何たる音の良さ…これまでもジェイムス・テイラーの極上ライブ音源をお届けしてまいりましたが、今回がまた凄いクオリティ。70年代栄光のワーナー時代を締めくくった名盤「IN THE POCKET」を引っ提げて行われた1976年ツアーからモリソンにあるレッドロックス・アンフィシアターでのライブを収録。これが実に素晴らしいクオリティのオーディエンス録音でして、いくつかの個所にテープ劣化と思われる音の擦れがみられる(例えば「Carolina In My Mind」の冒頭など)のと、たまにマイクのノイズが入る(例えば「How Sweet It Is」)点が玉に瑕。何しろ音像が非常に近く、テイラーの歌声はもちろん、盟友ザ・セクションのメンバーを中心としたツアーバンドの卓越したバッキングも生々しいほどのバランスにて収録しており、オーディエンス録音ながら初心者からマニアまで楽しめる素晴らしいクオリティ。76年の「IN THE POCKET」ツアーと言えば二週間後のシリア・モスクのラジオ放送が定番となっており、今やグレーゾーンCDまでリリースされている。ところが同音源は放送用LP一枚に収まる40分足らずという長さでしかなく、実際のステージを体感にはあまりにも物足りなかった。そんなマニアの不満を一気に解消してくれるのが今回のレッドロックス。ようやくステージの全貌を明らかにしてくれる音源の登場と相成りました。またアルバムに参加し、なおかつラジオ音源でも存在感を発揮していたデヴィッド・リンドレーはオープニングからしてフィドルで花を添えるに留まらず、「Carolina In My Mind」ではバンジョーを弾くといった活躍ぶり。さらにスタジオ・ミュージシャンとして当時頭角を現し、前作「GORILLA」にも参加していたサックスのデヴィッド・サンボーンも前面に渡ってフィーチャーされている。彼らとザ・セクションのメンバーがタッグを組んだドリームチームを従えて敢行されたツアーだけに、なおさら今回の音源のリリースは世界中のマニアを歓喜させることかと。そして人気絶頂の70年代ワーナー期ということもあり、会場の盛り上がりも凄まじい。何と言ってもリリースされて間もない「IN THE POCKET」収録曲に対して大きな反応をみせている現役感まで伝えてくれる。一方テイラーのようなアーティストのライブですら爆竹を鳴らしてしまう観客の無神経さには閉口してしまいますが、それも軽く受け流して歌い続けるところが彼の面目躍如。それにワーナー初期のステージと違い豪華メンバーを従えたバックバンドによるメリハリに富んだサウンドのステージ映えも素晴らしい。1970年のステージとしては信じられないほどの高音質オーディエンスだった「PORT CHESTER 1970」、まさかのマイク・ミラード録音による「BEVERLY HILLS 1981: MIKE MILLARD FIRST GENERATION TAPES」という二つの時代の極上音源の間を見事に埋めてくれるジェイムス・テイラー第三のハイクオリティ・オーディエンス・アルバムが登場します!Red Rocks Amphitheatre, Morrison, CO, USA 6th July 1976 TRULY PERFECT SOUND
Disc 1(46:50) 1. Riding On A Railroad 2. Chili Dog 3. Sunny Skies 4. Shower the People 5. Honey Don't Leave LA 6. Daddy's All Gone 7. Fanfare 8. Anywhere Like Heaven 9. A Junkie's Lament 10. Rock 'n' Roll is Music Now 11. Mexico 12. Fire & Rain
Disc 2(53:32) 1. Carolina in My Mind 2. Family Man 3. Hello Old Friend 4. Everybody Has the Blues 5. Dance 6. Hey Mister, That's Me Up On The Jukebox 7. I Was a Fool to Care 8. How Sweet It Is 9. Money Machine 10. Country Road 11. Steamroller 12. Sweet Baby James
James Taylor - acoustic guitar, vocals Danny Kortchmar - electric guitar Russell Kunkel - drums Leland Sklar - bass Clarence McDonald - keyboards David Sanborn - tenor sax David Lindley - Fiddle