『MASTER OF PUPPETS』『REIGN IN BLOOD』と並び、1986年にスアッシュ・メタルを定義づけた大名盤『PEACE SELLS... BUT WHO'S BUYING?』。その本来の姿とも言うべき、別バージョンが永久保存決定！ 廃盤オフィシャル・バージョンだけでなく、幻のテスト・プレスLPから起こされた最高峰クオリティ・バージョンもセットされた究極仕様で登場です。『PEACE SELLS』自体は語るまでもない歴史的名盤ですが、その別バージョンとなると説明が必要でしょう。かの名作には３つのミックス違いが存在します。制作された時系列で整理してみましょう。・1986年：当時未発表のランディ・バーンズMIX（Ａ）・1986年：オリジナル・リリース版（Ｂ）・2004年：Remix/Remaster再発シリーズ（Ｃ）名盤本来の姿となる「ランディ・バーンズMIX」このうち当時から現在に至るまで広く知られているのが「Ｂ」で、2004年の一斉再発の際に制作されたのが「Ｃ」。本作は、そのどちらとも異なる（当時）未発表だった「Ａ」なのです。「Ａ」も４曲分が「Ｃ」のボーナスにもなりましたが、本作はアルバム全曲分を収録しています。では「Ａ」とは何物なのか。それは当時の勃発したレーベル移籍によって生まれた産物でした。そもそも『PEACE SELLS』は「COMBAT」レーベル時代に制作されたアルバム。デイヴ・ムステインとランディ・バーンズの共同プロデュースで録音され、ランディがミックスして「Ａ」が完成しました。ところが、そのタイミングで「COMBAT」→「CAPITOL」の移籍が決定。「CAPITOL」レーベルは一度完成したマスターを破棄してポール・ラニにリミックスを依頼。その結果、よく知られる発売版「Ｂ」が誕生したわけです。本来であれば「Ａ」は日の目を見ずに闇に葬られるハズでしたが、２つのルートでフル版が世に出る事になりました。まず１つめは当時制作されたテスト・プレスLP。本格生産する前に試験的に制作されるものなのですが、「COMBAT」の英国配給をしていた「MUSIC FOR NATIONS」がテスト盤を制作する際、「Ａ」を使用してしまったのです。もちろん、あくまでテスト盤であって未発売ですし、プレス枚数も極少数。「メガデスの聖杯」と呼ばれるほどの激レア・アイテムでした。そして、もう１つのルートは2011年に発売された『PEACE SELLS』の25周年ボックス。25周年の通常版はCD２枚組ですが、ボックスは「CD×５枚＋LP×３枚」という豪華版。そして、その中の１枚が「Ａ」の完全版だったわけです。本作は、そんな２種の公式アイテムから最高峰クオリティで復刻し、カップリングCDなのです。「テストLP版」「25周年ボックス版」の両方を収録 本作の前半に収められているのは、前述した「MUSIC FOR NATIONS」制作のテストプレスLP『MFN 64』。ただでさえ激レアなLPなのですが、Langleyレーベルがミント・クオリティ盤の発掘に成功。当店では古くから大定番として愛されてきました。その後、25周年ボックスで「ランディ・バーンズMIX」が公式CD化されたためにお役御免となった……と思われてきたのですが、そうはなりませんでした。実のところ『MFN 64』起こしは25周年ボックス版よりもずっと音が良かったのです。その違いは明らか。まず、第一にエコー感。特にヴォーカルに顕著なのですが、ボックス版は『SO FAR, SO GOOD』のように厚めの風呂場エコーがかかっているのに対し、『MFN 64』版はキリッと引き締まっています。第二の違いがステレオ感。こちらもボックス版が固まり気味だったのに対して『MFN 64』版は綺麗にセパレート。よりワイドに感じられるのです。ここまでの違いは好みの話でもあるのですが、決定的なのが第三のマスター鮮度。25周年ボックス版はギターにチリチリとしたノイズ感があるのです。この原因は、恐らく元ソースの違いにある。実のところ、ボックス版もテスト・プレス盤からデジタル化されているのですが、そちらの元になったのは「英国MUSIC FOR NATIONS」ではなく「米国COMBAT」が制作したもの。盤質のせいか、カッティングのせいかは不明ですが、ボックス版は曲が進むほどにチリチリ感が強くなっていき、ＡＢ面それぞれのラスト曲「Devils Island」「My Last Words」では結構目立つ。その一方で『MFN 64』版は全編艶やかなままなのです。と言うわけでクオリティ面では『MFN 64』に一歩引けを取る25周年ボックス版でしたが、現在ではこちらも廃盤。プレミア物となっています。そこで、本作の後半には正式な公式CDバージョンでもある25周年ボックス版も同時収録。現存する２種の「ランディ・バーンズMIX」を完全収録致しました。そして、肝心なのが内容。再生した瞬間から図太い低音の「Wake Up Dead」からまるで違っているのですが、単にサウンドが違うだけではありません。言葉にしやすいところですと、タイトル曲「Peace Sells」でしょうか。製品版「Ｂ」ではサビでギター＆ベースがブレイクしながらヴォーカルとかけ合いをしますが、オリジナル「Ａ」ではブレイクせずに演奏し続け、よりグルーヴィになっている。このように、テイクやアレンジの違いもそこかしこにある。もちろん、ムステインが制作当時に狙っていたのは本作「Ａ」の方。これが冒頭で記した「本来の姿」の意味なのです。ボーナスの「These Boots」も激レアなサントラ版 フル・アルバム２種だけでもお腹いっぱいですが、本作はさらに美味しいレア・トラックをボーナス収録しています。それはナンシー・シナトラのカバー「These Boots Are Made For Walkin'」。もちろん『KILLING IS MY BUSINESS』の収録曲でもあるわけですが、本作はまったく違うリ・レコーディング版です。このバージョンが制作されたのは『PEACE SELLS』より後の1987年で、映画『DUDES』に提供するために再録されたもの。録音メンバーは「ポーランド／サミュエルソン」です。そして、その内容は明らかに『KILLING IS MY BUSINESS』版を超えている。ポール・ラニがプロデュースしたサウンドは公式版『PEACE SELLS』に酷似しており、上達した演奏力も素晴らしければ、ライヴで磨かれたアレンジも数段カッコイイ。歌詞もシナトラをコケにした変え歌詞のままですし、当然ピー音もない。シナトラのクレームのお陰で妙なバージョンもやたら生まれた曲ではありますが、間違いなくこれが最高傑作です。また、本作はソースにもこだわった究極版。この再録バージョンは幾つかのレアトラック集でも聴けましたが、それらはほとんどが針パチも耳障りなLP起こしでした。しかし、本作は当時アメリカだけで発売されたCD盤からロスレスで復刻。アルバムとして聴き通せるように音量・音圧は本編と揃えてありますが、それ以外は一切加工していないベスト・バージョンなのです。※余談：この時代のレア・トラックというとコンピ盤『BULLETS VOLUME ONE』に提供された「Peace Sells」の別ミックスもあります。ただし、これの正体はランディ・バーンズMIX。本編と被るだけですので、本作には収録していません。「ランディ・バーンズMIX」のフル・バージョンを２種完備し、プレミア化した25周年ボックスを買いそびれた方はもちろん、公式CDを上回るサウンドのテスト・プレスLP版まで楽しめる１枚です。さらには「These Boots」のベスト・バージョンまで永久保存。まさに「PEACE SELLS時代の決定盤」となるプレスCDです。それこそオフィシャル名盤と並べてコレクションしていただきたい絶対作。当時リリースされなかった『PEACE SELLS... BUT WHO'S BUYING?』のオリジナル・ミックス版。激レアなテスト・プレスLP『MFN 64』から起こされたバージョンと25周年ボックスに収録された公式CD化バージョンの２種を収録し、さらに「These Boots」の再録サントラ・バージョンをボーナス追加。『PEACE SELLS』時代のスタジオ・レア・トラックを網羅しています。『PEACE SELLS』はサウンドが違うだけでなく、一部の曲はテイクやアレンジも異なり、制作された当時に構想されていた本来の姿が楽しめる。「These Boots」も1stアルバムより遙かに完成度の高いベスト・バージョンです。Taken from the original Music For Nations Test Pressing LP (MFN 64)(75:58) MUSIC FOR NATIONS TEST PRESSING LP (MFN 64)
1. Wake Up Dead 2. The Conjuring 3. Peace Sells 4. Devils Island 5. Good Mourning/Black Friday 6. Bad Omen 7. I Ain't Superstitious 8. My Last Words "DUDES" SOUNDTRACK ALBUM (MCAD-6212) 9. These Boots Are Made For Walkin' (Re-recording Version)
25TH ANNIVERSARY BOX SET (509990 29339 24) 10. Wake Up Dead 11. The Conjuring 12. Peace Sells 13. Devils Island 14. Good Mourning/Black Friday 15. Bad Omen 16. I Ain't Superstitious 17. My Last Words Mixed by Randy Burns Produced by Randy Burns and Dave Mustaine
Track 9 is produced & mixed by Paul Lani
