アルバム「STANDING ON THE SHOULDER OF GIANTS」を完成させた後、新メンバーを加えたオアシスがお披露目を兼ねてアメリカのイベント廻りを行ったのが1999年の12月。その中にはアメリカのラジオ局が主催したイベントに出演したおかげで、その模様が放送されています。こうしてファンに知れ渡ることになったのが12月11日のアナハイム。それは「HELTER SKELTER CHRISTMAS」というタイトルがリアタイでリリースされ、何より新生オアシスのライブがステレオ・サウンドボード録音で聞けるということからファンは色めきだったものでした。よって粗めながらも音質は十分に良好なのですが「Supersonic」の途中、さらに「Helter Skelter」では二か所も音飛びがあり、また「Champagne Supernova」の演奏開始時にも欠損があるというのが難点。それでもなお最新のライブがさっそくサウンドボードで聞けたということで話題を呼んだものです。その後アルバムがリリースされ、さらに波乱万丈だった2000年ツアーが行われたことで、この1999年のライブはまったく話題に上らなくなってしまいますが、あくまで新しいバンドのウォームアップ的なステージであったことを考えれば致し方ないかと。そんな新生オアシス最初のライブ活動からも20年以上の歳月が経過し、改めて聞いてみると短いながらも演奏内容は非常に面白いものがあります。この日の演奏は全体的にテンポが遅く、オアシスのライブ史上もっとも「レイドバック」した印象を受けるのがまた面白い。新メンバーは加入したばかりでレパートリーも過去の曲ばかりですが、それらをこれほどまでゆったりと演奏しているライブというのも今となっては貴重でしょう。「Supersonic」に至ってはノエルとしても、あまりに演奏が遅すぎるように映ったのか途中からテンポが上げられているのが微笑ましい。そんなバンドの演奏とは対照的にリアムは前年のツアー終了以来のライブ活動ということで声は絶好調。しかも短いステージということからなおさら思う存分に歌いあげてくれる。そんな懐かしさいっぱいなステレオ・サウンドボード録音ですが、先の「HELTER SKELTER CHRISTMAS」の欠損個所をマニアが別ソースで補ったのが本CD。補填に使われた別ソースは音がこもっており、なるほどフルで聞くには忍びないクオリティなのだと推測されますが、それでもあの音飛びが解消されたという点は大きい。特に「Champagne Supernova」と「Helter Skelter」の個所は奇麗にアジャストされており、音質の違和感に目をつぶっても十分に楽しめる仕上がり Arrowhead Pond, Anaheim, CA, USA 11th December 1999 STEREO SBD (28:50)
1. Cigarettes & Alcohol 2. Supersonic 3. Wonderwall 4. Champagne Supernova 5. Helter Skelter Liam Gallagher - vocals, tambourine Noel Gallagher - guitar, vocals Gem Archer - guitar Andy Bell - bass Alan White - drums STEREO SOUNDBOARD RECORDING