2001年兄弟愛ツアー、シカゴを終えた後に一日のオフを挟んでオアシスがステージに立ったのはトロント。この日はコンプリのオーディエンス録音が複数存在しているのですが、提供してくれたのが同日のFM放送音源。ネット上はおろか、トレーダー間にも広くは出回っていない見過ごされたサウンドボード音源なのです。それに輪をかけて兄弟愛ツアー自体が見過ごされている感は否めず、いよいよ存在を知るものが限られたサウンドボード。音質自体は本ツアー唯一のまともなアイテムを生み出したことで知られるデンバーのそれとはまったく違う。どちらもミックスがきっちり施されたマルチトラックというよりはPAアウトのサウンドボード的バランスだった訳ですが、あちらがステレオで楽器の分離が良すぎたきらいがあったのに対し、こちらはモノラルのどっしりとした音。よってバランスに癖があって臨場感が低いことには変わりないのですが、デンバーのようなギラギラした感触がない分、聞きやすくて演奏の迫力も生々しく伝わってくる。それでも2001年にモノラルであるということ、さらに数曲がカットされた形での放送という点が惜しまれます。こうした要素が重なって、サウンドボードの割に広く出回っていない音源なのだと推測されるのですが、皮肉なことにモノラルなおかげでスピーカーから鳴らせば圧倒的な迫力が楽しめるかと。ダイレクト感の強いバランスでも、やはりデンバーよりもリアムのコンディションは良いですし、ノエルが「Step Out」をハイテンションに歌い上げる様子がこれまた生々しいくらいリアルに楽しめる。今回はまるで2001年デンバーがいかに冴えない音源であったかをディスるかのようなリリースとなってしまいましたが(苦笑)、実際にトロントといった具合に実際のツアーのスケジュール順に聞き進めば、明らかにデンバー以降でリアム以下グループが尻上がりに調子を上げてきたことが実感できるはず。そして弟アランの代わりを務めた助っ人スティーブ・ホワイトのドラミングもモノラルのおかげで迫力倍増。「Fade Away」辺りになると本家トニー・マッキャロルとも異質な感触のストレートでハードなドラムさばきをじっくりと味わえる。かと思えば「Gas Panic!」後半での彼はここでもキレッキレ。Live at Molson Amphitheatre, Toronto, ON, Canada 22nd May 2001 SBD (51:24)
1. Go Let It Out 2. Morning Glory 3. Acquiesce 4. Gas Panic! 5. Cigarettes And Alcohol 6. Step Out 7. Slide Away 8. Champagne Supernova 9. Don't Look Back In Anger
Liam Gallagher - vocals, tambourine Noel Gallagher - guitar, vocals Gem Archer - guitar Andy Bell - bass Steve White - drums SOUNDBOARD RECORDING