイツ国家保安省)の監視の目が光る中、ベルリンの壁の東側では5000人の聴衆が集まり多くの逮捕者が出た。それでも東ベルリンの若者たちは漏れ聞こえるボウイのコンサートに熱狂したのである。西側の芸術が禁止されていた冷戦下の社会主義陣営において、「それはまるで禁断の果実を味わっているかのようだった。このコンサートは僕たちの状況を変えるために起きているのだと、みんな直感的にわかっていた」。本作はベルリンの壁崩壊のひとつのきっかけとなった、1987年6月6日西ベルリン公演をサウンドボードで完全収録している。ボーナストラックとして当日のサウンドチェック、そして当日のニュースレポート音源も収録されている。1987年6月6日ベルリンの壁の前広場でのコンサート ベルリンの壁を挟んで東西の若者たちが融和を叫んだ歴史の記録。高音質サウンドボード完全収録。当日のサウンドチェック&当時のニュースレポート PLATZ DER REPUBLIK, WEST BERLIN, WEST GERMANY June 6, 1987
DISC ONE 01. Purple Haze 02. guitars solo introduction 03. Up The Hill Backwards 04. Glass Spider 05. Up The Hill Backwards Reprise 06. Day In Day Out 07. Bang Bang 08. Absolute Beginners 09. Loving The Alien 10. China Girl 11. Fashion 12. Scary Monsters 13. All The Madmen
14. Never Let Me Down 15. Big Brother 16. 87 And Cry 17. “Heroes”
DISC TWO 01. Time Will Crawl 02. band introduction 03. Beat Of Your Drum 04. Sons Of The Silent Age 05. New York’s In Love 06. Dancing With The Big Boys 07. Zeroes 08. Let’s Dance 09. Fame 10. Time 11. Blue Jean 12. Modern Love
SOUNDCHECK 13. Introduction 14. All The Madmen 15. Loving The Alien 16. Glass Spider NEWS REPORT 17. News Report #1 18. News Report #2 19. News Report #3