【ロックを変革した伝説のバンド、クリームの新発掘オーディエンス録音音源をマスターからリリース!】まさか新年早々、3週続けてクリームのニューマスターをリリースすることになろうとは思いもよりませんでした。今回は、このところZeppelinの初登場音源を連発し、世界中のファンを驚愕させているThe Dogs of Doom がアップしてくれた本邦初登場の発掘マスターで、これまで存在さえ知られていなかった1968年3月30日のダラス公演のオーディエンス録音です。この日付でお判りのように、先週、先々週とリリースしてきた「Waltham 1968」、「Boston 1968」と同じ、第2回アメリカン・ツアーの音源なのです(一般に周知されている10月のフェアウェルツアーのダラス公演ではありません)。しかもよく耳を傾けると、ステレオ録音なのです!(クラプトンのギターがやや右チャンネル寄り、ジャック・ブルースのベースが左チャンネル寄りからメインで聞こえます。オーディエンスの歓声も左右に拡がりがあります)。ちょっと聴いた限りでは音が歪んでおり、録音時の入力過多かテープ劣化と思われがちですが、これもよく耳を傾けていただくと、ジャック・ブルースのベース音だけが歪んでいて、クラプトンのギターとジンジャー・ベイカーのドラムサウンドはクリアなのです。ギターの大音量でも高音部でもまったく音は歪んでいませんので、当日のベースの出音がよほど凄かったものと思われます(Steppin' Outでのクラプトン単独のプレイ部分、Toadでのベイカーのドラムソロはめちゃくちゃクリアです:笑)。音質は十分鑑賞に堪えうるレベルの良好なもので、ピッチも正常なものです。「Waltham 1968」、「Boston 1968」のようなモノラルのストレートな音像とは異なりますが、何せこの時代としては非常に貴重なステレオ録音の新発掘マスターゆえに、この音質ならば、ということでリリースを決定致しました。今後このツアーの新たな定番オーディエンス音源となることは間違いないでしょう。クリーム、第2回アメリカン・ツアーの状況をさらに詳しく伝える画期的な新発掘マスターだけに、先の2作とともにコレクションに加えていただく価値のある一作に違いありません。【全米制覇を達成した二度目のアメリカン・ツアーの、さらなる生々しい記録!】「Waltham 1968」と「Boston 1968」のレビューでも記しましたが、ここでもう一度、67年~このツアーまでのクリームの活動状況を振り返っておきましょう。・1967年1月~2月22日:BBCテレビやラジオ出演を含むイギリス国内クラブツアー・1967年2月24日~3月8日:ドイツ、北アイルランド、北欧ツアー・1967年3月12日~21日:ロンドンでのクラブギグ・1967年3月25日~4月2日:ニューヨーク、RKOシアターでのマレー・ザ・K主催「Music In The 5th Dimension Show」に出演。・1967年4月14日~5月7日:BBCラジオ出演を含むイギリス国内ツアー・1967年5月19日~21日:ドイツ公演・1967年5月22日~8月20日:BBCラジオ出演を含むイギリス国内ツアー(内、6月1日にはスポットでのパリ公演を含む)・1967年8月22日~10月15日:第1回アメリカン・ツアー ・1967年10月24日~11月6日:BBCラジオ出演を含むイギリス国内ツアー <<1967年11月、アルバム「DISRAELI GEARS」リリース>> ・1967年11月10日~11月23日:北欧ツアー ・1967年11月23日~12月3日:BBCラジオ出演を含むイギリス国内ツアー ・1967年12月20日~23日:スポットでのシカゴ、デトロイト公演・1968年1月5日~2月10日:オランダでのテレビ出演、スポットの北欧公演を含むイギリス国内ツアー・1968年2月23日~6月18日:第2回アメリカン・ツアー ←★ココ★ これをご覧いただくと、当時既にイギリスでは楽器の名手として頭角を現していた三人によるスーパーグループだったにもかかわらず、プロモーションのため、イギリス国内、ドイツ、北欧を休みなくツアーしていたことが分かります。そして世界最大のマーケットであり、彼ら三人のバックグラウンドであったジャズとブルースの本場アメリカへの進出を実現した時期でもありました。第1回のアメリカン・ツアーではニューヨークとサンフランシスコがメインの公演でしたが、二都市でその名を轟かせた彼らが他の都市を含む全米長期ツアーを敢行し、事実上の全米制覇を成し遂げたのが、この第2回アメリカン・ツアーでした。当時は誰も実践していなかった大音量でのブルースの拡大解釈パフォーマンス、スタジオバージョンでは数分の楽曲を10分以上に膨らませるインプロヴィゼーションの確立、それを可能にした3人の卓越したテクニック。それが「ロック」というニュージャンルの音楽を変革したわけです。その事実を証明する第2回アメリカン・ツアーの中盤に当たった本ダラス公演は、日程的にはウォルサム公演とボストン公演のちょうど中間でした。クリームのツアーの歴史を埋める新たな1ピース。ここにもクリームの真実の一片が収められています。「Waltham 1968」、「Boston 1968」をご購入いただいたお客様なら、きっとこの初音源もお聴きになりたいはず。【ウォルサム、ボストン公演とはまた異なるセットリストと圧倒的な演奏内容】本公演も先の2公演同様、当時のニューアルバム「DISRAELI GEARS」のリリース後のプロモーションツアーに当たっていましたが、両公演では演奏していなかったI'm So Gladをプレイしていることに注目です。68年10月のフェアウェルツアーではレギュラーでプレイしていたナンバーですが、この時期のパフォーマンスはレアです。既に中間部をインプロヴィゼーションで拡大したアレンジが確立されており、クラプトンが高速で弾きまくる中、他の二人も負けじとハイテンションでぶつかっていく様は、まさに当時語られた「三人が楽器で戦争をしているような」姿に他なりません。オープニングのSunshine Of Your Loveは残念ながらカットインですが、それでも10分近い演奏には圧倒されます。Sitting On Top of the World以降はウォルサム公演と同じ流れですが、演奏内容、フレーズの応酬はまったく違っています。アドリブ(インプロヴィゼーション)を売りにしていたクリームですから、それも当然のことだったでしょう。後半はウォルサム公演同様、3人それぞれのテクニシャンぶりが証明されるフィーチャリングナンバーを三連発。Steppin' Outでのクラプトンの鬼のようなプレイぶりは、ここでもやはり凄いです。2本目のテープに収録されていたTraintime以降は微かに音質が変わりますが、ほとんど印象は変わらないものです。本作も、スタジオとライブでまったく違う表情を見せるに至った第2回アメリカン・ツアーでのクリームの本質を知ることのできる貴重な音源だと言えるでしょう。当時からは54年もの年月が過ぎた現在、まさかもうクリームの新音源なんて存在しないだろうとマニアがみんな思っていた中、突然日の目を見た本邦初登場、初公開のダラス公演のマスターを収録したのが本盤です。おState Fair Music Hall, Dallas, Texas, USA 30th March 1968 TRULY AMAZING SOUND(NEW SOURCE) (56:45)
01. Sunshine Of Your Love 02. I'm So Glad 03. Sitting On Top of the World 04. Steppin' Out 05. Traintime 06. Toad Eric Clapton - Guitar, Vocals Jack Bruce - Bass, Vocals Ginger Baker - Drums