ボブ・ディラン1960年代ライブ音源の定番であったワイト島。オフィシャルではアルバム「SELF PORTRAIT」に収められた数曲だけしかリリースされず、代わりに同日のオーディエンス録音が実際のステージの全貌を解き明かしてくれたものでした。おまけにワイト島でのディランのステージを収めたオーディエンス録音はどれも音質が驚くほど良く、それ故にLP時代から何度もリリースされるほどの定番音源でもあったのです。それも今は昔、ボックスセット「ANOTHER SELF PORTRAIT」にてこの日のすべてがオフィシャル・リリース。おかげで世界中のマニアが夢見ていたワイト島がステレオ・サウンドボードにて聞かれるようになった訳ですが、そのせいで割を食ってしまったのが同日のオーディエンス録音。確かにオフィシャルの前では資料的な価値でしかなくなってしまった訳ですが、昔は当たり前のように入手出来ていた音源が流通しなくなったのはいくら何でも寂しい。特にベテラン・マニアほど、あの驚くほど聞きやすかったオーディエンス録音を今でも懐かしく思い出されるのでは。そこで用意いたしましたCDがワイト島のオーディエンス録音。その昔TMOQのアナログなどに使われていたのとは別の音源なのですが、ワイト・オーディエンスの例に漏れずこれまた高音質で音像も近い。それだけにとどまらず、ここに収録されたのは大本の音源丸ごと収録というのがまた貴重なのです。というのも、ここには(もはや現存しないと思しき)マスターからリールにコピーされたファースト・ジェネレーションのリールコピーをそのままの状態で収録しているという。いくつかの曲はコピーやり直しのせいで演奏の序盤がダブって収録されてしまったものがありますし、さらにはコピーされる際に上書きで消された前の音の断片まで聞こえてくる。それがトラック2で「Noise」とクレジットされたパートなのですが、ここでかすかに聞こえるのがジョン・レノンの「Give Peace A Chance」。このことからも69年の最新ヒット曲を録音していたテープにワイト島を上書きした…つまり69年当時の音楽ファンならではの行為が垣間見られてしまうのです。それにライブ本編は本当にいい音をしている。しかし古いテープらしくディランの弾き語りコーナーとライブ終盤においてピッチの上昇がみられましたので、そこはきっちりとアジャスト。そして本ファイルを元にしてダブりの個所を削除してワイト島のパートだけをまとめたバージョンが以前は出回っていたのですが、それすら最初に挙げた理由からトレーダー間にすら流通しなくなっており、これが今回の大元リール・コピー・バージョンともなればネット上ですら入手不可能。そんな玄人好みのレア・バージョン音源を収録したハイグレード・CDです!
Woodside Bay, Near Ryde, Isle Of Wight, UK 31st August 1969(62:12)
1. Maggie's Farm (by Ritchie Havens) 2. Give Peace A Chance (fragment) 3. She Belongs To Me 4. I Threw It All Away 5. Maggie's Farm 6. Wild Mountain Thyme 7. It Ain't Me Babe 8. To Ramona 9. Mr. Tambourine Man (beginning only) 10. Mr. Tambourine Man (complete)
11. I Dreamed I Saw St. Augustine 12. Lay Lady Lay 13. Highway 61 Revisited 14. One Too Many Mornings 15. I Pity The Poor Immigrant 16. Like A Rolling Stone 17. I'll Be Your Baby Tonight 18. Quinn The Eskimo (Mighty Quinn) 19. Encore 20. Minstrel Boy (incomplete)
21. Minstrel Boy (complete) 22. Rainy Day Women #12 & 35 Bob Dylan - guitar & vocal Robbie Robertson - guitar Richard Manuel - piano Garth Hudson - organ Rick Danko - bass Levon Helm - drums