本邦初公開のアップグレード・オーディエンスマスター!エリック・クラプトンの1977年ジャパン・ツアーから、最終行程となった日本武道館2DAYS公演の初日、10月6日のニューオーディエンスマスターをリリース致します!この日の音源と言えば、並レベルのモノラル・オーディエンス録音の既発盤があっただけで、それもピッチが半音の70%程度高いという、決して満足いくものではありませんでした。ところが今回、遂に既発盤のマスターとはまったく別の、この日の公演を録音されたテーパーご自身のファーストジェネレーションカセットテープをご提供いただくことができ、その音質を確認しましたところ、既発盤よりも音が良く、演奏の距離感が近いことが判りました。この日の音源の音質を遂にアップデートできることになったのです。提供者ご本人は、当時のチケットも持参されまして、それによると座席はアリーナG列33番という好ポジションでした。時代が時代だけにヒスノイズもありましたが、そこは当店エンジニアが原音からイコライズし、ヒスを極力抑えてアップグレードしています。テープチェンジ/一時停止箇所もありましたが、既発盤より全体に長く収録されているというアドヴァンテージがありました。このニューマスターのサウンドの特徴は、楽音との絶妙な距離感を持ちつつ、武道館アリーナ席の空気感を非常によく捉えていることです。拡がりのあるモノラル・オーディエンス録音で収録されており、既発盤がどこか落ち着かないガチャガチャした感じのサウンドだったのに比べ、本盤はスマートで聴きやすいサウンドです。録音者の周りのオーディエンスノイズが極端に少ないことも聴きやすさの要因の一つとなっています。マイク・ミラード録音のようなバリバリの迫力サウンドではありませんが、この日の最優秀録音であることは間違いありません。本邦初公開となるニューマスターを是非お楽しみいただければと思います。武道館公演だけのレアなセットリスト 実はこのジャパン・ツアーのセットリストは、クラプトンのキャリアの中でもレアで貴重な意味合いを持っていました。ここで再度この年のクラプトンの活動歴をおさらいしておきますと、・2月14日:故郷のイギリス、サリー州クランレーでのチャリティ・コンサートに出演(バンド名義は「エディ・アースクエイク&ヒズ・トレマーズ」)・4月20日~29日:短期イギリス・ツアー・6月4日~20日:短期ヨーロッパ・ツアー
・8月5日:スポットでスペインのイヴィザで公演・8月11日:続いてバルセロナでも公演・9月26日~10月7日:ジャパン・ツアー 9月26日:大阪フェスティバルホール公演 9月27日:岡山県体育館公演 9月28日:京都会館第一ホール公演 9月30日:名古屋市公会堂公演 10月1日:大阪フェスティバルホール公演
10月4日:札幌真駒内アイスアリーナ公演 10月6日:日本武道館公演 ←★本作★ 10月7日:日本武道館公演・10月9日、10日:ハワイ、ホノルル公演 このスケジュールの狭間であった5月に、クラプトンは名盤「SLOWHAND」のレコーディングをロンドンのオリンピック・スタジオで行い、その後に組まれたこのジャパン・ツアーでは、まだリリース前の新作「SLOWHAND」からのナンバーを初めてライブで披露したのです。こうしたことはクラプトンのキャリア上では異例のことでした。この武道館公演のセットリストは、他の地方公演のそれとは違っていました。新曲という点では他公演と同じThe CoreとWe're All The Wayが披露されましたが、この最終の武道館2DAYS公演では、Cocaineをライブ初披露したのです。78年以降、今日に至るまで、ライブ終盤の定番曲としてステージを盛り上げる役割を果たしている同曲ですが、この日がキャリア上初めてのライブ演奏だったわけです。そのため、エンディングは当然現在のような、オーディエンスにコーラスを合唱させて終わる形はまったく出来ておらず、バンドがテーマリフを引っ張る形でそれなりに終わるというエンディングとなっています。こうした初々しいエンディングも楽しめつつ、中間のクラプトンのソロは非常にシャープ。この新曲に懸けたクラプトンの気合が窺えます。クラプトンのライブ史上でも記憶されるべき初パフォーマンスです。さらに聴きどころはそこだけに留まりません。クラプトンのキャリア上、70年代~2000年代初めにかけての約40年に亘るライブステージで取り上げたのは恐らくこの日だけではないかと考えられるブルースナンバーIt's Too Bad Things Are Going So Toughをプレイしたのです(この曲は別名Tuff Luck Bluesと言い、長年のブランクの後、2010年のツアーで突如セットインさせてプレイしています)。このナンバーでのボーカルとプレイのテンションが凄まじい!怒涛の勢いでこの曲はRamblin' on My Mindにメドレーされていきます。間違いなく、これ、名演です!スローブルースでオーディエンスをたっぷり魅了した後は、見事なメリハリでLaylaへと突入します。この日のクラプトンの調子は良かった!Laylaの後奏でのソロでは、日によっては比率的に半分以上をジョージ・テリーに委ねることもあったクラプトンが、ここではジョージ・テリーを気遣うことなく、ひたすら自身でソロを決めまくります。このソロが熱く、かっこいい!(ジョージ・テリーは終盤に少しだけ弾いています)。アンコールのFurther On Up The Roadは、もはや貫禄のプレイ。一切揺るぐことのない、これぞクラプトンというプレイを聴かせ、武道館初日公演は幕を下ろしました。素晴らしかったのはクラプトンだけではありません。本盤を聴いていただくと、クラプトンのバックバンド「タルサ・トップス」の素晴らしさに改めて気づかれることでしょう。タイトなリズムで屋台骨を支えるカール・レイドルとジェイミー・オールデイカーのリズムセクション。従来なかったほど縦横無尽に駆け巡るオルガンプレイでがっちり楽曲をサポートするディック・シムス。彼らのスキルも素晴らしいのです。翌年、4ピースバンドになった時にも揺るぎなくサポートした彼らの実力は、既にここで証明されています。紅一点のマーシー・レヴィもボーカル以外にブルースハープやギターで大活躍。2曲でフィーチャーされたリードナンバーでのアコースティックギターの腕前もなかなかのものですし、ブルースナンバーやKnockin' on Heaven's Doorでのハーモニカは彼女なしでは成立しないほどの貢献度です(セカンドギターのジョージ・テリーも頑張っていますが、クラプトンとの実力差は致し方のないところでしょうか)。遂に既発盤を凌駕するニューマスターを収めた本盤。本盤をより完璧にするために、テープチェンジや曲間がカットされていた箇所は既発盤のピッチを正常に修正してから補填しています アリーナG列での録音。間違いなく、この日の最良盤にして決定盤。これ以上のタイトルは、おそらくもう出ないのではないのではないでしょうか。
Live at Budokan, Tokyo, Japan 6th October 1977 TRULY AMAZING SOUND(from Original Masters)★初登場音源
Disc 1 (58:11) 1. Intro 2. The Core 3. I Shot the Sheriff 4. Double Trouble 5. Badge 6. Nobody Knows You When You're Down and Out 7. One Night 8. We're All the Way 9. Sign Language 10. Alberta
Disc :2 (38:52) 1. Cocaine 2. Knockin' on Heaven's Door 3. It's Too Bad Things Are Going So Tough★激レア・ブルース・カバー。クラプトンの20世紀におけるライヴで、演奏が確認されたのはこの日のみ。 4. Ramblin' on My Mind 5. Layla 6. All I Have to Do Is Dream 7. Farther Up the Road
Eric Clapton - Guitar, Vocals George Terry - Guitar Dicks Sims - Keyboards Carl Radle - Bass Jamie Oldaker - Drums Marcy Levy - Backing Vocals, Harmonica