3年ぶりのアルバム『TRACKER』をソロ最高位となる全英3位/全米14位に送り込み、根強い人気ぶりを見せつけた2015年のマーク・ノップラー。その現場を伝えるオリジナル録音が登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「2015年5月25日ロンドン公演」。伝統の名会場“ロイヤル・アルバート・ホール”で記録された絶品オーディエンス録音です。は同じツアーの極上映像『TRACKER TOUR: PARÍS & PADOVA 2015』も同時リリースとなりますので、まずは当時のスケジュールからそれぞれのポジションを把握しておきましょう。《3月16日『TRACKER』発売》・3月25日+27日:欧州#1(2公演)・4月15日:アムステルダム公演・5月12日ー26日:英国(10公演) ←★ココ★・5月28日ー6月21日:欧州#2(19公演)・7月4日ー31日:欧州#3(21公演) ←※Uxbridge 1539・9月10日ー10月31日:北米(38公演)これが2015年のマーク・ノップラー。アルバム発売後の約1ヶ月はショウケース的なギグを何回かこなしていましたが、5月から本格的なツアーに突入。本作はその冒頭を飾る「英国」ツアーでもハイライトだったロイヤル・アルバート・ホール2連続公演の初日で記録されたライヴアルバムです。そんな本作は、何とも見目麗しい実況感が素晴らしい。当時渡英していた日本人によるオリジナル録音でして、本作が本邦初公開となるもの。ホール鳴りも吸い込んだオーディンスらしいタイプなのですが、その鳴りが伝統会場“ロイヤル・アルバート・ホール”だから欠点にならない。とにかく艶やかできめ細やかな響きはトロけるような美しさで、メロディに包容力を持たせながらもディテールまで鮮明。そして、その空気感を貫く芯が力強く、極太感もたっぷりで叩きつけるように前へ前へと迫る。そのため鳴りが距離感にならず、ダイナミズムとスケール感を醸しているのです。これがまたマークの音楽にとてもよく似合う。例えば「Hill Farmer's Blues」。マンドリンのカッティングはアタック音が鋭く空間を切り裂いて目の前に飛びこみ、わずかに付けられた強弱のニュアンスまでクッキリ。その「厚いけどシャープ」な空間にマークのギターが艶やかに流れ込んでくる。そのトーンがたまらなく甘美で、鮮やかなカッティングと絡み合っても混じらない。もちろん「Hill Farmer's Blues」はあくまでも一例。バグパイプやサックス、ドブロなど、マークのショウは曲によってさまざまな楽器が登場するわけですが、その1つひとつに特有な「鳴り」がしっかりと味わえる。対比も鮮やかに描き出すアンサンブルのダイナミズムに酔いしれられるのです。そんなダイナミック・サウンドで描かれるのは、アルバムもツアーも大成功を収めた“TRACKER Tour”のフルショウ。セットは毎晩日替わりでもありましたので、同時リリースの映像作『TRACKER TOUR: PARÍS & PADOVA 2015』と比較しながら整理してみましょう。70年代/80年代・ダイアー・ストレイツ:Sultans Of Swing/Romeo & Juliet/Telegraph Road/So Far Away・ソロ:Going Home/Father and Son 2000年代以降・2000年代:Speedway at Nazareth/Hill Farmer's Blues/Marbletown/Postcards From Paraguay・PRIVATEERING:Corned Beef City/Privateering/I Used To Could・TRACKER:Broken Bones/Skydiver/Laughs and Jokes and Drinks and Smokes(★)/Mighty Man/Wherever I Go ※注:「★」印は同時リリースの『TRACKER TOUR: PARÍS & PADOVA 2015』でも聴けない曲。……と、このようになっています。ダイアー・ストレイツ時代も含めてキャリアを幅広く抑えてハイマスが、その軸は明らかに近2作『PRIVATEERING』と『TRACKER』。大代表作『SAILING TO PHILADELPHIA』でさえ1曲「Speedway at Nazareth」だけに抑えられ、『TRACKER』からは5曲も大盤振る舞いされている。日替わりのポイントも新曲が多く、特に「Laughs and Jokes and Drinks and Smokes」は『TRACKER TOUR: PARÍS & PADOVA 2015』の2公演を合わせても聴けない美味しい1曲です。音楽性によってオーディエンス録音が似合う音楽と不向きな音楽があるのですが、マークの音楽には間違いなく似合う。包容力がメロディの旨みを倍加させ、リアルな現場感で彩られたギターや歌替えがしんみりと全身を満たしていく醍醐味は何物にも代えられません。もちろんダメ録音では論外ですが、本作にその心配は無用。オーディエンスの旨みをたっぷりと味わわせてくれるオリジナル録音。「2015年5月25日ロイヤル・アルバート・ホール」公演の絶品オーディエンス録音。渡英した日本人テーパーによるオリジナル録音で、実にダイナミック。伝統会場ロイヤル・アルバート・ホールの鳴りが艶やかでトロけるような美しさ。メロディに包容力を持たせながらもディテールまで鮮明ですし、その空気感を貫く芯が力強く、極太感もたっぷりで叩きつけるように前へ前へと迫る。そのため鳴りが距離感にならず、ダイナミズムとスケール感を醸しています。ショウは『PRIVATEERING』と『TRACKER』を大胆にフィーチュア。日本では望むべくもない“TRACKER Tour”をフル体験できるライヴアルバムです。Live at Royal Albert Hall, London, UK 25th May 2015 PERFECT SOUND(from Original Masters)
Disc 1(68:14) 1. Intro (SE) 2. Broken Bones 3. Corned Beef City 4. Privateering 5. Father and Son 6. Hill Farmer's Blues 7. Skydiver 8. Laughs and Jokes and Drinks and Smokes 9. I Used to Could 10. Romeo and Juliet 11. Sultans of Swing
Disc 2(68:48) 1. Mighty Man 2. Postcards From Paraguay 3. Marbletown 4. Speedway at Nazareth 5. Telegraph Road 6. So Far Away 7. Wherever I Go 8. Going Home: Theme of the Local Hero