グレン・ヒューズをゲストに迎え、HTP旗揚げの呼び水ともなったジョー・リン・ターナー2000年の来日公演。そのフルショウを体験できる秘蔵オリジナル録音が登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「2000年10月19日:名古屋BOTTOM LINE公演」。その極上オーディエンス録音です。HTPでの正式な来日は2002年と2004年でしたが、それに先立つ2000年にはジョーの『HOLY MAN』に伴うソロ来日が実現。そこにグレンが招かれ、「プレHTP」と言うべきショウが繰り広げられたのです。その模様を名作『OSAKA 2000』でご紹介してきましたが、本作はその第二弾とも言うべきライヴアルバムなのです。ここで当時のスケジュールも振り返っておきましょう。・10月18日:梅田HEAT BEAT←※OSAKA 2000・10月19日:名古屋BOTTOM LINE ←★本作★・10月21日:渋谷ON AIR EAST・10月22日:渋谷ON AIR EAST 以上、全4公演。『OSAKA 2000』は世紀の共演が実現した初日公演だったわけですが、本作の名古屋公演はそれに続く2日目のステージでした。そして、その現場を真空パックした本作は超ビビッドな強力オーディエンス。最近、当店で連続発掘されている名古屋系DATマスターの1つなのですが、とにかく芯が極太。ヴォーカルの伸びに空間感覚が感じられはするものの、オーディエンスらしさと言えばそれくらい。荒縄のようにぶっとい芯が目の前にグイグイと突きつけられ、ビビリ寸前のド迫力で迫ってくる。さらに素晴らしいのは、それだけパワフルでもディテールが潰れずに綺麗に整っている事。ギターもキーボードもリズム隊もキッチリとセパレートし、タッチやヴァイヴまで鮮明に聴き取れる。まさに狭い“THE BOTTOM LINE”空間をそっくりそのままCD2枚に封じ込めたような密室サウンドなのです。そんなダイレクト・サウンドで描かれるのは、両雄が並び立ち、DEEP PURPLE/RAINBOWの伝統を受け継ぐフルショウ。ただし、このツアーはあくまでジョーのソロ公演が土台ですので、後のHTPとはちょっと配分が異なる。ここでその内容も整理しておきましょう。ジョー側レパートリー(11曲)・レインボー:Death Alley Driver/I Surrender/Street Of Dreams/Spotlight Kid・パープル:King Of Dreams・ソロ:Holy Man/Anything/No Room For Love/No Salvation/Midnight In Tokyo/Too Blue To Sing The Blues グレン側レパートリー(5曲)
・パープル:You Keep On Moving/Might Just Take Your Life/Burn・サバス:No Stranger To Love・ソロ:The State I'm In その他(1曲)・Smoke On The Waterこのようになっています。両者がほぼ対等だったHTPに比べるとジョーの配分が多くなっていますが、元々がジョーのソロ来日だった事を考えれば、グレンの曲も破格……というバランス。ジョーのソロ曲は「No Room For Love」だけが『HURRY UP AND WAIT』で、残りはすべて『HOLY MAN』ナンバーです。また、ショウ構成はジョー公演のド真ん中にグレン・コーナーを挟み込んだスタイルでした。新旧の名曲群も美味しいのですが、やはり最大のポイントはグレン&ジョーの声が重なり合うハーモニー。基本的に相手の持ち曲ではコーラスに回るわけですが、これがデュエット一歩手前のようなフィーチュア度で最高に美味いのです。ジョーの「King Of Dreams」は「もし第6期パープルにグレンもいたら……」と妄想したくなる出来ですし、「Holly Man」「Street Of Dreams」もただのコーラスでは済まない大活躍。そして、白眉なのが「You Keep On Moving」「Might Just Take Your Life」。前者は基本的にはグレンがメインではあるものの、ジョーもたっぷりとハーモニーを重ね、一部はリードも執る。終盤ではヴォーカル同士のインプロ合戦まで聴かせてくれるのです(まだこなれず、交代のタイミングを見誤るのも微笑ましかったりします)。そして「Might Just Take Your Life」では完全に第3期再現となるツイン・スタイルです。もちろん、最終盤の「Burn」&「Smoke On The Water」も必聴。カヴァデール/ヒューズとは配分やパートが異なりつつ、やはり2人が歌い分けるデュエット・バージョンになっている。まさにHTPの予告編とも言うべき素晴らしい唱和を聞かせてくれるのです。第3期・第4期パープルの再現を謳いつつ、声質の相性の良さではさらに上を行っていたジョー・リン・ターナー&グレン・ヒューズ。2000年の来日公演が素晴らしかったからこそ、HTPは誕生した。本作は、その音の証拠となるフル・ライヴアルバムなのです。柔軟なジョーは元より、頑固なグレンも納得したクラシック・ロックの桃源郷。「2000年10月19日:名古屋BOTTOM LINE公演」の極上オーディエンス録音。オリジナルのDATマスターからダイレクトにデジタル化されたサウンドは、荒縄のようにぶっとい芯が目の前にグイグイと突きつけられ、ビビリ寸前のド迫力で迫ってくる。それだけパワフルでもディテールが潰れずに綺麗に整っており、ギターもキーボードもリズム隊もキッチリとセパレートし、タッチやヴァイヴまで鮮明に聴き取れる。まさに狭い“THE BOTTOM LINE”空間をそっくりそのままCDに封じ込めたような密室サウンドです。HTPの原形でありつつ、両雄のソロ曲もたっぷりのフルショウを楽しめるライヴアルバムです。Live at THE BOTTOM LINE, Nagoya, Japan 19th October 2000 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)
Disc 1 (55:01) 1. Intro 2. Death Alley Driver 3. I Surrender 4. Holly Man 5. Anything 6. King Of Dreams 7. No Room For Love 8. No Salvation 9. Band Introductions 10. No Stranger To Love 11. The State I'm In
Disc 2 (57:02) 1. You Keep On Moving 2. Might Just Take Your Life 3. Street Of Dreams 4. Midnight In Tokyo 5. Spotlight Kid 6. Burn 7. Too Blue To Sing The Blues 8. Smoke On The Water