90年代に2回だけ実現したグレン・ヒューズのソロ来日。その現場をリアル体験できる貴重なオリジナル録音が発掘です。そんな本作に吹き込まれているのは「1997年2月9日:新宿リキッドルーム公演」。その強力オーディエンス録音です。90年代に復活を果たしたグレンは何度も来日しているようなイメージもありますが、実はソロ来日は非常に貴重。その意味をご説明するためにも、今回はグレンの来日史から振り返ってみましょう。DEEP PURPLE来日・1976年12月8日ー15日(4公演)ソロ来日・1994年5月21日ー25日(4公演)←※公式BURNING JAPAN LIVE・1997年2月9日ー15日(5公演) ←★ココ★ ジョー・リン・ターナーとの来日・2000年10月18日ー22日(4公演)・2002年5月11日ー19日(7公演)*HTP・2002年7月31日+8月4日(2公演)*VOICES OF CLASSIC ROCK・2004年2月3日ー8日(5公演)*HTP ソロ来日・2015年12月8月+9日(2公演)これが現在までのグレンの来日史。8回・33公演のうち、約半分(4回・18公演)がジョー・リン・ターナーとのコンビ来日でした。1994年のソロ初来日は公式『BURNING JAPAN LIVE』にも残されましたが、本作はその次となる『ADDICTION』時代のライヴ・イン・ジャパンなのです。なかなか触れる機会の時期ですので、ここで当時の日程もご紹介しておきましょう。・2月9日:新宿リキッドルーム ←★本作★・2月10日:新宿リキッドルーム・2月12日:札幌ペニーレーン24・2月14日:名古屋クラブクアトロ・2月15日:難波ウォホール 貴重な1997年の現場を伝える本作は、クラブ・ムードたっぷりの密室オーディエンス。とにかく近い……と言いますか、狭い。音色的には空気感もある空間録音なのですが、その鳴りが芯にまとわりつく感覚。鳴りが広がる間もなくディテールまで鮮やかな芯がタイムラグなしに耳元に届くのです。1994年の初来日では6人編成の大所帯でしたが、1997年はカルテット。そのため、スキマもきっちりと感じられ、1音1音が輪郭も鮮やかに浮かび上がるサウンドなのです。その密室感サウンドで描かれるのは、『BURNING JAPAN LIVE』とは様変わりしたフルショウ。まずは、セットから整理しておきましょう。70年代・メデューサ:Touch My Life・連動:Way Back To The Bone/Coast to Coast(*)・紫の炎:You Fool No One/Burn(*)・カム・テイスト・ザ・バンド:Gettin' Tighter(*)/You Keep On Moving(*)80年代以降・ヒューズ/スロール:First Step Of Love・フィール:Push!・アディクション:Talk About It/Cover Me/I Don't Want To Live That Way Again/Addiction※注:「*」印は公式ライヴアルバム『BURNING JAPAN LIVE』と被っている曲。……と、このようになっています。普段なら公式作で聴けない曲に「★」印を付けるのですが、本作でそれをやると印だらけになってしまう。今回は逆で被っている曲に「*」をつけ、それ以外の曲が注目なわけです。つまり、4曲以外は日本初公開だったわけですが、中でも美味しいのが「You Fool No One」でしょう。言わずと知れた『BURN』の名曲ですが、第IV期パープルでも演奏しなかった……と言いますか、パープル・ファミリー全部でも演奏してこなかった(WHITESNAKEが演奏したのも2015年になってから)。上記の通り、本作の新宿公演は1997年の初日ですから、正真正銘、日本初公開の現場なのです。そして、そんなセットを紡ぐパフォーマンスも絶品。1994年はEUROPEの面々も参加した特別バンドによる様式美サウンドだったわけですが、本作はグレンのレギュラー・バンド。ギターも長年に渡って相棒となるJJ・マーシュ(当時はヨアキム・マーシュ)ですし、キーボードもハモンドではなくエレピ主体で煌びやか。そんな中で面白い人選なのがモルガン・オーグレン。ザッパ・バンドでも活躍していたドラマーで、ファミリーであるスティーヴ・ヴァイやテリー・ポジオとの共演でも知られる奇才。現在では北欧プログレの英雄KAIPAの再結成にも名を連ねている名手です。そして最大の聴きどころは、オーグレンのソロから雪崩れ込む「You Fool No One」。単に有名/レア曲というだけでなく、バンド全員がフレーズをぶつけ合う激しいジャムに発展。10分以上に渡って熱く熱く盛り上がるハイライトなのです。EUROPE人脈を土台にした1994年、ジョーとのコンビで来日を繰り返した2000年以降……思えば、グレンの来日公演は「元DEEP PURPLE」が色濃いものばかりだった。その中であって、1997年は「グレンらしい日本公演」が繰り広げられた貴重極まるジャパン・ツアーでした。本作は、その現場を密着感たっぷりに味わえる大傑作。オリジナルDATマスターが吸い込んでいたサウンドを機微の機微まで移し替えた初登場ライヴアルバム。「1997年2月9日:新宿リキッドルーム公演」の強力オーディエンス録音。とにかく近い……と言いますか、狭い。音色的には空気感もある空間録音なのですが、その鳴りが芯にまとわりつく感覚。鳴りが広がる間もなくディテールまで鮮やかな芯がタイムラグなしに耳元に届く。4人のスキマもきっちりと感じられ、1音1音が輪郭も鮮やかに浮かび上がるサウンドです。ソロ初来日の『BURNING JAPAN LIVE』とはセットもアンサンブルも様変わりし、相棒JJ・マーシュとの貴重な「グレンらしい日本公演」がフル体験できるライヴアルバムです。Liquid Room, Tokyo, Japan 9th February 1997 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)
Disc 1 (52:29) 1. Intro 2. Way Back To The Bone 3. Touch My Life4. Push! 5. First Step Of Love 6. Talk About It 7. Coast To Coast 8. Gettin' Tighter 9. Band Introduction 10. Cover Me
Disc 2 (53:15) 1. I Don't Want To Live That Way Again 2. You Keep On Moving 3. Addiction 4. Dram solo 5. You Fool No One 6. Burn Glenn Hughes - Vocals, Bass Joachim Marsh - Guitar Morgan Agren - Drums Lars (Lasse) Pollack - Keyboards