本作に記録されているのは、「1987年3月6日エディンバラ公演」。その極上オーディエンス録音です。当時のBAD COMPANYはブライアン・ハウを迎えて再振動を果たしたばかり。ここではBAD COMPANY視点でショウのポジションも確かめておきましょう。1986年《10月22日『FAME AND FORTUNE』発売》・10月28日ー12月13日:北米#1(16公演)1987年・1月31日ー3月8日:欧州#1(24公演)←★ココ★・4月24日ー6月27日:北米#2(27公演)・7月11日ー19日:欧州#2(3公演)これが1986年/1987年のBAD COMPANY。ハウ時代のBAD COMPANYも『HOLY WATER』の大ヒットで成功を収めるわけですが、この時点ではまだまだ駆け出し。様々なバンドのオープニング・アクトを務めていました。その中で「欧州#1」がBAD COMPANYの前座。本作のエディンバラ公演は、その22公演目にあたるコンサートでした。そんなショウを記録した本作は、本編DEEP PURPLE篇と同じ人物による極上オーディエンス録音。繰り返しは避けますが、やはりハンパではないハイクオリティ・サウンドです。そのサウンドで描かれるのは、再スタートを切ったばかりの新生BAD COMPANYの初々しいステージ。セットはクラシックス2曲「Feel Like Makin' Love」「Can't Get Enough」に、『FAME AND FORTUNE』の新曲4曲「Fame and Fortune」「If I'm Sleeping」「Valerie」「Tell It Like It Is」というバランス。そして美味しいのは新曲群。ハウ時代のライヴと言えば、オフィシャル作『WHAT YOU HEAR IS WHAT YOU GET』が浮かびますが、クラシックス2曲はダブっているものの、新曲4曲の方はどれも収録されていないのです。そして、そんなセットを綴る瑞々しいパフォーマンスこそが素晴らしい。一言で現すなら「まるでFOREIGNER」。ジョー・リン・ターナー時代のRAINBOWでよく使われた形容ですが、声質も音域もスタイルもハウの方が遙かにルー・グラム的。クラシックス2曲も、まるでルーがBAD COMPANYに加入したかのようにフレッシュなのです。若返ったような熱演を見せた本編DEEP PURPLEに対し、本当に若いシンガーを入れて若返ったBAD COMPANY。もしかしたら、パープルの熱演を引き出したのは前座である彼らだったのかも知れません。そんなフレッシュなショウを本編と同じ極上サウンドで味わえるライヴアルバム。
Playhouse Theatre, Edinburgh, Scotland 6th March 1987 ULTIMATE SOUND (32:51) 1. Fame and Fortune 2. If I'm Sleeping 3. Feel Like Makin' Love 4. Valerie 5. Can't Get Enough 6. Tell It Like It Is Brian Howe - Vocals Mick Ralphs - Guitar Simon Kirke - Drums Greg Dechert - Keyboard