『WHEELS OF STEEL』『STRONG ARM OF THE LAW』の2連発でNWOBHMの盟主へと登り詰めた1980年のSAXON。その栄光の現場を体験できるライヴアルバムが登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「1980年12月19日ロンドン公演」。伝統の名会場“ハマースミス・オデオン”で記録された極上オーディエンス録音です。本作最大のポイントはショウ内容も激アツ。良い機会でもありますので、まずは3大名盤がひしめく黄金時代の歩みを振り返ってポジションを確かめておきましょう。1980年・1月5日ー4月2日:英国#1(10公演)《4月3日『WHEELS OF STEEL』発売》・4月21日ー6月22日:英国#2(36公演)・7月26日:THE OVER-THE-TOP HM BRAIN DAMAGE MAYHEM PARTY・8月16日ー24日:欧州#1(3公演)《9月1日『STRONG ARM OF THE LAW』発売》・9月11日ー10月19日:北米(22公演)・11月2日ー12月23日:英国#3(32公演) ←★ココ★●1981年・1月23日ー4月6日:欧州#2(24公演)・5月4日ー7日:日本(4公演)・5月15日/6月3日/7月17日:欧州#3(3公演)《10月5日『DENIM AND LEATHER』発売》・10月7日ー12月16日:欧州#4(45公演)これが1980年/1981年のSAXON。『STRONG ARM OF THE LAW』時代と言えば伝説の初来日も思い出深いわけですが、本作のハマースミス公演はその半年前。「英国#3」の30公演目にあたるコンサートでした。そんなショウで記録された本作は、まさに「超」の付く極上オーディエンス。とにかく極太でダイレクト、そして瑞々しい。ヘッドフォンで耳を澄ませばオーディエンス録音の証にも気づきますが、それもあくまで音色止まり。空間感覚の出やすいヴォーカルにしてもスネアにシテも密度たっぷりで距離感もなし。詳しい録音ポジションは明らかになっていませんが、野外でもないのにあまりにも鮮やかなサウンドは、まるでCrazy S.かキニー録音かといった感じです(実際にはどちらでもないようですが)。そんなダイレクト鮮明サウンドで描かれるのは母国イギリスを征服し、世界に羽ばたかんとする若き英雄のフルショウ。彼らの黄金時代と言えば、何はさておいても『THE EAGLE HAS LANDED』とあんるわけですが、本作は(増量された)2006年リマスター盤でも聴けない名曲が楽しめる。ここで比較しながら整理してみましょう。サクソン(3曲+α)・Backs to the Wall(★)/Rainbow Theme/Frozen Rainbow/Stallions of the Highway(★)ホイールズ・オブ・スティール(7曲)・See The Light Shining/747 (Strangers In The Night)/Freeway Mad(★)/Stand Up and Be Counted(★)/Wheels Of Steel/Motorcycle Man/Machine Gun ストロング・アーム・オブ・ザ・ロウ(5曲)・Heavy Metal Thunder/Hungry Years/Strong Arm Of The Law/20,000 Ft./Dallas 1 PM ※注:「★」印は大名盤『THE EAGLE HAS LANDED(の2006年リマスター盤)』でも聴けない曲。……と、このようになっています。デビュー作の「Backs to the Wall」「Stallions of the Highway」も美味しいですが、2大名盤『WHEELS OF STEEL』『STRONG ARM OF THE LAW』もリアルタイムだからこその大盤振る舞い。特に大代表作『WHEELS OF STEEL』からは「Street Fighting Gang」「Suzie Hold On」以外の全曲が披露される濃厚ぶりなのです。そんなセットを演じるパフォーマンスと観客の熱狂こそが素晴らしい。ハマースミス・オデオンは英国バンドの登竜門だったわけですが、その現場に立つSAXONはNWOBHMの体臭をムンムンに発散しつつ、そのダイナミズムはすでに国際級に達している。NWOBHMに名バンドは数あれど、この「コア」と「大物感」の両立ができたのはIRON MAIDENとSAXONだけでしょう。そして、そんな地元の英雄を大合唱で迎えるロンドンっ子の誇らしげな事といったら……。本作は、そんな時代の現場に100%本生サウンドで立ち会えるライヴアルバムなのです。本作は間違いなく黄金時代SAXONの名作ライヴアルバムではありますが、それ以上にNWOBHM最高の現場を体験できるタイムマシンでもあります。これぞ、硬い岩が重金属に生まれ変わっていった徳と場所。あの時代のロンドン、幾多のバンドが目指し、世界へ送り出していったハマースミス・オデオンだからこその薫り。「1980年12月19日ハマースミス・オデオン公演」の極上オーディエンス録音。とにかく極太でダイレクト、そして瑞々しい。空間感覚の出やすいヴォーカルにしてもスネアにシテも密度たっぷりで距離感もなし。それこそCrazy S.かキニー録音のような(実際にはどちらでもないようですが)名録音で大名盤『WHEELS OF STEEL』の全9曲中7曲が大盤振る舞いされるだけでなく、NWOBHM全盛の空気感までもが美味なヒストリカル・アルバムです。Hammersmith Odeon, London, UK 19th December 1980 TRULY PERFECT SOUND(74:50)
1. Intro 2. Heavy Metal Thunder 3. See the Light Shining 4. Backs to the Wall 5. Hungry Years 6. Rainbow Theme / Frozen Rainbow 7. Strong Arm of the Law 8. 20,000 feet 9. 747 Strangers in the Night 10. Freeway Mad 11. Dallas 1pm 12. Stand Up and Be Counted 13. Stallions of the Highway
14. Wheels of Steel 15. Motorcycle Man 16. Machine Gun Biff Byford - Vocals Graham Oliver - Guitar Paul Quinn - Guitar Steve Dawson - Bass Pete Gill - Drums