ヘヴィメタル暗黒時代に快作『CRYPTIC WRITINGS』を送り出した1997年のMEGADETH。その極上サウンドボード・アルバムが登場です。そんな本作に記録されているのは「1997年8月8日シカゴ公演」。そのステレオ・サウンドボード録音です。“CRYPTIC WRITINGS Tour”と言えば、二度の来日公演が実現するほどの人気絶頂時代でありつつ、同時にニック・メンザの離脱で黄金ラインナップが崩れてしまった時期でもありました。それだけに、ライヴ日程は細かい時期が非常に重要。『DEFINITIVE BUENOS AIRES 1995+1997』や『ROCHESTER 1998』といった名作群がお馴染みでもありますので、まずは当時のスケジュールからそれぞれのポジションを確かめておきましょう。1997年・6月10日+13日:北米#1(2公演)《6月17日『CRYPTIC WRITINGS』発売》・6月21日-7月13日:欧州#1(14公演)・7月24日-9月17日:北米#2(40公演)←★本作★・9月29日-10月31日:欧州#2(24公演)・11月14日-30日:日本#1(11公演)・12月5日-31日:南米#1/北米#3a(14公演)←※DEFINITIVE BUENOS AIRES 1998年・1月2日-29日:北米#3b(18公演)・2月23日-4月21日:北米#4(34公演)←※ROCHESTER 1998・5月9日-6月9日:北米#5a(9公演)《6月10日:メンザ離脱→デグラッソ代役参加》・6月10日-7月7日:北米#5b(22公演)《7月8日:ジミー・デグラッソ正式加入》・7月8日-8月15日:北米#5c(24公演)・9月17日-10月4日:南米#2(9公演)←※CRYPTIC MONSTERS・11月14日-23日:韓国/日本#2(7公演)・12月30日+31日:フェニックス(2公演)これが1997年/1998年のMEGADETH。ニックの離脱は1998年6月の出来事でしたが、本作のシカゴ公演はその約1年前。まだ“黄金の4人(Wデイヴ/マーティ/ニック)”がしっかりと揃った「北米#2」の12公演目にあたるコンサートでした。このショウはFM放送された事でも知られ、古くからそのエアチェックが“CRYPTIC WRITINGS Tour”の代表作とされてきました。本作は同じFMサウンドボードでありつつ、その最高峰となるもの。何しろ、本作の元になっているのはエアチェックではなく、その大元。“WESTWOOD ONE”の放送原盤CDなのです。1997年には放送原盤もアナログLPからCDに移行しており、本作はその現物からロスレスで復刻したものなのです。そのクオリティは、まさに「完全オフィシャル級」。MEGADETHコンプリターからも最高評価を得ているのです。実のところ、マーティ/ニック時代で最高評価されているのは公式サウンドボード2本と超名盤『DEFINITIVE BUENOS AIRES 1995+1997』、それに本作のプレFMマスターの計5本だけ(厳密に言いますとアンプラグド物なら他にもありますが)。いかに本作のサウンドが超極上なのかがご理解頂けると思います。しかも、本作は原音にあった「Trust」のノイズも補整されたパーフェクト版。まさにMEGADETH史に残る大傑作なのです。それだけの傑作でありつつ、なぜShadesレーベルなのか。そこにも理由があります。既発を体験された方ならピンと来ると思いますが、実はこの放送はミックスが少々独特でして、特にツイン・ギターの片方がやや引っ込み気味。別に聞こえないほどではないのですが、アンバランスなのは否めないのです。そんな「惜しい!」極上サウンドボードで描かれるのは、最高傑作『DEFINITIVE BUENOS AIRES 1995+1997』とも異なるフルショウ。ここで比較しながらセットを整理しておきましょう。80年代(3曲)・ピース・セルズ:Wake Up Dead/Peace Sells・ソー・ファー・ソー・グッド:In My Darkest Hour 90年代(11曲)・ラスト・イン・ピース:Holy Wars... The Punishment Due/Hangar 18
・破滅へのカウントダウン:Sweating Bullets/Symphony Of Destruction・ユースアネイジア:Reckoning Day・クリプティック・ライティング;Sin/She-Wolf/Almost Honest/Use The Man(★)/Trust/FFF(★)・その他:Angry Again ※注:「★」印は『DEFINITIVE BUENOS AIRES 1995+1997』では聴けない曲。……と、このようになっています。演奏自体は“あの4人”なのですから、最高で当然。その上で美味しいのは『DEFINITIVE BUENOS AIRES 1995+1997』で聴けない「Use The Man」「FFF」でしょう。特に「FFF」は、もう1つの傑作『ROCHESTER 1998』でも聴けなかったレパートリー。「メガデス版Motorbreath」と言われた名曲を極上サウンドボードで聴けますし、「Peace Sells」で挟み込んだアレンジも極めて貴重です。2004年の再始動以降、MEGADETHも折に触れてライヴ作品を出すようになったわけですが、本当ならマーティ&ニックも揃った“あの4人”時代にレギュラー・リリースするべきでした。その乾きを癒す最高作は『DEFINITIVE BUENOS AIRES 1995+1997』ですが、本作はそれに次ぐ第二の傑作。オールド・スラッシャーも生唾を飲む「FFF」入りの極上サウンドボード・アルバム。「1997年8月8日シカゴ公演」のステレオ・サウンドボード録音。WESTWOOD ONEの放送原盤CDからロスレスで起こされた究極盤で、サウンド・クオリティは完全オフィシャル級。唯一ノイズのあった「Trust」もマスタリングで完全修復し、最高傑作『DEFINITIVE BUENOS AIRES 1995+1997』でも聴けない「Use The Man」「FFF」も美味しい黄金の4人(ムステイン/エレフソン/マーティ/ニック)のフルライヴを楽しめます。Aragon Ballroom, Chicago, IL, USA 8th August 1997 STEREO SBD (69:03)
1. Holy Wars... The Punishment Due 2. Wake Up Dead 3. Sin 4. Reckoning Day 5. Hangar 18 6. Angry Again 7. She-Wolf 8. Almost Honest 9. In My Darkest Hour 10. Use The Man 11. Trust 12. Sweating Bullets 13. Symphony Of Destruction 14. Peace Sells 15. FFF 16. Peace Sells (reprise)
STEREO SOUNDBOARD RECORDING Dave Mustaine - Guitar, Vocals Marty Friedman - Guitar, Backing Vocals David Ellefson - Bass, Backing Vocals Nick Menza - Drums