今回リリースするバビロン・ツアーの第二弾は1998年の定番音源であるサン・ディエゴの放送用音源。このライブはアメリカで大物コンサートのラジオ放送を行うことでで知られる放送局ウエストウッド・ワンによって収録された後で放送されています。ラジオ音源のステレオ・サウンドボード録音という性質上、放送された直後から様々なアイテムを生み出しました。その中でもVGPの「STONED IN SAN DIEGO 1998」やいかにも90年代末らしい、派手めなイコライズに仕上げられたダンデライオンの「SAN DIEGO ‘98」などが代表的なタイトルとして知られていました。特に前者は初回のエアチェック音源から改めて放送用ディスクを元に出し直されたセカンド・バージョンがこの音源のベストとなっています。リリースに関しては例の放送用ディスクを元にした最高音質バージョンをリリースしたところ、その高音質ぶりが思わぬ好評を呼んだことから今回のリリース昇格へと相成りました。「STONED IN~」の時点で既に最高音質のアイテムが存在しており、何より元が放送用音源ディスクということから劇的にアッパーな音質の変化というほどのレベルには至りません。しかしノン・イコライズなストレートにラジオショウ・ディスクからの収録による最高音質はやはり素晴らしく、来日公演を控えていたストーンズの素晴らしい演奏を完璧なステレオ・サウンドボード録音にて楽しめる定番音源の新スタンダード・アイテムとなることでしょう。バビロン・ツアーの98年行程はミックが風邪をひいてしまったことによるスケジュールの仕切り直しから始まっています。それでも1月には以降の恒例行事となるマディソン・スクエア・ガーデンでの連続公演、さらには1973年以来となるハワイでの公演(当然ながら日本人が多数訪れました)といった話題のある公演で幕を明けています。それらの公演では「BRIDGES TO BABYLON」のさらなるプロモーションを兼ねて、それまでライブで演奏されていなかったアルバム収録曲が演奏されたり、さらに過去の珍しいナンバーが演奏されていたことも話題を呼んだのですが、2月に入って最初のライブであるサン・ディエゴではそれらの試みが一段落し、ラジオ収録を意識した通常営業のモードへ戻ったように感じられます。その余裕はバビロン・ツアーを代表する一曲でもあった「Flip The Switch」で炸裂しました。ミックが病み上がりだった1月と比べても激しさを取り戻した演奏が素晴らしく、それがこの日のライブの内容を要約しているかのようでもあります。よく知られているようにこの放送音源はエコー強めなどんよりアンクリアーな状態で放送されたのですが(さすがに94年のニューオリンズよりはずっとまともですが…)、それでもこの演奏の破壊力はスポイルされていません。それにこの曲でもそうなのですが、キースは「Wanna Hold You」でもコードを押さえ間違えるなど、一瞬のミスが散見されます。それでも編集されることなく放送されたのだから面白いですよね。むしろ勢い余ったハプニングに過ぎず、演奏の印象を悪くするほどのものではなかったからでしょうか。先のエコーに包まれた状態だけでなく、ウエストウッド・ワンのライブ放送固有の現象としてライブの間数か所でナレーションが入り、そこからコマーシャル・ブレイクへと移っています。過去のアイテムと同様、今回もコマーシャルに関してはすべてカットした上で収録していますが、随所で入るアナウンスに関してはそのままの状態となっています。しかも過去のアイテムではカットされていた、オープニングにおけるキースのちょっとしたインタビューがBGMの「Low Down」と共に収録されています。こうした点はストーンズの数あるラジオ放送ライブの中でも異端と言える存在かもしれませんが、今回はもっとも放送に忠実な形で収録され、その上で最高音質のステレオ・サウンドボード録音です!Live at Qualcomm Stadium, San Diego, California, USA 3rd February 1998 STEREO SBD
Disc 1(50:35) 1. Intro / Interview - Keith Richards 2. Announcement 3. Opening SE 4. Satisfaction 5. Let's Spend The Night Together 6. Flip The Switch 7. Gimme Shelter 8. Announcement 9. Ruby Tuesday 10. Saint Of Me 11. Out Of Control 12. Memory Motel
Disc 2(76:49) 1. Announcement 2. Miss You 3. Band Introductions 4. Thief In The Night 5. Wanna Hold You 6. Little Queenie 7. The Last Time 8. Mick MC 9. Like A Rolling Stone 10. Announcement 11. Sympathy For The Devil 12. Tumbling Dice 13. Honky Tonk Women 14. Start Me Up
15. Jumping Jack Flash 16. Announcement 17. Brown Sugar 18. End Of Show Announcement/Last Words from Keith Richards & Mick Jagger STEREO SOUNDBOARD RECORDING