最古のライヴ録音として知られ、「1975年のRAINBOW」を語り継いできた伝説の名録音が完全版に大進化。RAINBOW史上最大級の重要盤が登場です。【新バンドお披露目の現場を記録した伝説録音】そんな本作に刻まれているのは「1975年11月12日ニューヨーク・シティ公演」。そのフル・オーディエンス録音です。1975年と言えば、三頭政治体制は確立しながらも「Kill the King」すら誕生していなかった時代。まずはそんな極初期の状況をスケジュールで振り返り、ショウのポジションを確かめてみましょう。1975年《4月7日:リッチーがDEEP PURPLEを脱退》《8月4日『銀嶺の覇者』発売→9月:ラインナップ確定》
・11月10日ー29月:北米#1(13公演) ←★ココ★ 1976年《5月15日『虹を翔る覇者』発売》・6月11日ー8月7日:北米#2(32公演)・8月31日ー9月14日:英国(10公演)・9月20日ー10月18日:欧州(20公演)・11月4日ー22日:豪州(11公演)・12月2日ー16日:初来日(10公演)《1977年2月:ジミー・ベイン解雇》これがRAINBOW誕生から1976年までの歩み。デビュー作のメンバーでライヴは行われておらず、ロードに出たのはコージー・パウエル、ジミー・ベイン、トニー・カレイが揃ってから。1976年に入ると初来日でもお馴染みな様式が完成しますが、1975年はそれに至る前。「Kill the King」だけでなくお約束の「Over The Rainbow」もなく、「Do You Close Your Eyes」がポールポジションを務めていた唯一の時期でした。本作のニューヨーク・シティ公演は、そんな黎明の季節でもさらに序盤となる「北米#1」の2公演目。もっと言えば、初日(11月10日)のモントリオール公演は公開リハーサル的なステージでしたので、実質的には新バンドのお披露目となるツアー初日だったのです。そんな歴史的なショウは最古のオーディエンス録音が残された事でも知られてきました。『MARTIAN RAINBOW』『FIRST GIG IN N.Y.』といった古のタイトルは「聴けるだけありがたい」というレベルでしたが、それを一気に引き上げたのがRising Arrowレーベルの初期名盤だった『HEAVY PORTRAIT』。「聴ける」どころではなく、1975年のサウンド基準そのものを大幅に更新し、「黎明期RAINBOWと言ったらコレ」と言われる代表作となったのです。本作は、そんな名盤『HEAVY PORTRAIT』を「GRAF ZEPPELIN」の入念リマスターで磨き直したブラッシュアップ盤なのです。【位相逆転や細密ノイズ処理も施された最高峰盤】しかも、本作はただのリマスター盤ではない。近年になって発掘された別録音も駆使し、これまで欠けていたパートを補完。ショウの完全版に進化しているのです。その補填ポイントは3ヶ所。1つめは「Self Portrait」終演直後の歓声部(6秒)、2つめは「Man On The Silver Mountain」後の歓声部(約25秒)。最後が一番重要な「Stargazer」エンディング付近(6秒)で、ここだけは演奏中。わずかではありますが、ギターフレーズも復刻されている。いずれも秒単位ではありますが、その現場が貴重極まりない黎明の現場。隅から隅まで完全形で追体験できるようになった意義は他公演の比ではないのです。もちろん、本作の価値は数秒の拡張では終わらない。むしろ、全編を貫くサウンドこそが大インパクトなのです。その要は「位相」。「GRAF ZEPPELIN」は1/1000秒の位相ズレも許さない精密なマスタリングで知られていますが、本作に限ってはそれどころではない。実のところ、大元マスターでは片チャンネルが丸ごと位相が逆転。その逆相を正相に正し、本来のサウンドを復刻しているのです。位相逆転の原因は不明ですが、恐らくはマスターの発掘者によるものではないでしょうか。と言うのも、パソコンでマスタリングできるようになった初期には、オーディエンス録音の処理ノウハウが確立しておらず、暗中模索でいろいろな事が試されていた。中にはステレオ感の向上を狙い、わざと位相を逆転される事も(希にですが)あったのです。もちろん位相は波形でチェックしないと分かりづらく、特にオーディネス録音の場合は「そういう音」とそのまま受け止めてしまう事がほとんど。最近になって「本来の音は違っていた」と判明するケースが出てきたのです(ちなみに、同時リリースのPINK FLOYD『JERSEY CITY 1975』も同じパターンでした)。もちろん本作は単に位相を反転させただけでなく、ビシッと整えている。さらに周波数分析による帯域調整や変化するピッチの補整、ノイズ処理も徹底的に施されています。今回特に効果的だったのはパチノイズの除去。ヒスやハムのようにある程度一括で処理できるものではなく、1つひとつを丁寧に正していくわけですが、ここで「GRAF ZEPPELIN」による偏執的なまでの作業が威力を発揮。まるで絵画の剥がれた絵の具片を直していくかのように、緻密な補整が活きているのです。【黎明の”1975年”を代表する象徴ライヴアルバム】最高峰を更新したサウンドで描かれるお披露目ショウは、まさに生まれ変わったように新鮮。試し弾きから「Do You Close Your Eyes」が始まるオープニングもDEEP PURPLE的ですし、そこから激レア曲「Self Portrait」へ雪崩れ込む序盤の流れには目も眩む、アンサンブルも明らかに手探り感があり、テンポも曲を確かめるように手堅い。まだ「Mistreated」がなく全曲『銀嶺の覇者』『虹を翔る覇者』ナンバーで固められているのも新鮮ですし、「Stargazer」「A Light In The Black」はスタジオ録音前の発展途上バージョンが聴けます。さらに黎明感が滲むのがMC。英雄ロニーも各所で初々しさを覗かせ、特に「Catch The Rainbow」の前では「今日はアメリカでの最初のコンサートだ!」と語るのです。様式美の代名詞でもあったロニー時代のRAINBOW。本作は、その「様式」が完成する前のフルショウを極上体験できる完全ライヴアルバムです。「1975年と言ったら、まずはコレ」の代表作がアップグレードした歴史的な必聴盤。(リマスター・メモ)★旧来の音源に、欠落部(3箇所)を近年登場したと思われる別ソースで補填し、初の完全収録を実現。二つの音源を比較すると、新登場音源の方が鮮度が非常に良いのですが、旧来の音源がステレオであるの対し、新音源はモノラル。また、その新音源は音が若干潰れ気味で、しかも途中の楽曲でデジタルエラーも頻発していたためメインでは使えず。幸い、本公演の欠落ポイントの補填には上手く採用出来た、というもの。メインソースは既発盤のソースですが、既発盤では全編に渡り逆相(片方のチャンネル位相が逆転している)となっており、張り付いたような座りの悪い疑似ステレオであったので、正相へ修正。その後さらに位相ズレの修正と、EQで減退した高域を若干補正。なおEQはやり過ぎるとデジタルチックになるため、ここでは控え目の処理です。終始入るパチパチというデジタルノイズをピンポイントで補修 結成2公演となる「1975年11月12日ビーコン・シアター公演」のフル・オーディエンス録音。1975年を代表する名録音を「GRAF ZEPPELIN」がブラッシュアップ。カット部分を別録音で補完した初の完全版で、サウンドも過去最高。発掘時点で反転していた片チャンネルの位相も厳密に補整し、パチノイズも入念に除去。レア曲「Self Portrait」や貴重な「Do You Close Your Eyes」オープニングなど、「様式」が完成する前のフルショウを極上体験できる完全ライヴアルバムです。Live at Beacon Theatre, New York City, NY, USA 12th November 1975 TRULY PERFECT SOUND(UPGRADE)
Disc 1 (43:49) 1. Intro. 2. Do You Close Your Eyes 3. Self Portrait ★4:21-4:27付近(演奏後)曲間補填 4. 16th Century Greensleeves 5. Catch The Rainbow 6. Man On The Silver Mountain ★7:54以降(曲間部)補填
Disc 2 (48:10) 1. Keyboard Solo ★出だし-0:17(MC部)補填 2. Stargazer ★9:34-9:40付近曲中カット補填 3. A Light In The Black 4. Still I'm Sad 5. Drum Solo incl. 1812 Overture 6. Still I'm Sad (Reprise) Bonus track 7. Interview with Ritchie Blackmore & Ronnie James Dio for BBC radio in 1975
Ritchie Blackmore - Guitar Ronnie James Dio - Vocals Cozy Powell - Drums Jimmy Bain - Bass Tony Carey - Keyboards