リッチー・ブラックモアがDEEP PURPLEから脱退した後、1995年にドゥギー・ホワイトらを迎えてスタートしたRITCHIE BLACKMORE'S RAINBOWは、かつてのRAINBOWとは若干の違いはあったものの、アルバム「STRANGERIN US ALL」とそれに伴うライヴは、多くのファンを熱狂させました。1997年にその活動へ終止符が打たれてから、今年(2012年)で早くも15年もの月日が流れています。リッチーにとって(現時点で)最後のハードロック・バンドとなった'90年代RAINBOWは、今こそ再評価されるべきでしょう。その最後のツアーとなった'97年ライヴを知る上で、本作「FINAL CHAPTER」は、真っ先に聴いておきたい2枚組タイトルです。「STRANGER IN US ALL」のアメリカ発売を受け、RAINBOWは'97年2月から3月にかけて、念願の北米ツアーが実現します。これまでドラムには(リッチー以外で)唯一となる'80年代メンバーのチャック・バーギを起用していましたが、この'97年ツアーではジョン・ミセリを迎え、2月20日のニュージャージー州オールドブリッジ公演から約1ヶ月間のツアーを開始しました。本作「FINAL CHAPTER」では、その6公演目に当たる2月28日、オハイオ州コロンバスの"アルロサ・ヴィラ"公演を、海外コレクター提供による超高音質オーディエンス・マスターで(リハーサルも含めて!)完全収録しています。この1997年ツアーは、今年に入って音源・映像とも優秀なオーディエンス・ソースの発掘が続いており、ファンを大いに喜ばせています。中でも2月27日のマシロン公演を収録した「LIVE AT THE MACHINE」は、その優れたクオリティがマニアの間で話題となりました。本作はその「LIVE AT THE MACHINE」と同一テーパーによる録音(テーパーは2日間連続でオハイオのライヴを記録していた訳です)。このライヴは既発タイトルも知られていますが、オリジナル・マスターをダイレクト使用した本作は、クリアネスはもちろん、臨場感溢れるサウンドの広がりが絶品。そのクオリティは数ある既発を一掃するほどの素晴らしさで、専門誌においても高い評価を与えられました。本作では何と言ってもリッチーのギターが抜群のサウンドで楽しめるのが大きな特徴(やや小ぶりな会場の特性も反映されているようです)。鋭い切れ味で弾きまくる姿から、メロディアスに楽音を紡ぐ場面まで、リッチーの魅力を余す所なく楽しめます。もちろんドゥギーの瑞々しいヴォーカルも聴き応え満点。バンド全体のプレイとバランスも良好の一言で、'90年代RAINBOWらしい演奏をじっくり味わえます。勢いある「Spotlight Kid」、9分におよぶ「Mistreated」はいきなりの聴き所。特に「Mistreated」では、リッチーがフィードバックやキメのフレーズなど、第三期PURPLEを思い出させるプレイを連発。これをギターにフォーカスした極上サウンドで楽しめるのですから、ファンは堪らないでしょう! さらに「Still I'm Sad」では、この編成の立役者のひとりであるグレッグ・スミスのプレイも秀逸(彼はコーラスでも活躍しています)。ジョン・ミセリのドラムは若干の違和感を覚える場面はありますが、それが'97年ライヴらしい個性とアクセントになっているのも事実です。ライヴ中盤の「Man On The Silver Mountain」で聴ける、リッチーのノリに乗ったプレイ、ドラマティックな「Black Masquerade」・「Ariel」も聴き逃せません。セットの最後を締めくくる「Perfect Strangers」とアンコールの「Burn」もPURPLEとは違った印象で、聴き手を演奏へ釘付けにします。このツアーでRAINBOWとしての活動が終わってしまう(リッチーがハードロックから遠ざかってしまう)など想像もできない演奏を、ラストまでたっぷりと楽しめるでしょう。本作のもうひとつの特徴は、ボーナスとして収録された同日のサウンドチェックです(5トラック・合計で約15分30秒)。単に音を確かめるだけのプレイではなく、リッチーがその日の自分自身の調子も確認しているようなテイクで、気合の入った演奏(スライドでのプレイも必聴)を楽しませます。特にトラック13では、約11分間におよんでブルースをプレイ。ライヴ本編にも遜色ない充実したギターを聴かせます。本作ではライヴ本編とボーナスのサウンドチェックに至るまで、リッチーにフォーカスした最高のサウンドと演奏を堪能させます。Live at Alrosa Villa, Columbus, Ohio, USA 28th February 1997 TRULY PERFECT SOUND
Disc 1 1. Over The Rainbow 2. Spotlight Kid 3. Long Live Rock 'N' Roll 4. Mistreated 5. Stranger In Us All 6. Difficult To Cure 7. Keyboard Solo 8. Still I'm Sad 9. Drums Solo
Disc 2 1. Member Introduction 2. Man On The Silver Mountain 3. Temple Of The King 4. Black Masquerade 5. Ariel 6. Lazy/Since You Been Gone 7. Perfect Strangers 8. Woman From Tokyo 9. Burn 10 Over The Rainbow
Bonus Tracks 11. Soundcheck #1 12. Soundcheck #2 13. Soundcheck #3 14. Soundcheck #4 15. Soundcheck #5 Ritchie Blackmore - Guitar Doogie White - Vocal Greg Smith - Bass Paul Morris - Keyboards John Micelli - Drums