コンセプトアルバムの金字塔にして、音楽ジャンル“プログレメタル”の最高傑作でもある『METROPOLIS Pt.2: SCENES FROM A MEMORY』。その日本公演を極上体験できる驚異のオリジナル録音が登場です。そんな本作に刻まれているのは「2000年5月8日ダイヤモンドホール公演」。その超絶級オーディエンス録音です。冒頭から「最高作はIMAGES AND WORDSだろ!」お叱りを受けそうな書き出しをしてしまいましたが、そこはツイン・ピークスということでご容赦いただきまして、当時のショウが類い希なる物語再現ツアーだった事に異論を挟む方はいないでしょう。普段なら来日物は日本公演だけに絞り込んだ日程でご紹介するのですが、良い機会でもありますので世紀の物語ツアー全景から振り返ってみましょう。1999年・7月31日:Triport Rock Festival出演《10月26日『METROPOLIS Pt.2』発売》・11月8日ー24日:欧州#1(13公演)2000年・1月31日ー3月10日:北米#1(30公演)・3月24日ー4月20日:欧州#2(20公演)
・5月6日ー20日:アジア(9公演) ←★ココ★・7月8日ー23日:欧州#3(10公演)・8月4日ー30日:北米#2(19公演)←※公式・10月2日ー21日:欧州#4(15公演)これが歴史に名高い“METROPOLIS 2000 Tour”の全体像。象徴作である公式ライヴ作『LIVE SCENES FROM NEW YORK』は終盤「北米32」の最終日でしたが、「アジア」レッグはその約4ヶ月前。「韓国(1公演)→日本(7公演)→台湾(1公演)」という構成で、本作音名古屋公演は来日初日にあらるコンサートでした。そんなショウで記録された本作は、まさに「超」の付く極上のオーディエンス録音。最近の当店では名古屋近辺のDATマスターが次々と発掘されておりますが、本作もその中の1本。とにかく微細部まで鮮やかに透き通ったクリアさと鮮やかな芯が素晴らしい。ヘッドフォンで耳を澄ませばオーディエンスらしい感触も宿ってはいるのですが、それはあくまでも音色止まり。ホール鳴りもリアルな演奏音に厚みとダイナミズムを与えるだけでディテールを(微塵も!)隠さない。4人の妙技が絡み合うアンサンブルも綺麗にセパレートしており、そこにライブリエのヴォーカルやポートノイのコーラスが載り、さらに物語ムードを書き立てるSEまで被っても混ざり合わない……という空間録音の常識外となる超クッキリ・サウンドなのです。今し方、サラッと「4人の妙技」と書きましたが、これがただ事ではない。ご存知の通り1人ひとりが凄まじい手数の化け物プレーヤーですし、線の細いクリーントーンというわけでもない。その4人がバトル・フレーズを絡み合ってぶつけ合っても混じらない。マルチトラックのサウンドボードなら分かりますが、本当に1本のマイクで録音したんだろうか?と頭の中に「?」が渦巻くのです。さらに驚きなのは、その妙技に盛大な喝采が沸き起こっても、それが異様に遠い。「わぁー!」という大歓声がぶっとい演奏音の向こう側で鳴っている感覚でして、ビシッと揃った手拍子隊も極太ドラミングを挟んだ反対側にいるように感じられる。チケット写真を掲載した通り、実際には観客席録音(のハズ)なのですが、サウンド自体はまるでステージ裏からショウを聴いているような錯覚に陥るのです。そんな異次元サウンドで描かれるのは『LIVE SCENES FROM NEW YORK』とはまたひと味違った物語コンサートの一部始終。もちろん、軸となるのは『METROPOLIS Pt.2』完全再現ですが、その後のアンコールパートはかなり違います。ここで比較しながら整理してみましょう。第一部:メトロポリス・パート2(全曲)第二部:その他・イメージズ・アンド・ワーズ・メドレー(★:Pull Me Under/Under A Glass Moon/A Fortune In Lies/Only A Matter Of Time/Take The Time)・アウェイク:Erotomania・フォーリング・イントゥ・インフィニティ:Peruvian Skies(★)・リキッド・テンション・エクスペリメント:Paradigm Shift ※注:「★」印は公式盤『LIVE SCENES FROM NEW YORK』で聴けない曲。……と、このようになっています。とにかく圧巻なのは『METROPOLIS Pt.2』完全再現。その歴史的なドラマティシズムは凄まじく、オーディエンスだけの現場感で聴くとまた感動もひとしお。全編語るのはさすがに避けますが、どうしても触れておきたいのはエンディング・パート。圧倒的なカタルシスの津波で会場中を洗い流すのですが、その直後に流れる足音SEもムード満点。1音たりとも聞き逃すまいという静けさが現場を覆い、ホワイトノイズでやっと我に返ったような手拍子が起こる。そして、いっきに弛緩したリラックス・ムードになり、ポートノイが「おしっこしたーい!」と日本語でボケをかます。この一連の流れこそ、世紀の物語が目の前で終わったという空気感。ハリウッドの超大作映画を見終わった後、「今、観たのは現実なんだろうか」という半ば茫然とした感覚を味わった事があると思いますが、本作もその現場感覚を超リアル体験できるのです。そして、『LIVE SCENES FROM NEW YORK』と一番違いのは、その後。公式ライヴ盤では前作にあたる「Metropolis Pt.1」を皮切りに多種多彩な曲を演奏していきましたが、あれは最終日&公式収録があればこその荒技。ここではツアーの一幕らしく、2nd/3rd/4th/LTEから代表パートを1曲ずつ取り上げています。その中でもひと際美味しいのがラストに披露される『IMAGES AND WORDS』メドレー。あくまで「Metropolis Pt.1」は外しつつ、5曲のエッセンスを約17分に圧縮している。「Metropolis」世界は本編だけに留めるバランス感覚も「それ以外」を一気に固める濃厚なアレンジもメチャクチャ効果的。当時の彼らは、何をやっても上手くいく。そんな女神の微笑みパワーさえ感じさせるエンディングを迎えるのです。『トミー』も『眩惑のブロードウェイ』も『ザ・ウォール』も体験できなかった日本。その私たちにとって1991年の『OPERATION: MINDCRIME』再現と2000年の『METROPOLIS Pt.2』は、物語コンサートの醍醐味を教えてくれる存在だったかも知れません。その現場を超クリア・サウンドで現場体験できる希代のオリジナル録音。「2000年5月8日ダイヤモンドホール公演」の超絶級オーディエンス録音。本作だけのオリジナルDATマスターで、微細部まで鮮やかに透き通ったクリアさと鮮やかな芯が素晴らしい。ホール鳴りもリアルな演奏音に厚みとダイナミズムを与えるだけでディテールを隠さない。4人の妙技が絡み合うアンサンブルも綺麗にセパレートしており、そこにライブリエのヴォーカルやポートノイのコーラスが載り、さらに物語ムードを書き立てるSEまで被っても混ざり合わない……という空間録音の常識外となる超クッキリ・サウンドです。『METROPOLIS Pt.2』の日本初披露という歴史的な現場を超カタルシス・サウンドで味わい尽くせる超名盤です。
Live at Club Diamond Hall, Nagoya, Japan 8th May 2000 ULTIMATE SOUND(from Original Masters)*New Source!!
Disc 1 (78:58) Metropolis Pt. 2: Scenes From a Memory 1. Act I: Scene One: Regression 2. Act I: Scene Two: I. Overture 1928 3. Act I: Scene Two: II. Strange Deja Vu 4. Act I: Scene Three: I. Through My Words 5. Act I: Scene Three: II. Fatal Tragedy
6. Act I: Scene Four: Beyond This Life 7. Act I: Scene Five: Through Her Eyes 8. Act II: Scene Six: Home 9. Act II: Scene Seven: I. The Dance of Eternity 10. Act II: Scene Seven: II. One Last Time 11. Act II: Scene Eight: The Spirit Carries On
Disc 2 (47:28) 1. Act II: Scene Nine: Finally Free 2. Peruvian Skies 3. Erotomania 4. Paradigm Shift 5. When Images and Words Unite Medley (Pull Me Under, Under a Glass Moon, A Fortune in Lies, Only a Matter of Time, Take the Time)
James LaBrie - lead vocals John Petrucci - guitar Jordan Rudess - keyboards John Myung - bass Mike Portnoy - drums