ギター革命の衝撃を極東まで届けてくれたALCATRAZZ伝説の初来日。その現場を現代に伝える初登場オリジナル録音が新発掘。そんな本作に刻まれているのは「1984年1月29日:中野サンプラザ公演(昼の部)」。その極上オーディエンス録音です。ALCATRAZZ初来日と言えば、何をさておいても公式『METALLIC LIVE '84』が象徴となっているわけですが、本作は同じ中野サンプラザではあっても完全に別公演。まずは、当時のスケジュールからショウのポジションを確かめてみましょう。・1月24日:大阪フェスティバルホール・1月26日:名古屋市公会堂・1月28日:中野サンプラザ ←※公式METALLIC LIVE・1月29日:中野サンプラザ(昼) ←★本作★・1月29日:中野サンプラザ(夜)以上、全5公演。中野サンプラザでは2日間で3公演が行われ、公式映像『METALLIC LIVE '84』はその初日公演でした。本作は1日2回だった“1月29日”でも昼公演にあたるコンサートでした。このショウは以前『FEEL KREE』でご紹介した事もありますが、本作はまったくの別人による別録音です。そして、そのサウンドは鮮やかなダイレクト感に目も醒めるクリア録音。録音家本人から譲られた初登場マスターなのですが、とにかくオンな芯が目の前にグイグイと迫り、細部の細部まで超・鮮やか。音色的にサウンドボードと間違える事はないのですが、クリアさとダイレクト感はそんじょそこらのFM放送委も負けないレベル。距離感の否めなかった『FEEL KREE』とは比較にならない……と言いますか、次元が違います。しかも、肝心要のギターとヴォーカルのサウンドが特に凄い。ヴォーカルは歌詞の一語どころか完全に息づかいレベルで、ちょっと下ヴィヴラートの揺れから一息一息の強さまでハッキリ。全力の歌い上げでは飛び散るツバまで目に浮かびそうです。さらにギター。イングヴェイは常に弾きまくりの弾き倒し人生を歩んでいますが、当時の彼は弱冠二十歳。速射フレーズの速さも、粒立ちも、滑らかさも、他のいかなる時期よりも強烈。その一粒一粒がクッキリと際立っており、どれだけ加速しようともまったく潰れも濁りもしないのです。彼自身が塗り替えた基準に馴染み抜いた現代の耳でも、やはり恐ろしくなるほどの技術とクリスタル・クリアなメロディに心がトロけてしまうのです。そのサウンドの要因は何より録音家の技術にあるわけですが、本作の場合はそれだけではない。実は録音ポジションも「1階8列目」という特等席。ステージに近いからこそPAの出音をダイレクトに拾っており、会場反響が回り込むほど近すぎもしない。まさに「録音のためのベスト・シート」から捉えられたサウンドなのです。そんな超クリア・サウンドで描かれるのは、日本洋楽史の事件でもあったALCATRAZZ初来日のフルショウ。ざっくばらんに言ってセットは公式盤『LIVE IN JAPAN 1984 (Complete Edition)』と同一だったりもするのですが、良い機会でもありますのでここで整理しておきましょう。ノー・パロール・フロム・ロックン・ロール(7曲)・Too Young To Die, Too Drunk To Live/Hiroshima Mon Amour/Big Foot/Island In The Sun/Kree Nakoorie/Suffer Me/Jet To Jet グラハムのクラシックス(5曲)・レインボー:Since You Been Gone/All Night Long/Lost In Hollywood・ソロ:Night Games・MSG:Desert Song その他(3曲+α)・カバー:Kojo No Tsuki/Something Else・その他:Coming Bach/Evil Eye ……と、このようになっています。もはや解説不要な名曲の宝石箱なわけですが、ポイントなのは上記を1音漏らさず完全収録している事。1984年ですから当然カセット録音であり、そうなるとテープチェンジの欠けは宿命になります。もちろん、本作でもカットはあるわけですが、それがことごとく曲間やアンコール待ちのタイミングで、演奏音に欠けがないのです。そして、セットは同じでもそれを綴るパフォーマンスはまるで違う。公式映像では評判の良くなかったグラハムもこの日はだいぶ復調。先日リリースされた『DEFINITIVE RESEDA 1983』のような超人ぶりには届かないまでも、実にパワフルで「Hiroshima Mon Amour」や「Kree Nakoorie」のような難曲も見事に歌い上げる。そして何と言ってもイングヴェイ! 「同じソロは二度弾かない」と豪語するインプロヴァイズの鬼ですが、この日はALCATRAZZ初来日でもベストと言われる凄まじい名演が繰り広げられている。瞬間の閃きに輝くフレーズは「指グセはないのか!?」と思うほど多彩で、インプロならではのスリルを湛えながら事前に練り込まれていたかのように美しい。例えば、ゲイリー・ムーアも全公演で異なるインプロヴァイザーでしたが、その大半は速射とロングトーンの組み合わせ方で票寿を変えていました。ところが、ALCATRAZZ時代のイングヴェイはフレーズそのものが全公演でまるで異なり、まったく違う曲を弾いているかのよう。「Too Young To Die, Too Drunk To Live」「Hiroshima Mon Amour」のイントロや「Lost In Hollywood」のソロ等、苛烈な弾き倒しでありながらフレーズ自体は曲にぴったりとハマり、魅力を数段引き上げている。しかも本作のサウンドは、そんなギターにフォーカスされており、後のイングヴェイ本人ですら戻れない孤高の弾き倒しを余すところなく楽しませてくれるのです。それにしても37年も経って、これほどの名録音が飛び出してこようとは。演奏自体は『FEEL KREE』自体で耳タコだったハズなのですが、本作の超クリア・サウンドで聴くと輝きがまるで違って聞こえる。1公演でも1曲でも聴き逃せない「二十歳のイングヴェイ・マルムスティーン」を極上サウンドでフル体験できる新名盤。伝説の初来日「1984年1月29日:中野サンプラザ公演(昼の部)」の極上オーディエンス録音。全世界初公開となるオリジナル録音で、とにかくオンな芯が目の前にグイグイと迫り、細部の細部まで超・鮮やか。クリアさとダイレクト感はそんじょそこらのFM放送委も負けないレベルで、特に肝心要のギターとヴォーカルのサウンドが強烈。ヴォーカルは歌詞の一語どころか完全に息づかいレベルで、ギターは苛烈な速射がいかに加速しようとも一粒一粒がクッキリと際立っている。公式盤『LIVE IN JAPAN 1984 (Complete Edition)』とはまるで違うインプロの数々も輝きのサウンドでフル体験できます。Live at Nakano Sunplaza, Tokyo, Japan 29th January 1984 Afternoon Show TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)★驚異の初登場音源!! (79:56)
1. Introduction (Incubus) 2. Too Young To Die, Too Drunk To Live 3. Hiroshima Mon Amour 4. Night Games 5. Big Foot 6. Island In The Sun 7. Kree Nakoorie 8. Guitar Solo incl. Coming Bach 9. Since You Been Gone 10. Suffer Me 11. Desert Song 12. Jet To Jet 13. Evil Eye
14. Band Introductions 15. All Night Long 16. Lost In Hollywood 17. Kojo No Tsuki 18. Something Else Graham Bonnet - Vocals Yngwie Malmsteen - Guitar Gary Shea - Bass Jan Uvena - Drums Jimmy Waldo - Keyboards