エリック・クラプトン、1975年ジャパン・ツアーの未公開オリジナルマスターをまたも新発掘!エリック・クラプトンの1975年ジャパン・ツアー大阪公演初日の素晴らしい音源を44年ぶりに発掘し、「Osaka 1975 1st Night」(4CD)としてリリース致しました。その結果、オーダーいただいたお客様には、これまで断片的にしか知ることのできなかった初日公演の全貌とこの年いかにクラプトンが初日から「キレ」ていたかを知っていただき、喜んでいただきました。それに先立ち、当店は2015年にこの年の東京公演初日の新音源を40年ぶりに発掘し、「Budokan 1975 1st Night」(2CD)としてリリースしておりました。翌日の東京最終公演の優良オリジナル音源も「Lord Have Mercy」(2CD)としてリリースしております。そうなるとさすがに「もう新マスターは出てこないだろう、まあこれだけ出てくればこれで十分」と誰もが思っていた中、1975年11月1日、東京公演初日の新たなオーディエンス録音マスターを当店が発掘したのです!提供者は、先日リリースされこの日の決定盤と評された、同年のジェフ・ベック後楽園公演「WORLD ROCK FESTIVAL EASTLAND: DEFINITIVE MASTER」の録音者で、このベックのマスターを提供いただき、マスタリングが落ち着いた頃、ひょんなことから「この年のクラプトンもありますよ」と出されたのがSONY C120HFカセットテープだったのです。では、このジャパン・ツアーの日程を再度確認しておきましょう(「←」は当店からリリースのタイトルです)。1975年10月22日-大阪フェスティバルホール ←「Osaka 1975 1st Night(4CD)」1975年10月23日-大阪フェスティバルホール ←「Osaka 1975 2nd Night(2CD)」1975年10月24日-京都会館第一ホール1975年10月27日-北九州市総合体育館1975年10月29日-静岡県駿府会館1975年11月1日-日本武道館 ←【本作】、「Budokan 1975 1st Night(2CD)」1975年11月2日-日本武道館 ←「Lord Have Mercy(2CD)」この日は既に決定版と言える「Budokan 1975 1st Night(2CD)」が存在するわけで、本作のマスターはさすがにその音質を上回るというところまではいきませんでしたそれは「マスターカセットに収められた当日の雰囲気・リアル感・空気感」ゆえだったのです。もちろんモノラル録音ながら音質が充分クリアで拡がりもあり、サウンドバランスの良いものだったことも前提でした。既発盤に比べ、本マスターに捉えられているオープニングからのオーディエンスの盛り上がり具合は他作にはない「異様な」ものです。録音者の周りには、恐らく彼の友人とおぼしき若い男女が7人ほどおられたようで、開演を待つ中での会話のワクワク感、バンドメンバーとともにクラプトンが登場してきた時の高揚感、ウドー音楽事務所スタッフの開演アナウンスを聞いてのレスポンス、1曲目のLaylaが始まる寸前に男性が叫ぶ「テレキャスター!」という言葉。まるでジャニーズ系のアイドルに向けるような、若い女性のヒステリックな「エリックー!」という叫び。枯淡の境地に達した現在のクラプトンを迎える武道館とはまったく違う反応が1975年11月1日の武道館で起こっていたのです。それもそのはず、当時クラプトンはまだ30歳という若さ。現われたクラプトンのルックスは、髪質の良い、ロックミュージシャン然とした肩にかかる長髪と端正な顔立ち、スリムな体躯に長い脚。どこから見てもかっこいいスーパースターだったのですから。さらに、前年に奇跡の初来日を果たし、この年の音楽誌ミュージックライフの人気投票では、ギタリスト部門でナンバーワンに輝いたという大人気の中で行なわれた再来日公演だったのです。そしてそんなオーディエンスの支持に応えるように、クラプトンは前年とは打って変わってギターを弾き捲り、素晴らしいパフォーマンスを披露してくれました。その時の武道館のムードがここに克明にパックされています。捉え方によっては「それは単にオーディエンスノイズが多いってことなんじゃないの?」と思われるかもしれません。確かにこのムードは録音者の周囲にいたオーディエンスの様子が物語るものですが、それを不快に感じないのが不思議なところ。むしろ「ああ、自分もこの中に居たかったなあ」と思わせるような、ロックギタリスト、エリック・クラプトンの人気のピーク時を武道館で体験しているような気分にさせてくれる、ある意味記録的資料的に価値のあるマスターなのです。オープニングにLaylaを持ってきたツアーだっただけに、その興奮度には凄まじいものがあります。ここで有名な7連フレーズを奏でるジョージ・テリーの音がオフ気味なのは、既発盤にも言えることですが当日のPAの出音の調整がうまくいってなかったからです。いきなりこの人気曲で爆発的に出てくる楽音にコンソール卓のエンジニアも慌てたことでしょう。2曲目でようやくバンドサウンドが確立されます。そのくらいオープニングの衝撃度は高かったということでしょう。クラプトンは全編に亘り、当時新品で購入したブロンドフィニッシュのテレキャスターを使用。ややファットで艶やかなトーンでロングトーンを駆使し、伸びやかでレイドバックしたプレイでスケール感を表現しています。気分もご機嫌だったようで、Badgeの前に曲名を告げる際にはわざと焦らしてオーディエンスを笑わせています。 I Shot The Sheriffの前には、クラプトンが「ここで煙草を吸ってもいいのかな?どう?」とアナウンスして煙草に火を点けます。それを恐らくギターヘッドに差したのでしょう、次の瞬間会場は大歓声に包まれます。「バングラデシュ・コンサート」でも見られたクラプトンの有名なシーンが現出したのですからそれも頷けるというもの。女性ボーカルのイヴォンヌ・エリマンとマーシー・レヴィ(この頃のクラプトンは「リーヴィー」と紹介していました)二人がフィーチュアされた際にもオーディエンスは大盛り上がり。聴いていると、エリマンがエレクトリックギターを持ったのを見た男性が「エリックのギターじゃないの?」とすかさず口走ります。その通り、エリマンはこの時クラプトンのブラッキーを借りてプレイしたのでした。マーシーは日本人の挨拶がすべて電話時の定型だと勘違いしていて、第一声に「もしもし!」と呼びかけ、会場を何とも微妙なムードにしてしまいます。これもまた面白く、何とか日本のオーディエンスを喜ばせようと腐心した彼女の心根が感じられるシーンでもありました。この未公開マスターでは、残念ながらラストの7分間が未収録でしたが、完全収録版としてお楽しみいただくため、既発盤から違和感なく補填しております。44年前の二度目の来日、人気のピークを誇った時期のクラプトン、そんな彼を大歓迎したオーディエンス、それに応えてキレ捲りのプレイを披露したクラプトン。
Live at Budokan, Tokyo, Japan 1st November 1975 TRULY AMAZING SOUND(from Original Masters)
Disc 1 (71:34) 1. Intro ★0:48 一時停止 ★既発より長く収録 2. Layla 3. Knockin' On Heaven's Door 4. Key To The Highway 5. Badge 6. Can't Find My Way Home 7. Further On Up The Road ★9:53 - 10:22 補填 8. I Shot The Sheriff
Disc 2 (56:44) 1. MC 2. Teach Me To Be Your Woman 3. Have You Ever Loved A Woman ★次曲までが欠落してない(既発より30秒程度長い) 4. Tell The Truth 5. Eyesight To The Blind ★9:53 - 最後まで補填 6. Why Does Love Got To Be So Sad ★全部既発補填
Eric Clapton : Guitar & Vocals George Terry : Guitar Carl Radle : Bass Dick Sims : Keyboards Jamie Oldaker : Drums Yvonne Elliman : Backing Vocals Marcy Levy : Backing Vocals