奇才スティーヴ・ヴァイを迎え、長い歴史でも特異点として知られる『SLIP OF THE TONGUE』時代。オフィシャル化されたドニントン公演では聴けないレア曲も美味しい傑作ライヴアルバムがリリース決定です。そんな本作に吹き込まれているのは「1990年5月9日サンディエゴ公演」。その極上オーディエンス録音です。実は、本作を手掛けたのは「北欧の魔術師」と呼ばれた名録音家「Per Erik」。その秘蔵コレクションからダイレクトにデジタル化された銘品なのです。その気になるクオリティの前に、まずはショウのポジション。『SLIP OF THE TONGUE』に伴う“LIQUOR & POKER World Tour”は日本で終了し、そのままWHITESNAKE解散となったのはご存知の通り。ますは、その歩みから振り返ってみましょう。1989年《11月7日『SLIP OF THE TONGUE』発売》1990年・2月2日ー3月28日:北米#1(34公演)・4月7日ー7月13日:北米#2(62公演)←★ココ★・8月8日ー9月7日:欧州(15公演)←※公式
・9月19日ー26日:日本(5公演)《WHITESNAKE活動停止》これが1989年/1990年のWHITESNAKE。公式化された『LIVE AT DONINGTON 1990』は欧州レッグの記録ですが、ツアーのメインはあくまで北米。本作のサンディエゴ公演はその中盤。「北米#2」の24公演目にあたるコンサートでした。そんなショウで記録された本作は、まさに極上。「Per Erik」の北米録音と言えば、『SLIP IN LAGUNA HILLS』が君臨していますが、本作も勝るとも劣らない。比べるとわずかに距離感があるような気もしますが、それはあくまで好みのレベル。一切のビビり、ノイズがない艶やかさはまったくの互角で、クリアで細やかなディテールは圧倒的。スティーヴ・ヴァイが効かせるワウの揺れまでしっかりと分かり、キラ キラと輝くメタリックSNAKEのアンサンブルが微細部までビビッドに伝わってくるのです。その輝きのサウンドで描かれるのは、公式盤『LIVE AT DONINGTON 1990』とは似て非なる北米ならではのフルショウ。その意味を理解するには、セットを比較するのが一番。さっそく見てみましょう。スライド・イット・イン(2曲)・Slide It In/Slow An' Easy サーペンス・アルバス(6曲)・Is This Love/Crying In The Rain/Here I Go Again/Bad Boys/Give Me All Your Love(★)/Still Of The Night スリップ・オブ・ザ・タング(6曲)
・Slip Of The Tongue/Judgement Day/Kittens Got Claws/The Deeper The Love(★)/Cheap An' Nasty/Fool For Your Loving ※注;「★」印は公式盤『LIVE AT DONINGTON 1990』では聴けない曲。……と、このようになっています。このツアー限定で再始動後は演奏していない「Slip Of The Tongue」「Kittens Got Claws」「Cheap An' Nasty」も美味しいですが、それ以上なのが『LIVE AT DONINGTON 1990』で聴けない2曲。特にスティーヴ・ヴァイの独自ソロが圧倒的な「Give Me All Your Love」は一切のサウンドボードが残されておらず、「1990年の北米録音」を追い求める音源マニアを育ててきたキー・ナンバー。本作は、そんな貴重曲を魔術師サウンドで楽しめるライヴアルバムなのです。当時は賛否が真っ二つに割れ、時代を経るごとに再評価が高まっていったスティーヴ・ヴァイ時代。その後のコピー重視な再始動WHITESNAKEに慣れた耳には、生演奏版の『SLIP OF THE TONGUE』ナンバーは貴重ですし、過去レパートリーの生まれ変わり具合も鮮烈。もっと言えば、自作曲では個性が強すぎるヴァイ節を普通スタイルのメタルソングで楽しめる音楽アルバムでもあるわけです。しかも、本作に詰まっているのは公式『LIVE AT DONINGTON 1990』や日本公演とも違う「北米」レッグ。スティーヴ・ヴァイ時代の極上オーディエンス録音がリリース。名手Per Erikの秘蔵コレクションで、公式『LIVE AT DONINGTON 1990』では聴けない「The Deeper The Love」やヴァイ版「 Give Me All Your Love」も楽しめます。Sports Arena, San Diego, CA. USA 9th May 1990 PERFECT SOUND
Disc 1(45:18) 1. Introduction 2. Slip Of The Tongue 3. Slide It In 4. Judgment Day 5. Slow An' Easy 6. Is This Love 7. Kitten's Got Claws 8. Adrian Vandenberg Solo
Disc 2(66:43) 1. The Deeper The Love 2. Cheap An' Nasty 3. Crying In The Rain 4. Tommy Aldridge Solo 5. Crying In The Rain(reprise) 6. Fool For Your Loving 7. Steve Vai Solo 8. Here I Go Again 9. Bad Boys 10. Give Me All Your Love 11. Still Of The Night 12. We Wish You Well
David Coverdale - Vocals Steve Vai - Guitar Adrian Vandenberg - Guitar Rudy Sarzo - Bass Tommy Aldridge - Drums